○秋田市公契約基本条例

平成25年3月21日

条例第12号

(目的)

第1条 この条例は、公契約に係る基本的な事項を定めることにより、公契約の適正な履行および良好な品質の確保ならびに労働者の適正な労働条件の確保を図り、もって市民が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 公契約 市が発注する工事、製造その他の請負の契約および業務の委託に関する契約をいう。

(2) 受注者 市と公契約を締結した者をいう。

(3) 下請負人等 次に掲げる者をいう。

 下請その他いかなる名称によるかを問わず、市以外の者から公契約に係る業務を請け負った者

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)の規定に基づき、受注者又はに掲げる者へ公契約に係る業務に従事する労働者を派遣する者

(4) 受注者等 受注者および下請負人等をいう。

(5) 対象労働者 次に掲げる者をいう。

 受注者又は下請負人等に雇用され、公契約に係る業務に従事する労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者および家事使用人を除く。)

 自らが提供する労務の対価を得るため、受注者又は下請負人等から公契約に係る業務を請け負う者

(6) 低入札価格調査制度 市長が、一般競争入札により工事、製造その他の請負の契約を締結しようとする場合において、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者の当該申込みに係る価格によってはその者により当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められるとき、又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当であると認めるときは、その者を落札者とせず、予定価格の制限の範囲内の価格をもって申込みをした他の者のうち、最低の価格をもって申込みをしたものを落札者とする制度をいう。

(7) 最低制限価格制度 市長が、一般競争入札により工事、製造その他の請負の契約を締結しようとする場合において、当該契約の内容に適合した履行を確保するため、あらかじめ地方自治法施行令(昭和22年政令第16号。以下「政令」という。)第167条の10第2項に規定する最低制限価格(以下「最低制限価格」という。)を設け、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を落札者とせず、予定価格の制限の範囲内の価格で最低制限価格以上の価格をもって申込みをした者のうち最低の価格をもって申込みをした者を落札者とする制度をいう。

(8) 総合評価落札方式 政令第167条の10の2の規定に基づき、価格その他の条件が市にとって最も有利な申込みをした者を落札者とする方式をいう。

(基本方針)

第3条 市は、次に掲げる事項を基本として、公契約に係る施策を実施するものとする。

(1) 公契約の締結に当たっては、価格以外の要素を考慮するなど、地元企業(市内に主たる営業所又は事務所を有する者をいう。以下同じ。)の受注意欲に配慮した発注を推進することにより、地域における雇用を促進し、地域経済の活性化を図ること。

(2) 対象労働者の労働条件その他の労働環境の向上を図ること。

(3) 公契約の履行成績の評価を行う仕組みを整備し、不当な価格での入札を防止することにより、公契約の品質の確保を図ること。

(市の責務)

第4条 市は、この条例の目的を達成するため、地元企業の活性化、労働環境の向上および公契約の品質の確保につながる施策を実施しなければならない。

(受注者等の責務)

第5条 受注者等は、この条例の趣旨を踏まえ、公契約に係る市の施策に協力するよう努めなければならない。

2 受注者等は、市の事業の実施に携わる者としての社会的責任を自覚し、公契約に係る事業の良好な品質の確保および社会的価値の向上に努めなければならない。

3 受注者等は、労働基準法、最低賃金法(昭和34年法律第137号)その他の関係法令を遵守し、対象労働者の適正な労働環境の確保に努めなければならない。

(地元企業の活性化等のための仕組みづくり)

第6条 市は、総合評価落札方式による評価を行う場合においては、地元企業の活性化、育成および発展につなげるため、次に掲げる事項に留意しなければならない。

(1) 地域への貢献、地域の防災等に関する評価項目の充実を図ること。

(2) 前号の評価項目を含む価格以外の技術的要素等が、落札者の決定に効果的に反映される仕組みづくりを進めること。

(3) 総合評価落札方式の対象となる公契約の拡大を図ること。

2 市は、公契約に係る登録業者の格付の基準について、地域への貢献等に係る審査項目の充実を図らなければならない。

(労働環境の向上のための仕組みづくり)

第7条 市は、総合評価落札方式において、労働環境に関する評価項目を加えることにより、対象労働者の労働環境の向上を図るものとする。

2 受注者等、対象労働者および市は、前項の評価項目および評価方法等の実効性を確保するため、次に掲げる事項について取り組むものとする。

(1) 受注者は、対象労働者が労働時間、作業報酬額等をあらかじめ確認することができるよう対応すること。

(2) 対象労働者は、支払を受けた作業報酬額等が、前号の規定により確認した内容を満たしていないと認められるときは、市又は受注者等に申し出ることができること。

(3) 市は、前号の規定により市に対して申出があった場合は、受注者等に対し必要な調査を実施するとともに、当該調査の結果、申出に係る作業報酬額等が第1号の規定により対象労働者が確認した内容を満たしていないと認められるときは、その是正のための必要な指導をすること。

(4) 受注者等は、対象労働者が第2号の規定による申出をしたことを理由として、当該対象労働者に対し、解雇、請負の契約の解除その他の不利益な取扱いをしてはならないこと。

(品質確保のための仕組みづくり)

第8条 市は、公契約の締結に当たり、低価格入札による受注を排除し、適正な価格による契約を推進するため、最低制限価格制度および低入札価格調査制度を適正に活用するものとする。

2 市は、次に掲げる工事の完成時又は業務の完了時に確認検査を行うとともに、履行成績の評価をするものとする。

(1) 建設工事

(2) 測量、建設コンサルタントその他これらに類する業務

(3) 前号に掲げるもののほか、市長が特に必要と認める業務

(その他の契約等)

第9条 市は、公契約以外の契約等について、第3条に規定する基本方針を踏まえ、必要な施策を実施するよう努めなければならない。

(委任)

第10条 この条例に定めるもののほか、公契約に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成26年4月1日から施行する。

秋田市公契約基本条例

平成25年3月21日 条例第12号

(平成26年4月1日施行)