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2002年4月12日号 |
市長ほっとコラム |
桜花爛漫 |
![]() 市長●佐竹敬久 |
今年の桜前線の訪れは昨年以上に早く、この号が皆様に届く頃には千秋公園や高清水公園、新屋大川端など桜の名所が大勢の市民でにぎわっていることと思います。 |
この中で、全国に行き渡っている栽培品種の「染井吉野」が、桜前線予報の対象になっております。 桜の名称には、鞍馬や伊予、駿河、また西法寺や本誓寺、さらには兼六園など、その品種が主に植栽されていたり、名木があるところの地名や公園名、寺院名などを冠したもの、あるいは楊貴妃、雛など千差万別、様々ありますが、総じて日本の「雅」を感じさせるものが多いようです。 また、桜は日本人の精神構造にも深い関わりを持っております。 中世までの桜観には、咲き誇った後に一斉に散る様に「はかなさ」という仏教思想との重ね合わせや、新緑の中に薄紅色にコントラストを際だたせる様から、「艶やかさ」の象徴という位置付けがあったようです。 その後近世に入り武家社会が確立されますと、有名な「仮名手本忠臣蔵」の判官切腹の場の「花は桜木、人は武士」という台詞に代表される武士道の美学「いさぎ良さ」の象徴、そして近代に入り、これが軍国的イデオロギーの象徴へと変わりました。 さて、現在はどうでしょうか。 いずれ、歴史は歴史として、お花見を楽しめるのは平和の証し、また花が咲き誇るのは自然の恵みということで、できれば平和と環境のシンボルとして、この後も末永く各地の桜を大切にしていきたいものです。 今年のお花見は厳しい経済環境下で折り詰めのランクが下がったり、中止になったりすることがあるかもしれませんが、飲み食いだけが「お花見」ではなく、今年も花を愛でることができることに深く感謝しながら、桜花爛漫を人それぞれの方法で楽しむことも日本人の「心の雅」といえるのではないでしょうか。 |
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