○秋田市行政の基本構想
令和8年3月17日
議決
第1 基本構想の意義
1 基本構想の位置づけ
基本構想は、本市の総合的かつ計画的な行政経営を図るため、5年間の計画期間を通した目標とそれを実現するための基本的な考え方を示すものです。
2 基本構想の構成
基本構想は、「基本理念」「将来都市像」「総合計画推進のために」および「プラスの循環戦略」で構成されます。
(1) 基本理念
目指すべき本市の姿を設定したものです。
(2) 将来都市像
基本理念のもとに目指す大局的な方向性として設定したものです。
将来都市像ごとに「政策」および「施策」に細分化し、体系図を示しています。
(3) 総合計画推進のために
基本構想および推進計画の推進にあたって、市職員が分野を問わず共通して意識していくべき基本姿勢を設定したものです。
(4) プラスの循環戦略
人口の社会増への転換と持続可能な社会の実現に向け、将来都市像別の体系にとらわれずに、必要な分野において一体的かつ集中的に経営資源を投入して取り組むため、設定したものです。各戦略に「重点プログラム」を定め、推進計画において、戦略ごとに数値目標を、重点プログラムごとにKPIを設定しています。
第2 基本理念
人口減少・少子高齢化が進行する中、地域の活力を高め、心豊かな暮らしを次の世代に引き継いでいくためには、私たち一人ひとりの毎日が輝いていなければなりません。
年齢や性別などを問わず、自分らしくいきいきと輝いている「人」
にぎわいにあふれ、多彩な魅力に満ちている「まち」
四季の移り変わりのように彩り豊かで、心うるおう「くらし」
本市では、前計画の基本理念「ともにつくり ともに生きる 人・まち・くらし」のもと、市と市民が協力しあいながら、その実現に取り組んできました。こうしたこれまでの取組を土台としながら、さらなる発展につなげていくためには、自分らしい生き方や可能性の追求、新しいことへの挑戦をためらわない環境やそれを後押しする気運が大切であり、それぞれの個性や価値観を互いに尊重し、共感しあう社会を築くことが求められます。
共感は、多様性と寛容性から生まれ、誰にとっても心地よい暮らしと、個性や能力を発揮できる居場所や仲間をつくります。人と人が交わり、活動や体験を共有し、喜びをわかちあうことを通じて、新たな価値を共に創造する共創へとつながります。
共創は、日々の変化や明日への期待、まちへの愛着をもたらし、一人ひとりがいきいきと暮らし、このまちを次の世代に引き継いでいくための原動力となります。
市と市民、市民と市民の対話を大切にしながら、共感と共創を通じて、人・まち・くらしがいたるところで響きあい、心を躍らせ、輝きあう毎日の実現を目指していくこととし、基本理念を次のように定めます。
“響きあう 心躍る 人・まち・くらし
~ 共感と共創で輝く秋田市へ ~ ”
第3 将来都市像
基本理念のもとに目指す大局的な方向性として、次の5つの将来都市像を設定し、将来都市像ごとの政策および施策について、体系として表します。
1 豊かで活力に満ちたまち
2 多様な主体でつくる元気なまち
3 人と文化をはぐくむ誇れるまち
4 健康で安全安心に暮らせるまち
5 緑あふれる持続可能なまち
将来都市像1 豊かで活力に満ちたまち
政策1 商工業・サービス業の振興
施策① 企業立地・事業拡大の推進
施策② 企業の活性化と起業の促進
施策③ 地元就職の促進と賃金水準の向上
施策④ 貿易と物流の拡大
政策2 農林水産業の振興
施策① 農林水産業経営の確立と食料の安定供給
施策② 戦略的で多様なアグリビジネスの促進
施策③ 農山村地域の活性化と森林整備の推進
政策3 交流人口の拡大と関係人口の創出、移住促進
施策① シティプロモーションの推進
施策② 観光振興の推進
施策③ にぎわいの創出
施策④ スポーツの力をいかした地域活性化
施策⑤ 関係人口の創出・拡大
施策⑥ 移住の促進
将来都市像2 多様な主体でつくる元気なまち
政策1 主体性と多様性を尊重するまちづくり
施策① 市民による地域づくりの推進
施策② 市民活動の促進
施策③ 男女共生社会の実現
政策2 地域福祉の充実
施策① 地域福祉の推進
施策② 障がい者福祉の充実
施策③ 高齢者福祉の充実
政策3 次代を担うこども・若者の成長支援
施策① こども・子育て環境の充実
施策② 若者の希望の実現
将来都市像3 人と文化をはぐくむ誇れるまち
政策1 文化の振興
施策① 文化遺産の保存と活用
施策② 市民文化活動の推進
施策③ 生涯スポーツの推進
施策④ 国際交流の推進
政策2 教育の充実・大学等との連携推進
施策① 社会教育の充実
施策② 学校教育の充実
施策③ 高等教育の充実
施策④ 大学等や大学生等との連携
将来都市像4 健康で安全安心に暮らせるまち
政策1 安全な生活の実現
施策① 危機管理体制の確立
施策② 災害や雪に強いまちの確立
施策③ 防犯・交通安全体制の確立
政策2 安心して暮らせる毎日の実現
施策① 健全な消費・生活衛生環境の確保
施策② 食育の推進
施策③ 保健・医療体制の充実
施策④ 消防・救急体制の充実
施策⑤ 社会保障制度の適正な運営
将来都市像5 緑あふれる持続可能なまち
政策1 環境との調和
施策① 環境保全の推進
施策② 循環型社会の推進
施策③ 脱炭素社会の推進
政策2 都市基盤の確立
施策① 秩序ある都市環境の形成
施策② 住宅環境の整備
施策③ 上下水道サービスの提供
施策④ 安全安心な道路環境の整備
施策⑤ 公共交通の確保・維持
将来都市像1 豊かで活力に満ちたまち
産業振興により地域経済を活性化し、しごととにぎわいを創出することにより都市としての求心力を高め、多様な交流や連携を構築し、県都として周辺圏域の発展を牽引する「豊かで活力に満ちたまち」を目指します。
政策1 商工業・サービス業の振興
工業
ア 現状と課題
人口減少に伴う労働力不足や原材料価格の高騰、そして国内外の競争が激化する中、本市の製造業においては、個々の企業が技術力、開発力を高めていきながら、より高付加価値の製品の製造へとシフトしていくとともに、研究開発の促進や技術の集積によって、産業としての厚みを増すことが求められています。
また、若者の地元定着を促進するための施策や外国人労働者の受入れなどを通じて労働力を確保するとともに、AIなどの導入や生産プロセスの改善、自動化などの促進により、生産性の向上とコスト削減を図るほか、新しい製造技術の導入に官民が連携して取り組むなど市内企業の競争力を強化する必要があります。
イ 取組の方向
労働力不足の解消や生産性向上などに向けた設備導入を促進するとともに、経営基盤の強化に向けて国や県等と連携した相談・支援体制を強化するほか、既存誘致企業やその本社・親会社を定期的に訪問することで企業ニーズを把握し、設備投資等の競争力の強化を働きかけていきます。
再生可能エネルギー関連産業は、部品製造やメンテナンスなど裾野が広く、多くのビジネスチャンスがあります。今後、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーのさらなる導入が予想されることから、人材の育成・確保や設備投資等の支援を行い、本市経済の活性化や関連産業の振興を図ります。
企業誘致
ア 現状と課題
近年、社会経済情勢の変化に伴うグローバルサプライチェーンの見直しや、国の国内投資支援策の後押しもあり、製造業を中心とする国内投資が各地で進展しているほか、情報通信業などでは、大都市圏における人材確保の困難さや自然災害等のリスク分散のため、地方進出を検討する企業が増えています。
一方で、市内には、産業用地やオフィスビルが不足し、企業誘致や既存企業の事業拡大の支障となっていることから、企業立地等による雇用の創出と地域経済への波及効果を最大化するため、進出企業のニーズに対応した産業用地やオフィススペースの確保が求められています。
イ 取組の方向
本市が重点的に集積を進めてきた電子部品・デバイス等の製造業や物流業、再生可能エネルギー関連企業とともに、若者・女性の活躍が期待される情報通信業の企業誘致に取り組みます。
産業用地等の不足に対しては、北部地区に再生可能エネルギーを供給する工業団地の整備を行っていくほか、今後の需要動向を捉え、民間事業者との連携を視野に入れながら製造業等の進出に必要な産業用地やオフィススペースの確保に取り組みます。
引き続き、各種優遇制度に加え、人材確保のしやすさや災害の少なさなど、本市の優位性を広くアピールした誘致活動を県との連携により推進し、若者の地元定着やAターン、地域産業の活性化につながる企業誘致に積極的に取り組みます。
商業・サービス業
ア 現状と課題
人口減少・少子高齢化の進行に伴う継続的な人手不足や長引く物価高など、本市の商業・サービス業を取り巻く環境は、厳しい状況に置かれています。
特に、仕入単価や人件費の上昇を販売価格に転嫁できていない状況にあることから、先端設備の導入やデジタル化等による生産性の向上が課題となっています。
中心市街地や商店街では、融資あっせんや補助制度により事業資金を支援することで、空き店舗・空きテナントへの出店が促進され、にぎわい創出にも一定の効果が現れており、継続的な取組が求められています。
イ 取組の方向
中小企業等経営強化法(平成11年法律第18号)における先端設備等導入計画の認定融資あっせんなどにより、人手不足の解消や生産性の向上を支援します。
また、商工団体や金融機関と連携しながら、ファンドの活用などにより、円滑な事業承継を支援します。
中心市街地や商店街においては、引き続き補助制度などにより、空き店舗・空きテナントの活用に努め、さらなる集客の向上を目指します。
中小企業経営
ア 現状と課題
本市企業の大部分を占める中小企業は、地域経済を支える重要な役割を担っていますが、人口減少等の進行による国内市場の縮小、グローバル化の進展による競争の激化等により、これらの民間事業者を取り巻く環境は厳しさを増しています。
特に、秋田県は後継者不在率および経営者の平均年齢が全国トップであるなど、事業主の高齢化や後継者不足等の課題を抱えており、今後、廃業の増加が懸念される状況であることから、従業員や第三者による事業承継の促進が急務となっています。
また、新たな創業者の掘り起こしや起業後のフォローアップなども視野に入れた創業支援により、創業を目指す人材を育成していく必要があります。
イ 取組の方向
本市の強みや特色などをいかしつつ、成長産業への進出や新事業の展開、新商品の開発、販路拡大などに積極的に取り組む中小企業等に対し、融資あっせん制度や相談体制の整備等により、事業拡大や経営基盤の強化を支援することで、民間事業者の「稼ぐ力」を高めます。
また、中小企業が持つ技術とサービスの喪失を防ぐとともに、雇用を維持するため、関係機関と連携しながら事業承継の円滑化を促進します。
このほか、創業機運の醸成や起業家の育成・支援等により創業を促進するとともに、新しい価値やサービスの創出にチャレンジする民間事業者を支援します。
雇用
ア 現状と課題
コロナ禍後、緩やかな景気回復を受けて、ハローワーク秋田管内の有効求人倍率や新規学卒者の就職内定率は高い水準で推移してきましたが、人口減少に伴い新規学卒者の就職者数は毎年減少しています。また、令和7年3月卒の県内高校生・大学生等の県内就職割合は、高校生が77%を超えているものの、大学生等は44.9%にとどまっています。
少子高齢化や若者の転出、産業の基盤となる熟練技術者の後継者不足など、労働力人口の減少が続く中、原材料やエネルギー価格、人件費の高騰により、企業経営が厳しさを増しています。
イ 取組の方向
若者の地元定着を促進するため、市内企業の雇用環境の改善や人材の確保・育成に関する取組を支援するとともに、賃金水準が高い首都圏等の企業誘致に取り組み、求職者の就職や非正規雇用者のキャリアアップ、正規雇用者の定着促進を図ることにより、賃金水準の向上に取り組みます。
また、新規学卒者の市内就職の促進を図るため、市内企業に関する情報発信の強化やインターンシップを含めた大学生等と市内企業とのマッチング機会の拡大に取り組むとともに、外国人材を含めた多様な人材が個々の能力を十分に発揮できる職場環境づくりを進めます。
加えて、デジタル化の進展に伴う技術革新やビジネスモデルの変化に対応するため、リスキリングやリカレント教育の取組を支援します。
貿易・物流
ア 現状と課題
秋田港におけるコンテナ取扱量は、企業のサプライチェーン確保への意識の高まりなどを背景に堅調に推移し、令和元年には過去最高のコンテナ取扱量を記録しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響や、国際情勢の混乱、海上運賃等の輸送コスト上昇などにより、近年コンテナ取扱量は大幅に減少しています。
こうした中、県や本市では、秋田港のさらなるコンテナ利用促進等に向け、コンテナ利用者に対する奨励金や海外販路開拓を図る企業への支援を継続した結果、取扱量については底を打ちつつありますが、コロナ禍前の状況には戻っていません。
また、秋田産品の海外展開においても、日本酒や米に続く特色ある地場産品の開発や販路開拓・拡大には至っていない状況にあります。
このほか、卸売市場については、施設の老朽化が進行しているほか、施設の構造が開放型でコールドチェーン(低温物流)に対応していないなど、現代の流通形態や社会的ニーズへの適応が困難な状況となっています。
イ 取組の方向
引き続き、秋田港の港湾機能の拡充に努めるとともに、県や貿易関連団体と協力し、コンテナ荷主奨励金の支援メニューの充実やポートセールス等により、新たな荷主の開拓や貿易参入を試みる企業の発掘に努めます。
また、秋田産品の販路開拓や拡大を目指す企業に対しては、国内外の見本市や商談会等への出展によるマッチング機会を創出するとともに、海外との商取引に参入する民間事業者を支援します。
卸売市場については、今後も、市民に安全で安心な生鮮食料品等を安定的に供給する役割を果たしていくため、再整備に向けた取組を進めます。
『政策1 商工業・サービス業の振興』のもと取り組む施策
施策① 企業立地・事業拡大の推進
施策② 企業の活性化と起業の促進
施策③ 地元就職の促進と賃金水準の向上
施策④ 貿易と物流の拡大
政策2 農林水産業の振興
生産振興
ア 現状と課題
農業においては、新規就農者数や農業法人数が増加傾向にあるなど、明るい兆しが見られる一方、高齢化等により離農者も増加しており、地域農業を支える意欲ある経営体の育成・確保が急務となっています。
また、生産資材等の高騰や自然災害の激甚化に加え、国内需要の減少など、農業をめぐる情勢がますます変化していく中で、農業経営は厳しい状況に直面していることから、安定した農業経営の確立に向け、担い手の育成・確保、生産性の向上や園芸作物等との複合化、生産施設および農業基盤の整備をさらに推進していく必要があります。
林業においては、採算性の低下などにより林業への関心が薄れている中、所有者の高齢化や世代交代などにより、個人での適切な森林経営が困難になっていることから、持続可能な林業経営の確立や林業の成長産業化が重要となっています。また、森林整備を通じ、地球温暖化の防止などの社会的要請に対応するため、中長期的な森林吸収量の確保・強化を図っていく必要があります。
イ 取組の方向
農業においては、消費市場や人材資源など都市部と隣接する立地条件をいかし、意欲ある多様な担い手の育成や複合型生産構造への転換を推進するとともに、スマート農業技術の活用、大区画ほ場の整備や園芸作物の団地化を促進するほか、環境負荷低減の取組などにより、健全で持続的に発展する農林水産業の確立と安全で安心な食料の安定供給を目指します。
林業においては、森林経営を促進するため、森林経営管理制度の活用や施業の集約化を図るとともに、低コスト経営に向けた新技術の導入やデジタル林業を推奨し、経営の効率化を図ります。また、地域材の利用促進などにより林業の成長産業化を目指します。
販売促進
ア 現状と課題
高齢化や人口減少による担い手不足、気候変動による自然災害の激甚化、国際的な価格競争の激化など、わが国の農林漁業を取り巻く厳しい環境に対応するため、新たな付加価値を生み出すアグリビジネスの促進が求められています。
本市においては、アグリビジネスに取り組む民間事業者への積極的な支援により、実践者数が増加するなど一定の成果を上げていますが、経営規模の小さい事業者が多いほか、販路確保や商品開発などに課題を抱えている事業者もおり、それぞれの実情に合わせたきめ細かな支援を継続していく必要があります。
また、本市は、園芸作物や果樹、畜産など、多様な作物等の生産地となっていますが、首都圏をはじめとする消費地の市場では産地間競争が激しく、ブランドが確立されていない地域の産品は厳しい価格競争にさらされています。
そのため、本市農産品全体の価値の向上を図るとともに、確実にその価値を認識してもらうため、国内外に積極的な情報発信や販路拡大等の取組を包括的・戦略的に展開していくことが必要となっています。
イ 取組の方向
農林漁業者の所得向上と地域の雇用拡大、担い手不足の解消を図るため、6次産業化に向けた設備投資や商品開発、販路拡大などを支援するとともに、人材育成やマッチング支援による農商工連携の促進など、付加価値の高い事業を創出し、アグリビジネスの活性化につなげます。
また、本市農産品等の魅力と知名度を高め、さらなる販売促進を図るため、民間事業者による展示会等への出展を支援するとともに、JAや周辺自治体と連携し、首都圏等におけるプロモーション活動や情報の発信によるPRを行うほか、地元有望産品の商品開発や需要拡大に取り組み、知名度の向上と外貨獲得に努めます。
農山村
ア 現状と課題
農業生産基盤や道路、上下水道などの生活基盤の整備は進んでいますが、地域における農林業の担い手不足や住民の高齢化の急速な進行に伴い、農用地、水路、農道等の保全管理が困難になるとともに、生産活動や集落機能の低下が懸念されています。
また、近年多発している局地的集中豪雨などにより、農林業施設の被災の頻度が増していることを踏まえ、山地災害の防止機能を有する森林の保全とともに、山腹崩壊の防止を促進する必要があるほか、クマ等の野生動物の出没が増加しているため、緩衝帯の役割を持つ里山を適正に管理する必要があります。
一方で、本市の持つ豊かな農山村資源や自然環境、地域に根付いている伝統・文化などを有効に活用し、農山村地域に人を呼び込み、地域の活性化や消費活動の促進につなげていくことが求められています。
イ 取組の方向
自然環境に配慮した農業生産基盤や生活基盤の整備を進めるとともに、農山村の持つ多面的機能の発揮に向けた取組への支援や農地集積等により、農業生産性の向上や生活環境の改善、集落機能の維持等を図るほか、老朽化した農業用ため池や治山施設の整備と里山の適正管理、クマ等の有害鳥獣の被害防除や捕獲、出没情報や安全対策の周知、正しい知識等の普及啓発を行い、人的被害や農地・山地被害の防止に努めます。
また、秋田市農山村地域活性化センターさとぴあを拠点として、地域の持つ豊かな農山村資源を活用した各種講座の開催や援農ボランティア事業などの取組を進めることで、都市と農山村の人的交流の場を創出し、農山村地域の活性化を図ります。
『政策2 農林水産業の振興』のもと取り組む施策
施策① 農林水産業経営の確立と食料の安定供給
施策② 戦略的で多様なアグリビジネスの促進
施策③ 農山村地域の活性化と森林整備の推進
政策3 交流人口の拡大と関係人口の創出、移住促進
シティプロモーション
ア 現状と課題
人口減少・少子高齢化が進行する中、持続可能な社会の実現のためには、市民一人ひとりのまちへの誇りと愛着をはぐくみながら、自らの地域に関わる当事者意識を醸成し、特に若者の地元定着を促進するとともに、交流人口・関係人口の創出により市内外の人々と多様な関係を築くことが重要です。そのためには、まちの特徴や個性などの独自性を効果的に発信し、多様な人々がまちに集まり、関わりたい、住み続けたいと共感されるブランディングを行っていく必要があります。
イ 取組の方向
市民や本市にゆかりのある関係人口など、各ターゲットに響く効果的な発信を行うため、観光や産業、文化、子育てなど、本市固有の魅力や日々の暮らしの豊かさについて、SNSをはじめそれぞれの特性をいかしたプロモーションを一体的かつ戦略的に行い、地元定着の促進や交流人口・関係人口の創出を目指します。
観光
ア 現状と課題
令和6年の訪日外国人旅行者数と消費額が過去最高を記録するなど、インバウンド市場のさらなる拡大が期待されている一方、宿泊者の約7割が三大都市圏に集中している現状から、オーバーツーリズムの解消も含めた地方への誘客強化が課題となっています。
本市ではクルーズ船の寄港数が増加し、乗船客の市内周遊が促進されていますが、宿泊も含めた滞在時間の長いインバウンド誘客の強化が期待されています。
また、従来の画一的な観光地巡りから、質や希少性を重視した能動的で、その地域でしか得られない本物の体験を求めるなど、多様化する観光客の嗜好に対応するため、本市ならではの観光資源の磨き上げとデータ分析によるターゲットを絞ったプロモーションの充実が求められています。
イ 取組の方向
秋田竿燈まつりを核とし、四季折々の自然、特色ある歴史や文化といった本市独自の地域資源を磨き上げ、観光客が減少する冬季の誘客を強化するなど、通年型の観光を推進します。
また、陸・海・空の交通結節点を持つ本市の優位性をいかし、国内周遊型のインバウンドもターゲットとするほか、本市を拠点とした広域観光の推進やコンベンション誘致などにより、本市来訪者の滞在期間延長と消費拡大を促します。
加えて、データの収集・分析を強化し、観光客の動向や消費状況に基づいた誘客と効果測定に基づく施策のブラッシュアップを図ります。
まちのにぎわい
ア 現状と課題
にぎわいの核となる中心市街地では、秋田市文化創造館、あきた芸術劇場ミルハス、千秋公園大手門の堀遊歩道、秋田市立佐竹史料館などの公共施設の整備のほか、民間によるホテルやマンションの建設が進んだことなどを背景に、秋田駅西口の地価は上昇傾向にあります。また、官民による年間を通じた様々なイベントが開催されるなど、芸術文化ゾーンを中心とした日常的なにぎわいの創出が図られつつあることから、まちの魅力をさらに磨き上げ、にぎわいが中心市街地全体に波及するよう、行政、地域、事業者が積極的に連携し、さらなる回遊性の向上に取り組む必要があります。
このほか、クルーズ船乗船客の市内周遊や地域資源である地元トップスポーツクラブが生み出す「特別な日のにぎわい」を「普通の日」、日常的なにぎわいにつなげていく必要があります。
イ 取組の方向
中心市街地は本市をイメージする“顔”であり、コンパクトシティの核として高次都市機能の集積を図りながら、秋田駅周辺をはじめ、旭川をはさんだ大町、保戸野通町、川反地区を一体的な区域として、住み、集うだけでなく、買物や公共施設の利用、散策などを通して、市民や訪問者が愛着を持てる多機能空間として活性化を図ります。また、芸術文化ゾーンをいかした、施設間連携や公共空間の柔軟な活用など、市民と協働して魅力的な交流・滞在空間の創出を進めます。
さらに、クルーズ船の寄港は、インバウンド誘客や交流人口の拡大による経済波及効果が見込まれることから、引き続き誘致・定着に向けた取組を官民一体で進めます。
このほか、市民の連帯意識や地域に対する愛着を深めるとともに、スポーツの力をまちづくりにいかすため、地元トップスポーツクラブとの連携やスポーツ施設の充実・活用に努めます。
関係人口の創出・拡大
ア 現状と課題
人口減少・少子高齢化の進行により、地域づくりの担い手となる人材が不足し、伝統文化の継承や伝統行事の継続、コミュニティの維持などが困難となることが懸念されます。
一方で、地方に残された自然や様々な習俗に関心を持ち、自発的に地域のにぎわいづくりに貢献したいという若者を中心とした大都市から地方への新しい人の流れが生じていることに加え、リモートワーク等の普及による働き方や生活スタイルの多様化を背景に、地方に対する関心が高まっています。
継続的に多様な形でつながりを持つ関係人口による人材の結びつきが促進されることで、地域と人々との様々な関係が新たに生まれるほか、こうした関心層を地域の担い手として確保することは、その地域の担い手として活躍することにとどまらず、地域住民との交流が新たな発見や価値を生み、地域経済の発展につながることが期待できます。
また、地域への関心や地域との関わりを深める中で築いた関係が、地方移住を決めるきっかけとなることが多く、移住の裾野拡大の観点からも、関係人口の創出・拡大を図る取組を進める必要があります。
イ 取組の方向
本市とつながりのある方はもとより、ゆかりのない方にも、本市の認知度を高め関心を持ってもらうための事業に取り組みながら、本市の豊かな自然や文化、教育環境などを活用した体験活動等の機会を提供し、継続的に多様な形でつながりを持つ関係人口の創出・拡大を目指します。
移住の促進
ア 現状と課題
首都圏における移住相談体制の強化や、本市独自の移住補助事業などにより、本市への移住者数は増加傾向にあるものの、依然として、進学・就職等に伴う転出が社会減の大きな要因となっており、若者の地元定着やふるさと回帰が課題となっています。
一方、近年、感染症や頻発化する自然災害などを背景に、大都市圏への人口集中がリスクや弱点として広く認識され、地方暮らしやふるさと回帰への関心が高まっていることから、移住ニーズの掘り起こしや一人ひとりの支援ニーズを踏まえた、切れ目ない支援により、移住先として選ばれるまちを実現し、県外からの移住を加速させる必要があります。
また、より多くの移住者を呼び込み、受け入れるためには、市民自らが地域に積極的に関わり、誇りや愛着を持つことが重要です。
イ 取組の方向
「都市の便利さと豊かな自然がほどよく調和したまち」という本市の魅力を市内外へ戦略的にPRし、その良さを実際に体験してもらうことで、その後の移住定住につなげる取組を強化します。
また、進学・就職等に伴い転出した若者や子育て世代のUターン、進学で本市に転入した若者の定着を促進するとともに、移住ニーズの掘り起こしや、多様化する支援ニーズに対応できる体制を強化し、移住者の増加につなげます。
さらに、移住者の定着につなげるため、庁内の関係各課の連携のもと、移住者が地域に積極的に関わり、誇りや愛着をはぐくむ取組を強化していきます。
『政策3 交流人口の拡大と関係人口の創出、移住促進』のもと取り組む施策
施策① シティプロモーションの推進
施策② 観光振興の推進
施策③ にぎわいの創出
施策④ スポーツの力をいかした地域活性化
施策⑤ 関係人口の創出・拡大
施策⑥ 移住の促進
将来都市像2 多様な主体でつくる元気なまち
すべての市民が主人公として尊重され、それぞれの役割や居場所で、個性や能力を発揮し、充実した生涯を送ることができるよう、地域、NPO、企業、行政等が関わり、支えあう「多様な主体でつくる元気なまち」を目指します。
政策1 主体性と多様性を尊重するまちづくり
地域の自治活動
ア 現状と課題
人口減少・少子高齢化の進行、ライフスタイルの変化などにより、加入率の低下や担い手不足などの問題を抱える町内会や自治会などが増えています。共同体としての機能を維持し、これまでと同様に地域自治活動の中心的役割を担うためには、住民一人ひとりのまちづくりに関わる意識を醸成することが必要です。
イ 取組の方向
住民一人ひとりがまちづくりに主体的に関わることで、地域課題の解決に取り組む社会を目指します。
市民活動
ア 現状と課題
コロナ禍により停滞していた、NPOやボランティアなどによる市民主体のまちづくり活動が再開しつつあります。
また、ライフスタイルや時代の変化に応じた新たな活動が広がり、多様化・複雑化する社会に対応する活動も始まりつつあります。
こうした中、市民活動に関心のある市民はおおよそ4割にとどまり、参加割合も依然として低いことから、参加・参画に向けた支援や関心を高める取組が必要です。
イ 取組の方向
市民主体のまちづくり活動を促進するために、市民が多彩で魅力的な活動を実践しやすい環境づくりを推進し、市民協働によるまちづくりを目指します。
男女共生社会
ア 現状と課題
社会制度の整備や時代の潮流により、男女共生の意識は普及してきています。家庭や学校、職場や地域など様々な場において、性別による固定的な役割分担やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の解消について理解を深めるとともに、相互扶助の精神を築き、絆を大切にしようとする気運の醸成を図る必要があります。
また、ジェンダーによる社会的偏見や差別をなくし、ジェンダー平等社会の実現に向けて取り組む必要があります。
イ 取組の方向
性別、年齢、国籍、LGBTQなどの特性や状況・環境等の違いを受け入れるとともに、人と人とのつながりや思いやりの心を見つめ直す機会を提供することで、お互いの人権を尊重し、一人ひとりが個性や能力を十分に発揮できる多様性を認めあう社会の実現を目指します。
『政策1 主体性と多様性を尊重するまちづくり』のもと取り組む施策
施策① 市民による地域づくりの推進
施策② 市民活動の促進
施策③ 男女共生社会の実現
政策2 地域福祉の充実
地域福祉
ア 現状と課題
人口減少・少子高齢化の進行に伴って、地域活動の担い手不足や社会的なつながりの希薄化が進行しており、地域福祉を担う人づくりや支えあいの地域づくり、安心して暮らせる福祉の環境づくりなどに一層取り組む必要があります。
イ 取組の方向
地域福祉の推進のため、包括的な支援体制を整備するとともに、住民が住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らしていけるよう、みんなで支えあいながら、地域を共につくっていく地域共生社会を目指します。
障がい者福祉
ア 現状と課題
障がい者が自立した生活を営む上での社会的障壁の除去や、社会参加の機会の確保が十分ではないことから、障がい者はその活動を制限され、結果的に日常生活や社会生活において制約を受けることがあります。秋田市障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(平成29年秋田市条例第41号)に基づき、共生社会の実現に向けて継続して取り組んでいく必要があります。
イ 取組の方向
誰もが障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生できるまちを目指します。
高齢者福祉
ア 現状と課題
本市の人口に占める65歳以上人口の割合は30%を超えており、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯も増加傾向にあるほか、いわゆる団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年度には高齢者人口がピークを迎えるなど、介護および福祉サービスへのニーズはますます高まるものと考えられます。
また、年齢を重ねても自分らしく生きがいを持ち続けながら生活することは、健康長寿につながることから、高齢者が地域福祉の支え手として活躍できるよう、市民、事業者、行政の三者協働により高齢者の豊かな経験や知識、意欲をいかした取組を進めることが重要となっています。
イ 取組の方向
高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を営むことができるよう、医療・介護・介護予防・生活支援などに関する様々な専門機関および職種が連携し、高齢者の暮らしを包括的に支える地域包括ケアを推進します。
また、市民、事業者、行政のそれぞれの強みをいかしながら、高齢者自らの生きがいづくりと社会参加を促進し、高齢者が支えられるだけではなく、社会の支え手としての役割を担い活躍できる社会の実現を目指します。
『政策2 地域福祉の充実』のもと取り組む施策
施策① 地域福祉の推進
施策② 障がい者福祉の充実
施策③ 高齢者福祉の充実
政策3 次代を担うこども・若者の成長支援
こども・子育て
ア 現状と課題
人口減少と少子化の進行、地域におけるつながりの希薄化などによる子育ての負担感や孤立感に加え、児童虐待や貧困、養育困難家庭の増加、こどもたちが遊びを通じて共に成長する機会の不足など、こどもと子育て当事者を取り巻く状況に様々な課題が生じています。
こうした中、子育てに関する様々なニーズや悩みに対応するとともに、次代の社会を担うすべてのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしくその権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態で健やかに成長できるよう、社会全体でこども・子育て支援に取り組んでいくことが求められています。
イ 取組の方向
こどもを社会全体で支援するとともに、妊娠を希望する人から子育て中の人までが安心してこどもを生み育てられる環境づくりを推進することにより、次代の社会を担うすべてのこどもが将来にわたって幸せな状態で健やかに成長できるまちを目指します。
若者
ア 現状と課題
少子化の進行は、社会や経済、地域の持続可能性を基盤から揺るがす事態につながるおそれがあります。
少子化の要因として影響が大きい未婚化・晩婚化には、個人の価値観の多様化などが背景にあり、若者における経済的な不安定さ、出会いの機会の減少、子育てに対する負担感など様々な課題があることから、結婚して家庭を持つことやこどもを生み育てることの喜び、楽しさを実感できる環境づくりとともに、将来への展望を描き、希望を叶えられる社会づくりが急務となっています。
また、若者の流出が課題となっており、本市出身者や進学で本市に転入した学生などの若者の地元定着を促進するとともに、一度本市を離れた若者や子育て世代が帰ってきたいと思えるまちにすることが重要となっています。
イ 取組の方向
若者の自立や就職、起業などの挑戦を支援し、本市で家庭を築き、こどもを生み育てたいという希望が生まれ、実現できるよう、就職、子育て等の各ライフステージ段階で、本市で暮らすことを選択できる環境づくりを目指します。
また、若者の活動を応援する施策や大学生等が主役となるまちづくりなどを推進し、若者が愛着と活気を感じて住み続けたいと思えるまちを目指します。
『政策3 次代を担うこども・若者の成長支援』のもと取り組む施策
施策① こども・子育て環境の充実
施策② 若者の希望の実現
将来都市像3 人と文化をはぐくむ誇れるまち
文化をいかした魅力あるまちづくりを進め、生涯にわたり文化・スポーツ活動に取り組める環境の中で、誰もが目標に向かって成長し、希望に満ちた生活を送ることができる「人と文化をはぐくむ誇れるまち」を目指します。
政策1 文化の振興
文化遺産
ア 現状と課題
本市では、豊かな自然環境と先人たちの活動を背景に、多種多様な有形・無形の指定文化財に代表される文化遺産が形成され、地域の中で大切に守り伝えられています。
これらの文化遺産は、近年、観光振興、まちづくり等への活用が期待される一方で、経年劣化や担い手不足などにより、保存・継承がこれまで以上に難しくなってきていることから、文化遺産を地域全体で支え、守り、伝え、いかしていく体制を整える必要があります。
イ 取組の方向
地域に根ざした文化遺産の調査とともに、文化遺産を知る機会を創出し、身近な歴史文化への誇りと関心をはぐくむ取組を進めることで、文化遺産を地域全体で支え、守る体制を築き、次世代に継承します。
また、貴重な地域資源として文化遺産の有効活用を図り、文化遺産をいかした魅力あるまちづくりを進めます。
芸術文化
ア 現状と課題
芸術文化事業の実施や文化施設の整備などにより、市民の芸術文化に対する関心が高まり、自主的な活動が広がりを見せるとともに、芸術文化をいかしたにぎわいの創出や都市の魅力向上への期待が高まっています。
一方、少子高齢化等に伴う担い手不足により、様々な芸術文化の継承に影響が生じていることから、芸術文化活動に参加しやすい環境を整える必要があります。
イ 取組の方向
市民が自主的な芸術文化活動を行うことができる環境づくりや、文化施設の有効活用を促進します。
また、市民一人ひとりの創造力をいかし、魅力ある芸術イベントの開催や情報発信など、文化によるまちづくりを一層進め、心に豊かさとうるおいをもたらす社会の持続を目指します。
生涯スポーツ
ア 現状と課題
市民の健康志向の高まりや生活様式の多様化により、余暇時間で気軽にスポーツに親しみながら、心身ともに健康な生活を送ることができる、豊かなスポーツライフを実現したいという意識が高まってきています。
一方、少子高齢化等により、大会等への参加者の減少や身近な地域でスポーツ活動を支える担い手の確保などの課題も生じてきています。
そのため、誰もが身近にスポーツに親しむことができる環境の整備を進め、ライフステージに応じた多様な市民ニーズに対応したスポーツ振興に取り組む必要があります。
イ 取組の方向
市民がそれぞれの体力や年齢、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指します。
また、市民一人ひとりがそれぞれのライフステージに応じ、主体的にスポーツ活動を楽しみながら、生涯にわたり、健康や生きがいづくりに取り組める環境整備を進めます。
国際交流
ア 現状と課題
本市は、友好姉妹都市提携等をしている海外の各都市と、行政、教育、芸術文化、スポーツ、医療、経済など様々な分野での交流を行っています。グローバル化の進展により、世界情勢の変化が市民生活に与える影響が大きくなっていく中、状況の変化に対応した国際交流施策を進めていく必要があります。
また、労働人口の減少を背景に即戦力となる外国人労働者の受入れが増加傾向にあり、今後もその傾向は続くことが見込まれます。外国人住民の増加は、企業の人材不足の解消のほか、市民が多様な価値観に触れることによる地域の国際化や活性化等につながることが期待されます。
イ 取組の方向
各都市の特性や地域性をいかした特色ある国際交流を実施し、交流の成果を市民へ還元するよう努めます。
また、市民が多様な文化や習慣を持つ人々と相互に理解する機会を通して、国際意識や平和意識の高揚を図り、外国人住民と共により良い地域社会を築くため、「多文化共生のまち」を目指します。
『政策1 文化の振興』のもと取り組む施策
施策① 文化遺産の保存と活用
施策② 市民文化活動の推進
施策③ 生涯スポーツの推進
施策④ 国際交流の推進
政策2 教育の充実・大学等との連携推進
社会教育
ア 現状と課題
自らの個性を発揮し、能力を高め、生きがいのある生活を送るため、生涯を通じて学びたいという市民の学習意欲が高まるとともに、学習ニーズが高度化・多様化しています。また、市民一人ひとりが学習成果をいかして主体的に社会に関わることが求められています。
イ 取組の方向
学習環境の変化やライフステージに応じた様々な学習機会を通して、多くの市民が共に学び、学ぶ楽しさを実感できるようにするとともに、学んだ成果を、人づくり、つながりづくり、地域づくりに結びつけることにより、持続可能な活力ある社会の実現を目指します。
学校教育
ア 現状と課題
人口減少・少子高齢化の進行、AI等の科学技術やグローバル化の進展、多様性の浸透など、こどもを取り巻く環境が大きく変化しています。
こうした中、変化を前向きに受け止め、個性や能力を最大限に発揮して主体的に未来を切り拓くとともに、様々な人と協働しながら課題を解決していく人材の育成が求められています。
イ 取組の方向
「徳」「知」「体」のバランスのとれたこどもをはぐくむ学校教育を通して、志を持って主体的に新たな価値を創造し、予測困難な未来を切り拓く「自立」の力と、多様な価値観を互いに認めあい、協働して社会を創造する「共生」の力を育成することを目指します。
高等教育
ア 現状と課題
急速な人口減少に伴い、高等教育機関を取り巻く社会情勢がより一層厳しさを増す中、高等教育機関は、時代の変化に対応しながら、高等教育および学術研究機会の提供と、地域社会での知的・文化的拠点として中心的役割を担っています。
また、教育研究の成果を地域社会に還元することにより、地域課題の解決や社会の発展、文化の振興に寄与することが求められています。
イ 取組の方向
高等教育機関がより豊かな教養と深い専門性を身につけ、地域社会の発展に貢献できる人材を育成し、積極的に国内外に情報発信を行うとともに、効率的かつ安定的な経営ができるよう支援します。
また、地域のシンクタンクとして高等教育機関が地域課題の解決、芸術文化活動の担い手の育成や文化の振興などに寄与するよう連携を進めます。
大学等や大学生等との連携
ア 現状と課題
本市には多くの高等教育機関が立地し、学生が集い、学び、日常的な活動を行うことで、まちに交流と活気が生まれています。人口減少をはじめ社会環境が大きく変化し、市民ニーズが高度化・多様化する中、市民協働のパートナーとして、より積極的に協力しあい、共にまちづくりを進めていく必要があります。
イ 取組の方向
それぞれの大学等が持つ人材・知識・情報などの資源や特徴をいかし、相互に連携を図りながら、地域課題の解決や文化の振興等につながるよう取り組みます。
また、連携を推進する中で、若者がこのまちに関わりたいと思う環境づくりや若者の多様な挑戦を後押しする取組の充実に努め、大学生等が主体的にまちづくりに関わることを目指します。
『政策2 教育の充実・大学等との連携推進』のもと取り組む施策
施策① 社会教育の充実
施策② 学校教育の充実
施策③ 高等教育の充実
施策④ 大学等や大学生等との連携
将来都市像4 健康で安全安心に暮らせるまち
生活の危険を回避できる十分な体制を整備し、市民が健やかな心身を保ちながら、「健康で安全安心に暮らせるまち」を目指します。
政策1 安全な生活の実現
災害時の危機管理
ア 現状と課題
近年の気候変動の影響により、集中豪雨やこれに伴う土砂災害、河川の氾濫等の水害など、全国的に自然災害が激甚化・頻発化しており、本市においても令和5年7月豪雨により市街地を中心に広範囲が冠水するなど、自然災害によるリスクが高まってきています。
これら大規模自然災害に対しては、被害状況の把握の遅れが、応急対策や復旧工事の早期実施に影響し、被害が長期化するおそれがあることから、迅速かつ的確に被害状況を把握する必要があります。
地域の防災活動の要ともなる自主防災組織は、少子高齢化の進行やコミュニティ意識の希薄化などへの対応が必要となっています。また、災害発生時の避難生活における生活環境の確保や、NPO・民間企業等との連携の推進などによる支援体制の強化等が求められています。
イ 取組の方向
激甚化・頻発化する自然災害に対応するため、防災インフラの整備や管理、老朽化対策を推進するとともに、ドローンやワンコイン浸水センサ等を活用した迅速かつ的確な被害状況の把握など、情報収集の高度化を推進します。また、迅速かつ正確な情報発信や、緊急支援物資の備蓄、避難所運営体制の強化など、実効性の高い防災体制の構築に取り組みます。
さらに、市民一人ひとりが、また企業などの事業者が、それぞれ自らの力で自らを災害から守る自助や、地域で相互に助けあう共助の意識の醸成を図り、今後、起こり得る災害や危機に備え、市民や関係機関と一体となって、総合的な防災対策を進めます。
健康危機管理
ア 現状と課題
生活環境がグローバルな変化を続ける中、食中毒や感染症など健康を脅かす健康危機の発生が危惧されます。
イ 取組の方向
平時から感染症等の健康危機に関する情報の収集・分析・発信を行うほか、関係機関と連携を図り、健康危機の発生時に迅速に対応できる体制を構築します。
災害に強いまちづくり
ア 現状と課題
市内には、木造住宅密集地や狭い幅員の生活道路、倒壊の危険性がある管理が不適切な空き家、公園が少ない地域などがあり、緊急時における物資輸送路や避難経路、オープンスペースの確保のほか、河川等の防災インフラの整備や管理など、防災・減災の取組をハード・ソフト両面からより一層進めていくことが求められています。
また、インフラの老朽化は災害耐力の低下につながることが懸念されることから、老朽化対策として修繕や更新を強力に推進する必要があります。
イ 取組の方向
秋田市国土強靱化地域計画等に基づき、無電柱化や治水対策の推進、空き家対策など、防災・減災に対応した都市機能の充実や安全性の向上を図り、道路、公園、河川、下水道などの防災インフラの整備や管理、老朽化対策を推進するとともに、組織の枠を越えて連携強化を図りながら、ハード・ソフト両面から多層的に防災・減災に取り組むことで災害に強いまちを目指します。
雪に強いまち
ア 現状と課題
近年、高齢化や働き手不足が深刻化しており、道路除排雪業務を担う人材の確保が年々困難となっているほか、物価や人件費高騰による除排雪関係経費の負担増など雪対策を取り巻く状況は厳しさを増しており、持続可能な除排雪体制の構築が課題となっています。
イ 取組の方向
道路除排雪においては、住民や地域団体との連携による市民協働を推進するとともに、情報通信技術の積極的な活用による効率化を図るなど、持続可能な除排雪体制を構築することで、安全で安心な道路交通を確保し、雪に強いまちを目指します。
防犯対策
ア 現状と課題
市民による見守りやパトロールなど地域の安全安心につながる活動が活発に行われるようになった一方で、犯罪内容は多様化し、その手口が悪質化、巧妙化しており、インターネットやSNS、電話等を介して行われる詐欺被害は、依然として多く発生しています。
イ 取組の方向
地域全体の治安を確保するため、警察、市、地域などが、各自の役割を果たしながら緊密に連携し、犯罪を抑止するための効果的な取組を行うことで、こどもから高齢者まで、誰もが安心して暮らせるまちの実現を目指します。
交通安全対策
ア 現状と課題
交通安全活動の取組により、交通事故の発生件数、死傷者数ともに減少傾向にあるものの、発生件数に占める高齢者が起こした事故の割合が増加しています。
また、生活道路には幅員の狭い道路や見通しの悪い交差点が多く残っており、歩行者や自転車の交通環境の改善が求められています。
イ 取組の方向
交通安全に対する意識啓発や交通安全運動の推進を図るほか、道路や交通安全施設の整備などにより、すべての道路利用者が安全で安心に利用できる道路空間の確保を目指します。
『政策1 安全な生活の実現』のもと取り組む施策
施策① 危機管理体制の確立
施策② 災害や雪に強いまちの確立
施策③ 防犯・交通安全体制の確立
政策2 安心して暮らせる毎日の実現
消費・生活衛生環境
ア 現状と課題
消費生活においてインターネット取引や電子決済サービスといったデジタル技術の浸透が進み、情報量や選択肢の多さにより取引環境が多様化・複雑化する中、世代を問わず、誰もが消費者の権利と責任を理解し、適切な消費行動をとることが求められています。
また、食生活を取り巻く環境の変化により、食品の安全に対する意識が高まっているほか、ライフスタイルや価値観の多様化に伴い、生活衛生関係施設の衛生確保や動物の適正飼養が求められています。
イ 取組の方向
消費者トラブルの未然防止に向けた啓発活動、消費者教育、相談体制の充実などにより、消費生活の安全安心の確保に努めます。
また、適切な監視指導などにより、生活衛生環境の維持向上に努めます。
食育
ア 現状と課題
「食」は、私たちが生きていく上で欠かせないものであり、健康に暮らしていくための基本となるものですが、食生活やライフスタイルの多様化により、栄養の偏りや不規則な食事、地域の食文化の喪失などが見受けられ、「食」のあり方や地域食材の活用に対する関心が高まっています。
イ 取組の方向
生涯にわたって健康な心と体をつくり、豊かな人間性をはぐくんでいけるよう、食育の推進に取り組みます。
保健・医療
ア 現状と課題
医学の進歩や生活環境の改善により平均寿命が延伸する中で、偏った食事や運動不足などによる生活習慣病の増加と若年化が見られています。また、がんは依然として死亡原因の第1位であり、がん対策も重要となっています。
自殺者数は減少傾向にありますが、自殺や精神障がいに対する社会の理解を深め、こころの健康づくりにさらに取り組んでいく必要があります。
さらに、人口減少や高齢化など社会が大きく変化する中で、将来にわたり医療提供体制を確保していくことが求められています。
イ 取組の方向
市民一人ひとりの健康に対する意識を高め、心身ともに健康で、元気に生活できる期間(健康寿命)を延ばすよう取り組むとともに、本市の医療提供体制の将来像を定め、その実現に向けた具体的な取組を行っていきます。
火災・災害への対応
ア 現状と課題
建物火災のうち住宅火災が過半数を占め、電気器具類による火災が増加しています。また、全国的に住宅火災による死者のうち約7割が65歳以上の高齢者であり、これらを低減する取組が必要です。
さらに、近年は異常気象に伴う自然災害のほか、産業の多様化や都市形態の複雑化などから、特殊災害の発生が危惧されます。
イ 取組の方向
火災予防対策の強化と消防力の充実により、火災や災害による被害の少ない社会を構築し、市民の安全確保に取り組みます。
救急体制
ア 現状と課題
超高齢社会を迎え、高齢者の搬送割合の上昇などを背景に、今後も救急出動件数の増加が予想されています。
一方、AED設置促進の取組や、応急手当の普及啓発により、救命に対する市民の意識は向上し、応急手当の実施率が高い水準となっています。
イ 取組の方向
救急需要増大への対応、市民による応急手当が恒常的に実践される社会形成およびメディカルコントロール体制の充実強化など、より迅速で質の高い救急体制の構築を目指します。
社会保障制度
ア 現状と課題
いわゆる団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年度には高齢者人口がピークを迎えるなど、今後、医療や介護サービスへのニーズがますます高まるものと考えられます。
国民健康保険は、被保険者数が減少している一方、医療の高度化や高齢化により、給付費がほぼ横ばいに推移していることから、1人当たりの医療費が増加することが見込まれます。
後期高齢者医療制度は、被保険者数の増加に伴い、療養給付費などの各種負担金が増加していくことが見込まれます。
介護保険制度は、介護保険サービスを必要とする方の増加に伴い、介護保険から給付される費用が年々増加していくことが見込まれます。
生活保護制度は、高齢者世帯の増加に伴い、各種扶助費が増加していくことが見込まれます。
イ 取組の方向
適切な社会保障制度の運営により、誰もが住み慣れた地域で尊厳ある生活を送り、安心して医療・介護のサービスを受けられる社会を目指します。
『政策2 安心して暮らせる毎日の実現』のもと取り組む施策
施策① 健全な消費・生活衛生環境の確保
施策② 食育の推進
施策③ 保健・医療体制の充実
施策④ 消防・救急体制の充実
施策⑤ 社会保障制度の適正な運営
将来都市像5 緑あふれる持続可能なまち
利便性の高い都市基盤を整備しながら、本市の住みよい環境の保全と次世代へ継承することができるコンパクトシティの形成による「緑あふれる持続可能なまち」を目指します。
政策1 環境との調和
環境保全
ア 現状と課題
本市は、先人から受け継いだ豊かな自然と伝統にはぐくまれた歴史的・文化的環境が調和した美しいまちとして、秋田らしい恵み豊かな環境が保たれています。
一方で、世界や国内に目を向けると、大気汚染や水質汚濁、生物多様性の損失、気候変動など、環境に関する問題は多様化・複雑化し、本市への影響も懸念されます。
イ 取組の方向
本市の恵まれた自然を次の世代に引き継ぐため、市民、事業者、行政が協働し、良好な大気環境や水環境の維持・向上、生物多様性の維持・増進を図るなど、環境リスクの低減に取り組むとともに、環境保全意識の向上を図ります。
循環型社会
ア 現状と課題
本市を含む社会全体において、廃棄物処理による環境への負荷、処理経費の増大、最終処分場の確保、処理過程で環境汚染が発生する危険性への対応、不法投棄による環境悪化といった課題が数多くあります。
こうした課題に対応していくためには、市民一人ひとりが、大量生産、大量消費、大量廃棄型のライフスタイルを見直し、天然資源の消費が抑制され環境への負荷が低減される社会、すなわち「循環型社会」の早急な構築に向けた行動変容が必要になっています。
とりわけ、食品ロスやプラスチックごみの多量発生とごみ処理経費の増大は、社会全体で取り組むべき喫緊の課題となっています。
イ 取組の方向
市民や事業者の協力のもと、循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)における廃棄物の発生抑制(リデュース)、使用済み製品等の再使用(リユース)に優先的に取り組み、その上で排出される廃棄物については、徹底した再生利用(リサイクル)を図り、持続可能な循環型社会の構築を目指します。
脱炭素社会
ア 現状と課題
人類の活動により大量に排出される二酸化炭素等の温室効果ガスが原因とされる地球温暖化は、地球規模の気候変動をもたらし、地球の生態系へ重大な影響が生じていることから、国および国際レベルで防止策や対応策が進められています。本市も、秋田市役所環境配慮行動計画および秋田市地球温暖化対策実行計画に基づき、市民、事業者と一体となって、地球温暖化対策に取り組んでいく必要があります。
イ 取組の方向
政府による「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指す」との宣言を受け、本市においても、令和5年2月に「ゼロカーボンシティ宣言」を行っており、再生可能エネルギーや省エネルギー設備の普及を促進するほか、使い捨て製品の抑制による廃棄物の削減やエコドライブの取組など、環境にやさしいライフスタイルやワークスタイルの推進に努め、脱炭素社会の構築を目指します。また、温室効果ガスの吸収源となる森林の整備や、恵まれた秋田の資源・エネルギーをいかした環境関連産業の育成・創出を図ることで、環境と経済の好循環を目指します。
『政策1 環境との調和』のもと取り組む施策
施策① 環境保全の推進
施策② 循環型社会の推進
施策③ 脱炭素社会の推進
政策2 都市基盤の確立
市街地形成
ア 現状と課題
本市は、人口減少の進行とともに、市街地の低密度化が進んでおり、この状態がさらに進んだ場合、インフラの維持・更新費など都市経営コストの増大とともに、一定の人口に支えられてきた医療・福祉・商業・子育て支援等の生活サービスの低下が危惧されます。
イ 取組の方向
今後の人口減少・少子高齢化の進行を見据え、市民が将来にわたり生活に必要なサービスを容易に享受できるよう、無秩序な市街化を抑制するとともに、これまで市街地内で蓄積してきた都市基盤施設や都市機能を有効活用しながら、都心・中心市街地を本市の顔となる各種高次都市機能の集積を図る拠点として、また、6つの地域中心を地域特性を踏まえた生活サービスの拠点として、都市機能や居住の誘導を図り、持続可能でコンパクトな市街地形成を目指します。
景観形成と都市の緑
ア 現状と課題
太平山の裾野が見渡せる田園風景の美しい眺め、旭川が流れる城下町や街道の伝統を感じさせる既存市街地、緑化され整然とした住宅地など、良好な景観が形成されています。
都市の緑については、これまでの公園整備や緑化・保全活動により、一定の量を確保してきましたが、未だ整備が進んでいない地域もあります。また、近年では、レクリエーションの場としてだけでなく、地球温暖化対策や防災・減災など、緑が持つ多機能性に対する期待や求められる役割が変化してきています。
イ 取組の方向
豊富な自然や受け継がれてきた歴史と良好な景観資源の保全など、地域の特性をいかした新たな「秋田らしさ」の創造に向け、市民、事業者および行政が一体となって魅力あふれる景観づくりに取り組み、うるおいとやすらぎを得られる景観形成を目指します。
また、都市の緑の量の確保に向けた取組を引き続き進めるとともに、都市公園等の維持管理を適切に行い、緑豊かな都市環境の形成を目指します。
住宅
ア 現状と課題
住宅総数は減少傾向となっていますが、戸建て住宅の割合や持ち家率は高い状況にあり、量的には充足している一方で、人口が減少している中、世帯状況の変化や空き家が増加していることなどから、社会情勢の変化に対応した住環境の整備が求められています。
住宅のバリアフリー化や耐震化は徐々に進んでいますが、誰もが安全で安心して暮らせるよう、さらなる住宅の質の向上と災害等に強い住まいづくりを進める必要があります。
市営住宅等については、子育て世帯や高齢者世帯などが生活する上で環境が整った立地にある住宅への入居要望が多くなっています。
イ 取組の方向
住宅ストックの質の向上を促進し、まちなかへの居住誘導や空き家の利活用を推進するなど、良好な住環境の形成を目指します。
また、市営住宅等については、計画的な修繕・改修・更新や適切な維持管理を行うとともに、多様なニーズに応え、誰もが安心して住み続けられる環境の確保に努めます。
水道
ア 現状と課題
普及率がほぼ100%となり、市民誰もが水道を利用できる環境になっているものの、老朽化した施設の更新や危機管理対策などが必要となっています。
また、人口減少やこれに伴う料金収入の減少など、経営環境は厳しさを増しており、経営基盤の強化が求められています。
イ 取組の方向
老朽化した施設の更新や耐震化、ダウンサイジングによる施設規模の適正化、危機管理対策の見直しのほか、経営分析による適正な料金改定の検討など財源確保に向けた取組を進め、効率的な事業経営のもと、安全でおいしい水の安定的な供給を目指します。
生活排水処理
ア 現状と課題
公共下水道などによる汚水処理人口普及率は98%を超えたものの、水洗化率は91%と伸び率が鈍化しており、未接続世帯の水洗化率向上による公共用水域の水質保全が必要となっています。
また、施設の老朽化や危機管理対策に加え、人口減少やこれに伴う使用料収入の減少など、経営環境は厳しさを増しており、経営基盤の強化が求められています。
イ 取組の方向
未接続世帯の水洗化の促進、老朽化した施設の更新や長寿命化、危機管理対策の見直しのほか、経営分析による適正な使用料改定の検討など財源確保に向けた取組を進め、効率的な事業経営のもと、快適な生活環境の整備と公共用水域の水質保全を目指します。
道路整備
ア 現状と課題
都市計画道路の整備・見直しにより、3環状放射型道路網など効率的・効果的な交通体系の構築が進められていますが、今後も人口減少・少子高齢化が進行すると予想されることから、持続可能な都市構造の形成が必要となっています。また、高度経済成長期に集中的に整備された橋りょうなどの道路ストックの老朽化対策が急がれています。
イ 取組の方向
都心・中心市街地と地域中心を有機的に結びつける骨格道路の整備等を進め、選択と集中による効率的・効果的な道路網の形成を目指します。また、道路ストックの予防保全型の維持管理を計画的に行い、安全で安心な道路の保全と長寿命化を推進します。
交通機能
ア 現状と課題
市内には秋田港や秋田空港、秋田駅、高速道路のインターチェンジがそろっており、これらの交通拠点により人流・物流を広域的に結んでいます。
一方、鉄道やバスなどの公共交通については、人口減少・少子高齢化の進行に伴う利用者の減少や運転士不足などにより、交通事業は厳しい状況が続いていますが、市民の移動手段として、一定のサービス水準を確保しながら、将来にわたって公共交通ネットワークを維持していく必要があります。
イ 取組の方向
陸・海・空の優れた広域交通機能を活用した、東北を代表する交流拠点となる求心力の高い魅力的なまちを目指します。
また、公共交通は、鉄道・バス・タクシー等の連携による乗換えを前提とした公共交通網への再編と、ICTを含む新技術や新たな手法の活用により、地域のニーズや特性に配慮し、市民の利便性向上と効率性確保の両立を目指します。
『政策2 都市基盤の確立』のもと取り組む施策
施策① 秩序ある都市環境の形成
施策② 住宅環境の整備
施策③ 上下水道サービスの提供
施策④ 安全安心な道路環境の整備
施策⑤ 公共交通の確保・維持
第4 総合計画推進のために
1 計画推進のための行政経営の方針
総合計画の推進にあたって、行政経営分野の方針として、行政サービスの向上と行政経営の確立を進めます。
行政サービスの向上では、窓口における市民満足度の向上、身近な場所でのサービス提供機会の充実・確保など、また、行政経営の確立では、効率的かつ効果的な行政経営システムおよび行財政改革を推進します。
2 計画推進の基本姿勢
総合計画の推進にあたって、市職員が共通して意識していくべき6つの基本姿勢を定めます。
(1) 行財政のさらなる効率化を図ります
本市を取り巻く社会情勢の変化に対応し、持続可能な行財政運営を実現するため、「市民協働による地域・社会課題の解決」「経営資源の最適配分」「効率的な行政運営」による行財政改革の取組を推進します。
(2) デジタル化を推進します
市民サービスの利便性や満足度の向上のため、行政運営の様々な分野でデジタル技術の活用を推進するとともに、社会全体のDXにもつなげる意識を持って各種施策を立案・実施します。
(3) 対話によるまちづくりを推進します
市民の多様な思いやニーズをしっかりと受け止め、実効性の高い事業の立案、実施、評価等を行うため、まちの主役である市民との直接の対話を大切にするとともに、対話を契機とした市民参加の促進を図ります。
(4) 市民協働と絆づくりを推進します
地域・社会課題の解決やお互いを尊重しあう気運の醸成に向け、市民、NPO、企業、高等教育機関等の多様な主体が公共を支える市民協働に取り組み、未来の公共を共に創造していくとともに、都会と田舎のそれぞれの良さがある秋田市らしい家族・地域・社会のつながり、絆づくりを大切にします。
(5) シビックプライド(まちへの誇りと当事者意識)の醸成を図ります
市民一人ひとりがまちを知り、魅力に気づき、まちづくりに関わりを持つことを通じて、まちや日々の暮らしに愛着や誇りを感じ、このまちをより良くするために行動する当事者意識「シビックプライド」の醸成を図るとともに、市職員自身がその意識を高めます。
(6) 伝える、伝わる広報・PRを推進します
本市に関心を持ち共感する市民等の増加を図るため、市政運営や各種事業、イベント等の周知、様々な魅力の一体的な発信など、目的やターゲットを意識したわかりやすく親しみやすい広報・PRを推進します。
第5 プラスの循環戦略
戦略設定の趣旨
ア 人口の社会増への転換と持続可能な社会の実現に向けて
人口減少・少子高齢化の進行、厳しい財政状況など、本市を取り巻く課題や社会の変化などに対応し、市民一人ひとりの心豊かな暮らしを次の世代に引き継いでいくためには、人口減少対策に徹底して取り組み、人口の社会増への転換などにより、持続可能な社会の実現を図ることが求められます。
イ プラスの循環戦略
こうした課題に正面から取り組むため、本市の経営資源を一体的かつ集中的に投入する分野として、「プラスの循環戦略」を設定します。
戦略1「地域産業の活力を高め、働きがいのあるしごとの場をつくる」
戦略2「まちの魅力を高め、秋田市への新しいひとの流れをつくる」
戦略3「こども・若者の希望が叶うまちをつくる」
戦略4「誰もが健康でいきいきと暮らせるまちをつくる」
戦略5「災害に強く、安全安心で持続可能なまちをつくる」
民間事業者が「稼ぐ」ための環境づくりとサポートを徹底して行い、民間収益の増加を図りつつ、市の税収増につなげるとともに、ふるさと納税など市が自ら財源獲得に取り組むことにより、民間と行政がそれぞれ「稼いだ」原資を、こどもや若者、医療、福祉、防災・減災など、「ひと」と「まち」に再投資することにより、日々の暮らしに豊かさと活気を感じて住み続けられる秋田市づくりを進めます。
こうした好循環がまちに変化をもたらし、市内外からの評価を高め、地価の上昇や新たな人の流れの創出など、まち全体の価値の向上と、さらなる民間投資につながり、拡大し続ける「プラスの循環」の創出を目指します。
戦略1 地域産業の活力を高め、働きがいのあるしごとの場をつくる
(戦略設定の背景)
人口減少が進む中、産業経済基盤を強化することは、地域の活力を高める大きな力となります。
電子部品・デバイス、輸送機関連等や若者・女性の活躍が期待される情報通信業の企業誘致にこれまで以上に取り組むとともに、今後本市においてさらなる成長が見込まれる洋上風力発電等の再生可能エネルギー関連産業を中心に、生産開発拠点の新増設等の促進や関連企業の誘致などを図る必要があります。
一方で、企業のニーズに対応できる産業用地やオフィスビルが不足していることから、民間事業者との連携による産業用地や入居スペースの確保が喫緊の課題となっています。
また、市内企業の大部分を占める中小企業の発展がさらなる経済活性化や雇用創出に欠かせないことから、事業拡大と生産性向上の促進を図るとともに、新たなビジネスの創出や起業家の育成、事業承継支援などに取り組む必要があります。
このほか、市内企業の成長拡大のためには、新規学卒者をはじめとする若者や高年齢者、障がい者、外国人材など多様なバックグラウンドを持つ人材の活躍が、これまで以上に重要になることから、賃金水準の向上や働きがいが感じられる職場環境づくり、リモートワークや副業・兼業の増加等の働き方の多様化への対応などが求められています。
貿易関連は、東アジアに近接する地理的優位性や、秋田港の国際コンテナ定期航路などの強みをいかしながら、貿易と物流の活発化を図り、既存企業の事業拡大につなげる必要があります。
農業分野では、生産拡大と農業者の経営安定化に向け、ほ場整備による汎用化や農地の集約、スマート農業技術の活用により、効率的で収益性の高い生産構造への転換を図るとともに、6次産業化や農商工連携による農畜産物の高付加価値化、環境保全型農業の普及、農畜産物の輸出促進などによる販路拡大を推進していく必要があります。
こうした取組を通じて、本市の持つ潜在力をいかしながら地域産業の「稼ぐ力」を高め、経済活動の活性化とともに、市民の所得向上につなげることが求められています。
(戦略が目指すもの)
企業活動の活性化と新たな経済活動の創出
しごとの創出と多様な人材の育成・活躍
儲かる一次産業・食品加工の実現と担い手の育成・確保
(重点プログラム【実現のための方策】)
1 地域の強みをいかした産業の育成・創出
2 新エネルギー関連産業の集積・振興
3 生産拡大と経営安定化による持続可能な農業の実現
4 地元への就業機会の拡大と人材確保・育成支援
戦略2 まちの魅力を高め、秋田市への新しいひとの流れをつくる
(戦略設定の背景)
人口減少が進む中、都市の活力を高め持続可能なまちづくりを進めるためには、市民や国内外の多くの人々から選ばれる求心力のある都市としての魅力を高め、その魅力を効果的に発信していくことが求められます。
本市は、県都としての都市機能に加え、四季折々の美しい自然や豊かな歴史がはぐくんだ優れた景観、秋田竿燈まつりをはじめとする伝統行事、心にうるおいをもたらす芸術文化、感動と一体感を生み出すトップスポーツ、そして美酒美食といった人々を惹きつける多彩な魅力にあふれています。こうした地域資源に磨きをかけ、戦略的に発信することで、国内外から誘客を加速する必要があります。
また、近年は都市部から地方への移住やふるさと回帰への関心が高まってきており、地域にとって新たな可能性が生まれつつあります。
こうした潮流を好機と捉え、「都市の利便性と豊かな自然が調和したまち」という本市の魅力や心豊かな暮らしを磨き上げ、ブランディングし、発信していくことで、シビックプライドの醸成による若者の地元定着とともに、関係人口の創出・拡大、さらには移住先として選ばれるまちにつなげることにより、多様な人々が集まり、関わり、結びつく、「新しいひとの流れ」と消費拡大による地域経済の好循環を創出する必要があります。
(戦略が目指すもの)
交流人口・関係人口・移住者の増加による経済活動の活性化と多様なつながりの創出
地域資源をいかした人が集まるまちの実現
文化の創造・発展・継承による心豊かでうるおいのあるまちの実現
(重点プログラム【実現のための方策】)
1 地域資源の磨き上げと戦略的PRによる観光振興の推進
2 芸術文化を核としたまちづくりと中心市街地活性化
3 トップスポーツをいかした活気あるまちづくり
4 シティプロモーションの推進と関係人口の拡大
5 移住・定住の促進
戦略3 こども・若者の希望が叶うまちをつくる
(戦略設定の背景)
こどもや若者は、一人ひとりが未来を担うかけがえのない存在であり地域社会の宝ですが、多くの自治体と同様に本市においても人口減少や少子化が進行しており、持続可能なまちづくりを進める上での大きな課題となっています。
その背景には、若者の流出のほか、個人の価値観の多様化や経済的な不安定さ、出会いの機会の減少などに起因する未婚化・晩婚化の進行に加え、子育てに対する負担感などがあります。
こうした課題に対応するためには、こどもや進学を機に本市に転入してきた学生を含む若者が、やってみたいことや将来の理想の暮らしを見つけ、自分らしく自らの希望に応じて、その意欲と能力をいかし、いきいきと暮らせる環境づくりが不可欠です。
このまちに愛着を感じて、豊かさと活気を感じて住み続けたい、帰ってきたいと思えること、そして、安心してこどもを生み、子育ての喜びや楽しさを実感できる社会を築き、こどもや若者に引き継がれていくことが重要です。
次代の社会を担うすべてのこどもが将来にわたって幸福な生活を送ることができ、若者が将来への展望を描き、希望を叶えられるまちを構築していくことが求められています。
(戦略が目指すもの)
こどもを安心して生み育てられる環境の実現
すべてのこどもや若者が幸福な生活を送ることができる環境の実現若者が意欲と能力をいかすことができ、住み続けたい、帰ってきたいと思えるまちの実現
(重点プログラム【実現のための方策】)
1 安心してこどもを生み育てられる細やかな支援
2 こどもが健やかに育つ環境の整備
3 若者の希望と挑戦を応援するまちの推進
戦略4 誰もが健康でいきいきと暮らせるまちをつくる
(戦略設定の背景)
本市の人口に占める65歳以上人口の割合は30%を超え、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯も増加傾向にあるほか、いわゆる団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年度には高齢者人口がピークを迎えるなど、介護および福祉サービスへのニーズはますます高まるものと考えられます。
こうした中、市民一人ひとりが心豊かにいきいきと幸せに暮らす、活力にあふれる秋田市をつくるためには、こどもから高齢者まで、将来にわたって心身ともに健康であることが重要です。
また、高齢者が支えられるだけではなく、社会の支え手としての役割を担い、活躍できる場や人とのつながりがあるなど、日々の暮らしに生きがいを感じられる社会の実現に引き続き取り組んでいく必要があります。
障がい者、子育て中の親やこどもなど、誰もが将来にわたっていきいきと暮らせる健康長寿社会をつくるため、社会基盤の整備、生涯を通じた健康づくり、地域コミュニティでの高齢者の活躍の場の創出など、様々な取組が求められています。
(戦略が目指すもの)
市民の幸せと活力の基盤となる将来にわたる健康長寿の実現
高齢者が輝ける地域社会の実現
(重点プログラム【実現のための方策】)
1 生涯を通じた健康づくりの推進
2 高齢者が活躍できる場の充実と生きがいづくりの推進
3 多様な生活支援サービスを利用できる地域づくりの推進
戦略5 災害に強く、安全安心で持続可能なまちをつくる
(戦略設定の背景)
私たち市民が日々の暮らしに豊かさと愛着と活気を感じ、将来にわたって住み続けたいと思えるまちを実現するためには、暮らしの根幹を支える安全安心の確保が必要不可欠です。
本市では、令和5年にこれまで経験のない規模の豪雨災害が発生し、市街地を中心に6,000棟を超える建物が浸水するなど甚大な被害が発生しました。気候変動の影響により、激甚化・頻発化する自然災害から市民の生命と財産を守り、安全安心なまちをつくることは、行政の重要な役割であり、防災・減災の取組をハード・ソフト両面からより一層進めていくことが求められています。
気候変動の主な原因と見られる地球温暖化に対しては、令和5年に「ゼロカーボンシティ宣言」を行っています。脱炭素社会を目指しながら、発電に適した風況や豊かな自然環境など恵まれた本市の資源をいかした環境と経済の好循環による便利で活力のある暮らしの実現に向け、市民、事業者、行政が適切な役割分担のもと、環境への負荷の少ないライフスタイル・ワークスタイルの推進に協働で取り組む必要があります。また、ごみの減量や資源の有効活用等について、市民一人ひとりが自分ごととして捉え、積極的に行動し、周囲に波及させることにより、持続可能な循環型社会の実現を図る必要があります。
このほか、近年、市街地でのクマの出没が増加していることから、人の生活圏への侵入防止、人身被害、農作物被害の防止を徹底する必要があります。
公共交通については、若者を含めて、路線バスなどの利便性向上に対してニーズが高まっている一方、利用者の減少と運転士不足などの厳しい状況に置かれており、日常生活を営む上で必要不可欠な移動を円滑に行うことができる交通手段の確保と維持が求められています。地域のニーズや特性に配慮し、ICTを含む新技術や新たな手法の活用により、市民の利便性向上と効率性確保を両立させていく必要があります。
(戦略が目指すもの)
災害に強いまちの実現
誰もが円滑に移動できる交通体系の実現
持続可能な循環型社会の実現
(重点プログラム【実現のための方策】)
1 災害に強いまちづくりの推進
2 将来にわたり持続可能な公共交通体系の構築
3 循環型社会の構築とゼロカーボンの推進