岩に蔦と芙蓉図
佐竹義躬 1749(寛延02)- 1800(寛政12)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 紙本着色 |
寸法(cm) | H112.5×W23.8 |
受入年度 | 平03年度購入 |
屈曲する岩に赤く色づいた蔦がからみつき、その陰から大輪の芙蓉がのぞいている。岩肌には随所に点苔が生え、陰影を加えて凹凸が表されている。少し硬い芙蓉の描写と比較して、蔦は生き生きと軽快な動きが表現されている。青空に湧き上がる雲も見えて、自然の景観を再現しようとする明確な意図が感じられる作品である。義躬は1778(安永7)年正月、江戸から帰郷した直武を相手に書き初めをするなど、直接学ぶ機会もあった。作品の多くは植物を主題にしており、直武による花鳥画や植物写生図を写したものも多い。本作の蔦の基になった両者の写生図が伝わっている。