2002年2月8日号

市長ほっとコラム

心豊かに(開かれた社会を)


市長●佐竹敬久

 今年の冬は、年が明けてから例年になく雪が少なく、比較的穏やかな日々が続いております。
 一月六日の恒例の出初め式は日曜日と重なり子どもさんとの家族連れが多く見られましたし、新成人のつどいが開催された十四日は快晴で、会場の市立体育館の外で写真を撮りながら親子で喜び合う晴れ着姿のお嬢さんたちも多く見られました。
 しかし、世相の方は引き続き波乱含みで、日本再生の方向を定めなければならない大事な時期に、国政レベルでの低次元な諍いや、狂牛病がらみの不愉快きわまりない事件など、心貧しい話題で、いささかウンザリしているかたも多いと思います。


 景気が長らく低迷し、なかなか光明を見出せず、イライラ状態にあるのはわかりますが、心や行動まで貧しくなりたくないものです。
 さて、このような世相がそうさせているのかは定かではありませんが、最近とみに感ずることに、自分の尺度だけでものを見る人、いわば好みの押し付け、考えの押し付け、これが慣例だと言わんばかりの礼を失するような無理強いが増えてきているように思います。
 自分の好みや考えが他人にも当てはまるとは限りません。
 成熟社会とは多様な価値観が混在する社会であり、それぞれの違いを認め合い、尊重し合うことが、開かれた地域社会、突き詰めれば国際化社会へのステップとなります。

1月14日、3,602人が新成人になりました

 そのようなことからすれば、最近の青少年の生き方に疑問を呈する向きはありますが、好き嫌いをはっきり口にし、他人から干渉されたくないし、その代わり他人の事には口を出さないという気質や行動様式も、必ずしもすべて否定できないのではとも思います。
 少子高齢化による人口減少のなかで、これからの秋田を活性化させる大きな方向に、有形無形の文化資産や素晴らしい自然を活かして、観光客など国内外から多くの皆様を招き入れる、いわゆる交流人口の増大があります。
 しかし、「秋田」や「地域」を売り込むことと、それを無理強いすることは全く別のことです。
 相手を思いやる、相手の気持ちになる、相手の好みや置かれている状況に気遣うことが、もてなしの第一歩ですし、それが真の心の豊かさにつながるような気がします。
 もちろん、私自身の言動への反省や市職員自らの市政や地域社会への携わり方も含めての話ではありますが。


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