2002年1月4日号 |
新世紀二〇〇二年
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明けましておめでとうございます
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昨年は、希望の世紀として待ちこがれていた二十一世紀元年、千年に一度の大きな節目の年でしたが、激動の幕開けになりました。 国内にあっては、小泉内閣の誕生による「骨太の改革」のスタート、低迷を続けてきた景気の一層の落ち込み、狂牛病や凶悪事件の発生など、騒然とした中に暮れました。 国外にあっては、アメリカでの空前絶後の同時多発テロとそれに端を発したアフガニスタンでの戦争突入やパレスチナ情勢の悪化、加えてこれら国際情勢の不安に起因する世界経済の一斉減速など、混乱の極みのような年でした。 さて、今年はどんな年になるのでしょうか。 奇しくも時代が第三ミレニアムに入り、現在の社会現象を文明の輪廻と捉えるとするならば、常態になるまでには相当の時間を費やすのではないかと思います。 あるいは、今後はこれまで常識として抱いていたような常態には戻らず、別の姿を常態とするような時代になることも十分考えられます。 |
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日本人は、ここしばらく平穏に慣れてきましたが、人類社会は刻一刻と動いており、今日を昨日の延長と考えるのは、そもそも間違いということに気づくべきです。 ソビエト連邦の解体、中国の自由経済社会への参入、発展途上国の追い上げなど、二十世紀末の国際秩序の大変動に伴い、加工貿易大国・経済大国として長らく君臨してきた日本も、その高い地位ゆえに大変動の波を真っ正面から受けるのは至極当然のことです。 今は、ちょうど日本が二十一世紀の国際社会を健全に生き抜いていくことができるか否かの資格試験を受けている最中と言っても過言ではないと思います。 今こそ、知恵を出し汗を惜しまず、ファイトあふれるチャレンジが必要です。泣き言を言って試験を放棄したり、あきらめて努力を怠れば新世紀の世界には入学できません。 近代日本の幕開けの明治維新、第二次世界大戦敗戦からの奇跡の復興、当時の苦難は今よりもはるかに大変なものであったと思いますし、先人はこれらを乗り越えてきました。 時代の大変革期、今こそ日本人の優れた民族資質に自信を抱き、日本も秋田も新たなる前進への序章の年にするために、ともに頑張りましょう。 新しい年の市民の皆様のご健勝を心からお祈りいたします。 それでは、新しい年にあたり、市民の皆様に大きく関わる主要な事項や市政課題、今後の方針などについてジャンルごとに、いくつかご紹介することにします。 |
都市
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まちづくりは、市民生活や産業経済などに大きく関わる市政の根幹です。先人のたゆまぬ努力により、現在の秋田市が形作られてきましたが、これからはバリアフリーやにぎわいなど新しい地域発想を加え、私たち自らがまちをデザインしていかなくてはなりません。 秋田駅東地区に計画している(仮称)拠点センターは、いま設計に取りかかったところです。これは行政と民間が相互のノウハウを集結して進める事業。公共部門には全天候型のアトリウム広場や市民サービスセンターなどを整備し、これと一体的に商業施設やホテル、福祉施設など民間施設の整備が予定されています。幅広い市民交流の中核施設として、平成十六年度の完成をめざしています。 また、利便性と安全性の高い道路網の整備も欠かせません。増加する交通量や市街地形成に対応したネットワーク整備をはかり、交通渋滞の緩和や地域間のアクセス向上に努めます。 |
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福祉
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乳幼児からお年寄りまで、だれもが健康で幸せに暮らせる社会を実現するため、お互いに助け合い、支え合う共生社会を築くことが必要となっています。 お年寄りや障害のあるかたが、安心で生きがいをもって生活できるよう、生活に身近な福祉サービスを充実させなければなりません。子育て支援サービスや保育施設も充実し、安心して子どもを産み・育てられる環境も整えます。 その一つとして、泉地区に建設を進めている福祉複合施設が十一月にオープンする予定ですが、これは高齢者の生活支援ハウスや知的障害者の通所授産施設、保育所で構成されるものです。高齢者や障害者、子どもたちが共にすごし、地域の人々と交流を重ねることにより、市民共生の実現につながる試みとして期待できます。 また、今年は、より計画的かつ効果的に福祉・保健施策を展開していくため、「地域福祉計画」や「健康秋田21計画」の策定に取り組みたいと考えています。 |
産業
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景気低迷が深刻化しており、これを打開するためには大競争時代に対応できる企業自らの経営力の強化が求められますが、市では新技術の導入や新事業分野への進出・販路開拓などの企業戦略に対し、融資制度の充実や創業に向けての奨励制度、適切な情報提供などにより、積極的に支援し、二十一世紀に対応できる産業構造の構築に努めます。 また、失業・雇用問題が深刻化しており、昨年十一月に「秋田市緊急経済・雇用対策本部」を設置し、雇用創出などに向けて市の既存事業の見直しや新規事業の創出に総力を挙げて取り組んでいるところです。さらに平成十四年度予算には、新たに経済・雇用対策特別枠を設け、重点的に対応することにしています。 こうした中、明るい話題として秋田港の外国貿易定期コンテナ便の取扱本数が昨年、過去最高の二万本を突破しました。東北では仙台塩釜港に次ぐもので、秋田港の着実な発展を示す、うれしいニュースとなりました。今後も貿易関連施設の整備促進や航路の充実などをはかり、秋田港の活性化と貿易の促進に努めます。 一方、農林業については、担い手の確保や生産・流通振興などこれまでの取り組みに加え、秋田市ならではの地域特産の研究開発や販路開拓に努めてまいります。 |
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環境
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昭和五年制定の秋田県民歌の一番は、「秀麗無比なる鳥海山よ 狂瀾吼え立つ男鹿半島よ」という郷土の大いなる自然への畏敬を込めた呼びかけに始まり、「山水皆これ詩の国秋田」と誇りをもって結ばれています。豊かな秋田の自然を誇り、慈しむ気持ちは、七十年を経て、新世紀になった今日も変わらぬものと思います。 美しい郷土の自然を守り、次世代に伝えて行くのは私たちの責務です。と同時に、我々市民が自然の価値についてもっと認識を深めることも必要となるでしょう。 秋田の良さは、自然が生活のすぐ隣にあるところです。乱開発でもなく、放置でもなく、自然と共生していくことこそが、環境の世紀たる二十一世紀のテーマです。 ふるさと秋田の豊かな自然を守る一方で、青少年自然文化ランドなどにより、自然と触れ合う機会をひろげ、かけがえのない自然の価値を知り、積極的な活用につなげていきたいと思っています。 |
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