2002年1月4日号

描く
阿部坦堂さん(広面字樋口)

 川尻総社神社のお正月の風物詩、境内に飾られる六畳ほどもある大きな絵馬。これを描いているのが阿部坦堂さん(74歳)です。大絵馬を描いて十二年。今年の干支の午で、ちょうどひと巡りしました。
 墨と絵の具を使い、大胆かつ繊細に描かれていく馬二頭。たてがみのなびく様子はハスの葉の如く広がり、大地を蹴る足には力がみなぎります。絵が委縮してしまうので、下書きは一切しません。
 秋田杉で作られた絵馬と向き合うこと約三時間。中国の詩人、李賀の詩を書き添えてできあがり。
 今年の絵馬も、みんなの願い事がウマくかなうよう、優しく見守ってくれています。

「天空を駆けるような元気で勢いのある馬が描きたかったんだよ」



馬の目を描き入れる瞬間。あたりも静まり返ります


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