2002年9月13日号

市長ほっとコラム


中国蘭州市との友好提携二十年

市長●佐竹敬久

 今年は、秋田市と中国・蘭州市との友好提携調印から二十年目にあたり、竿灯まつりの最中に、柯茂盛元蘭州市長さんなどをお迎えし、市民参加のもと、ささやかな交流会を開催しました。
 また蘭州市からは、八月末の貿易展にあわせて両市民の書画展や交流会を行いたいという招請があり、蘭州会(市民の会)の皆さん方と四日間にわたり訪問してきました。
 途中で北京の日本大使館から、最近の中国事情についてレクチャーを受けてから蘭州入りしましたが、近代的な空港、フル規格の高速道路、三十階を超す高層ビル群など、表向きは日本との大きな差は感じられないほど近代化されてきておりました。
 また貿易展は、世界中からの多くのビジネスマンの参加のもと、合弁企業による近代工業製品や豊かな資源を背景とした多種多様な特産品が出展されている大規模なものでした。
 このような中で、今回は蘭州市との二十年の足跡を私なりに確認したいという思いがありましたが、特に
感じたことが二点ありました。
そのひとつは、蘭州市から多くの医療技術研修生を受け入れてきたことによる大きな成果でした。
 今回訪問した蘭州市第一人民医院というベット数六百八十あまりの病院では、院長、副院長をはじめ、各部科長、看護婦長さんなどの幹部の大半は秋田で研修を受けた方々です。
 特に「二十年前は心筋梗塞では助からなかったが、秋田での研修により、今では多くの命を救うことができ、秋田は蘭州市民の恩人である」との歓迎の言葉を受けましたが、その熱い眼差しからは、実感として感謝の意が伝わってまいりました。

友好提携20年を記念して開催された
書画展の開幕式

 さらに、蘭州市は水道や灌漑用水の水源があの泥水のような黄河に頼っており水事情が悪いとのことでしたが、「秋田市の水道局の技術指導により、年々改善されてきている」との話を聞き、ともに秋田では大きく語られることはありませんが、秋田市として大変に良いことをしてきたものと、改めて友好提携の意義を再認識いたしました。
 いずれ、国際交流にはギブ・アンド・テークという原則もありますが、感謝されることをしてきたことは、秋田市民にとって大きな誇りのひとつではないでしょうか。
 私と就任間もない、四十五歳の若い張志銀市長との間で、さらに両市の友好を深めるため、長い目で見ながら次のステップへ踏み出そうという合意をし、蘭州を後にした有意義な訪問でした。



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