○秋田市ペット霊園の設置等に関する条例
平成27年7月3日
条例第44号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 ペット霊園の設置許可等(第4条―第16条)
第3章 移動火葬車両の使用許可等(第17条―第24条)
第4章 報告の徴収、改善命令等(第25条―第30条)
第5章 雑則(第31条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、ペット霊園の設置等の許可および管理の適正化等に関し必要な事項を定めることにより、良好な住環境の保持およびペット霊園と周辺の環境との調和を図り、もって市民の良好な生活環境の保全に資することを目的とする。
(1) ペット 犬、猫その他の愛玩用に飼養されている動物(化製場等に関する法律(昭和23年法律第140号)第1条第1項に規定する獣畜を除く。)をいう。
(2) 墳墓 ペットの焼骨(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物に該当するものを除く。以下同じ。)を埋蔵し、又はペットの死骸(同項に規定する廃棄物に該当するものを除く。以下同じ。)を埋葬する施設をいう。
(3) 納骨堂 ペットの焼骨を収蔵する施設をいう。
(4) 火葬施設 ペットの死骸を火葬するための設備(以下「火葬設備」という。)を有する施設をいう。
(5) ペット霊園 ペットの墳墓、納骨堂もしくは火葬施設又はこれらを併せ有する施設をいう。ただし、専ら自己の利用に供する目的で設置するものを除く。
(6) ペット霊園設置者 第4条第1項の許可を受けた者をいう。
(7) 移動火葬車両 火葬設備を搭載した車両(道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第8号に規定する車両をいう。)をいう。
(8) 移動火葬車両使用者 第17条第1項の許可を受けた者をいう。
(9) 近隣住民等 ペット霊園の区域に隣接する土地の所有者、当該区域からおおむね100メートル(火葬施設を有するペット霊園にあっては、おおむね200メートル)を超えない距離に建物がある場合における当該建物の所有者、管理者又は占有者その他ペット霊園の設置に係る説明会等の対象とする必要があると認められる者をいう。
(10) 住宅等 住宅、学校、保育所、病院、社会福祉施設その他これらに類する施設をいう。
(ペット霊園設置者等の責務)
第3条 ペット霊園設置者(ペット霊園の管理業務を受託した者を含む。)は、ペット霊園の設置又は管理に当たり、地域の良好な生活環境の保全に努めるとともに、ペット霊園の運営に伴って生ずる公害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
2 移動火葬車両使用者は、移動火葬車両を使用してペットの死骸の火葬を行うに当たり、地域の良好な生活環境の保全に努めるとともに、移動火葬車両の使用に伴って生ずる公害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
第2章 ペット霊園の設置許可等
(ペット霊園の設置許可等)
第4条 ペット霊園を設置しようとする者は、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。当該許可を受けたペット霊園の区域の変更(当該区域の縮小を除く。以下「区域変更」という。)又は当該ペット霊園の区域内における新たな墳墓、納骨堂もしくは火葬施設の設置(増設を含む。以下「墳墓等の新増設」という。)をしようとする場合も、同様とする。
2 前項の許可を受けようとする者は、事前協議終了後、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
3 市長は、市民の良好な生活環境の保全のために必要な限度において、第1項の許可に条件を付することができる。
(ペット霊園の設置等に係る事前協議)
第5条 前条第2項の規定による申請をしようとする者(以下「ペット霊園申請予定者」という。)は、規則で定めるところにより、あらかじめ市長に協議しなければならない。
2 市長は、前項の規定による協議があったときは、ペット霊園申請予定者に対し、必要な助言又は指導を行うことができる。
(標識の設置等)
第6条 ペット霊園申請予定者は、規則で定めるところにより、ペット霊園の設置、区域変更又は墳墓等の新増設を計画する土地の見やすい場所に標識を設置しなければならない。
2 前項の規定による標識の設置は、規則で定める日までに行わなければならない。
3 ペット霊園申請予定者は、第1項の規定により標識を設置しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。
5 ペット霊園申請予定者は、標識が破損し、汚損し、もしくは倒壊し、又は標識の記載事項に変更が生じたときは、速やかに標識を修復し、又は当該変更後の記載事項を標識に記載しなければならない。
(説明会の開催等)
第7条 ペット霊園申請予定者は、規則で定めるところにより、近隣住民等に対し、ペット霊園の設置、区域変更又は墳墓等の新増設に係る計画について説明会を開催しなければならない。ただし、説明会の開催が困難な場合は、戸別訪問を行うことにより説明会の開催に代えることができる。
2 近隣住民等は、規則で定めるところにより、ペット霊園申請予定者に対し、意見の申出をすることができる。
3 ペット霊園申請予定者は、前項の規定により近隣住民等から意見の申出があった場合は、当該申出をした者と協議しなければならない。
(申請地の基準)
第9条 ペット霊園を設置しようとする場所(以下「申請地」という。)の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) ペット霊園の区域の境界と住宅等との距離が、おおむね50メートル(火葬施設を有するペット霊園にあっては、おおむね100メートル)以上であること。
(2) 申請地のうち墳墓に係る部分については、ペット霊園申請予定者が所有する土地又は第4条第1項の許可を受けた後に自己所有地となることが明らかな土地であること。
(ペット霊園の構造設備等の基準)
第10条 ペット霊園の構造設備の基準は、次に掲げるとおりとする。ただし、市長がペット霊園の規模、申請地の状況その他特別の事由により市民の生活環境に支障がないと認める場合は、当該基準を緩和し、又は適用しないことができる。
(1) 外部からペット霊園を見通すことができないようにするため、密植した垣根又は障壁を設けること。
(2) ペット霊園の区域内に、雨水および排水が停滞しないよう必要な措置を講ずること。
(3) ペット霊園の区域内に、給水設備およびごみ置場を設けること。
(4) ペット霊園の区域内に、必要に応じて門扉、管理事務所、休憩所、便所、駐車場、緑地帯その他の附帯施設を設けること。
(5) 墳墓は、ペットの焼骨を埋蔵するものであること。
(6) 納骨堂に関する基準は、次に掲げるとおりとする。
ア 納骨堂の出入口又は納骨設備には、施錠装置を設けること。
イ 換気設備および照明設備を設けること。
(7) 火葬施設に関する基準は、次に掲げるとおりとする。
ア 火葬設備は、空気取入口および煙突の先端以外の部分が外気と接することなく燃焼することができるものであること。
イ 火葬設備に燃焼に必要な量の空気を供給することができる設備を設けること。
ウ 火葬設備に安定した燃焼を行うことができる十分な容積の主燃焼室および再燃焼室(以下「主燃焼室等」という。)を設けること。
エ 主燃焼室等内において発生するガス(以下「燃焼ガス」という。)の温度が摂氏800度以上の状態でペットの死骸を火葬することができるものであること。
オ 燃焼ガスが摂氏800度以上の温度を保ちつつ、一定時間以上滞留することができるものであること。
カ 主燃焼室等に燃焼ガスの温度を摂氏800度以上に保つことができる助燃装置を設けること。
キ 主燃焼室等内の燃焼ガスの温度を測定することができる設備を設けること。
ク バグフィルタ、サイクロン又はこれらと同等以上の機能を有する集じん装置を設けること。
(工事着手の届出)
第11条 ペット霊園設置者は、第4条第1項の許可に係る工事に着手しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。
(工事完了の届出等)
第12条 ペット霊園設置者は、前条の工事が完了したときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(ペット霊園の維持管理)
第13条 ペット霊園設置者およびペット霊園の管理者(以下「ペット霊園設置者等」という。)は、第10条各号の基準および次に掲げる基準に適合するようペット霊園を維持管理しなければならない。
(1) ペット霊園およびその周辺の清潔を保持すること。
(2) ペット霊園内の施設が破損したときは、速やかに修理すること。
(3) ペット霊園の使用により生ずるばい煙、汚水、廃棄物等を適正に処理すること。
(4) 火葬施設にあっては、次に掲げる基準に適合すること。
ア 火葬設備を使用する前に再燃焼室を予熱すること。
イ 燃焼ガスの温度については、安定した燃焼を行うのに十分な温度を確保すること。
(ペット霊園設置者の地位の承継)
第14条 ペット霊園設置者について、合併、分割(当該ペット霊園設置者が有するペット霊園を承継させるものに限る。)又は相続があったときは、合併後存続する法人、合併により設立された法人、分割により当該ペット霊園を承継した法人又は相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により当該ペット霊園設置者の地位を承継すべき相続人を選定したときは、その選定された者)は、当該ペット霊園設置者の地位を承継する。
2 前項の規定によりペット霊園設置者の地位を承継した者は、遅滞なく、規則で定めるところにより、その事実を証する書類を添えて、その旨を市長に届け出なければならない。
(ペット霊園設置許可事項の変更の届出)
第15条 ペット霊園設置者は、第4条第2項の規定による申請に係る事項(区域変更又は墳墓等の新増設に係るものを除く。)を変更したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。
(ペット霊園の廃止の届出)
第16条 ペット霊園設置者は、ペット霊園を廃止しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ市長に届け出なければならない。
第3章 移動火葬車両の使用許可等
(移動火葬車両の使用許可等)
第17条 市内で移動火葬車両を使用してペットの死骸の火葬を行おうとする者は、あらかじめ当該移動火葬車両ごとに市長の許可を受けなければならない。当該許可を受けた移動火葬車両の火葬設備を更新しようとする場合も、同様とする。
2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
3 市長は、市民の良好な生活環境の保全のために必要な限度において、第1項の許可に条件を付することができる。
2 市長は、前項の規定による協議があったときは、火葬車両申請予定者に対し、必要な助言又は指導を行うことができる。
3 市長は、第1項の規定による協議の内容が適当であると認めるときは、規則で定めるところにより、火葬車両申請予定者に協議の終了を通知するものとする。
(移動火葬車両の使用の制限等)
第19条 移動火葬車両使用者は、ペットの死骸の火葬をしようとするときは、住宅等との距離がおおむね100メートル以上離れた場所で行わなければならない。ただし、市長が市民の生活環境に支障がないと認める場合は、この限りでない。
2 移動火葬車両使用者は、市内でペットの死骸の火葬をするときは、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 規則で定める標章を移動火葬車両の見やすい場所に掲示すること。
(2) 公園その他の公共施設の敷地内においては、火葬を行わないこと。
(移動火葬車両の構造設備の基準)
第20条 移動火葬車両の構造設備の基準は、次に掲げるとおりとする。ただし、市長が移動火葬車両の規模その他特別の事由により市民の生活環境に支障がないと認める場合は、当該基準を緩和し、又は適用しないことができる。
(1) 火葬設備は、空気取入口および煙突の先端以外の部分が外気と接することなく燃焼することができるものであること。
(2) 火葬設備に燃焼に必要な量の空気を供給することができる設備を設けること。
(3) 火葬設備に安定した燃焼を行うことができる十分な容積の主燃焼室等を設けること。
(4) 燃焼ガスの温度が摂氏800度以上の状態でペットの死骸を火葬することができるものであること。
(5) 燃焼ガスが摂氏800度以上の温度を保ちつつ、一定時間以上滞留することができるものであること。
(6) 主燃焼室等に燃焼ガスの温度を摂氏800度以上に保つことができる助燃装置を設けること。
(7) 主燃焼室等内の燃焼ガスの温度を測定することができる設備を設けること。
(8) バグフィルタ、サイクロン又はこれらと同等以上の機能を有する集じん装置を設けること。
(移動火葬車両の維持管理)
第21条 移動火葬車両使用者は、前条の基準および次に掲げる基準に適合するよう移動火葬車両を維持管理しなければならない。
(1) 移動火葬車両の清潔を保持すること。
(2) 移動火葬車両が破損したときは、速やかに修理すること。
(3) 移動火葬車両の使用により生ずるばい煙、汚水、廃棄物等を適正に処理すること。
(4) 火葬設備にあっては、次に掲げる基準に適合すること。
ア 火葬設備を使用する前に再燃焼室を予熱すること。
イ 燃焼ガスの温度については、安定した燃焼を行うのに十分な温度を確保すること。
(移動火葬車両使用者の地位の承継)
第22条 移動火葬車両使用者について、合併、分割(当該移動火葬車両使用者が有する移動火葬車両を承継させるものに限る。)又は相続があったときは、合併後存続する法人、合併により設立された法人、分割により当該移動火葬車両を承継した法人又は相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により当該移動火葬車両使用者の地位を承継すべき相続人を選定したときは、その選定された者)は、当該移動火葬車両使用者の地位を承継する。
2 前項の規定により移動火葬車両使用者の地位を承継した者は、遅滞なく、規則で定めるところにより、その事実を証する書類を添えて、その旨を市長に届け出なければならない。
(移動火葬車両使用許可事項の変更の届出)
第23条 移動火葬車両使用者は、第17条第2項の規定による申請に係る事項(火葬設備の更新に係るものを除く。)を変更したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
(移動火葬車両の廃止の届出)
第24条 移動火葬車両使用者は、移動火葬車両を廃止したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
第4章 報告の徴収、改善命令等
(報告および検査)
第25条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、ペット霊園設置者等もしくは移動火葬車両使用者に対し、報告もしくは資料の提出を求め、又はその職員に、当該ペット霊園設置者等に係るペット霊園、当該移動火葬車両使用者に係る移動火葬車両もしくは当該移動火葬車両使用者の事務所に立ち入り、帳簿、設備その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(改善命令)
第27条 市長は、ペット霊園設置者又は移動火葬車両使用者が前条の規定による勧告に従わないときは、期限を定めて、必要な措置を命ずることができる。
(3) 前条の規定による命令に違反したとき。
(使用禁止命令)
第29条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、ペット霊園又は移動火葬車両の使用の禁止を命ずることができる。
(1) 第4条第1項の許可を受けずに、ペット霊園の設置、区域変更又は墳墓等の新増設をした者
(2) 第12条第2項の検査済証の交付を受けずに、ペット霊園を使用した者
(3) 第17条第1項の許可を受けずに、移動火葬車両を使用して市内でペットの死骸の火葬を行った者
(4) 前条の規定により許可を取り消された者
第5章 雑則
(委任)
第31条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成27年10月1日から施行する。
(既存移動火葬車両に関する特例)
6 この条例の施行の際、現に市内で移動火葬車両を使用してペットの死骸の火葬を行っている者(以下「既存移動火葬車両使用者」という。)は、施行日以後、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。