2003年2月14日号

市長ほっとコラム

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成人式に思う

市長●佐竹敬久

 恒例の成人式は、一月十三日に市立体育館で開催されましたが、今年は雨風模様の荒天にもかかわらず、新成人三千五百六十三人の七三・一パーセントにあたる二千六百四人の皆さんに参加していただきました。
 これは、平成元年度以降で最も高い参加率で、例年を一〇パーセント近く上回る突出した数字です。
 また、昨年も比較的穏やかに行われましたが、今年は参加者の大幅増加による混雑にもかかわらず、さらに整然と式が進行し、主催者としては一安心というのが本音です。
 近年、全国的に荒れた成人式が話題になっていましたが、今年は一転静かな成人式のところが多かったようです。参加率の高さや静かになったことなどは、不況による就職難というような社会環境を反映して、立派な大人にならなければという意識が新成人の中に芽生えてきたものなのか、あるいは一時期の目立ちたがりの流行が収まったせいなのか定かではありませんが、高度経済成長の息吹が肌で感じられ、それなりに夢や希望を現実のものとして抱くことができた私の年代時分に比べれば、今の若者の前途には多くの面で極めて厳しい現実が待ち受けていることには、同情を禁じえません。
さて、昨年も今年も成人式の進行に大きな変わりはありませんが、本市の場合には形式的でないところが若者に受けているような気がします。
 成人式でなくとも嫌われるのが、延々と続く来賓の同じような内容のあいさつですが、本市の場合には来賓の祝辞はありませんし、たった一人の私のあいさつも、せいぜい三分程度、ノー原稿で教訓的なことよりも、新成人への激励という意味の内容を中心としており、参加者は真剣な眼差しで聞いてくれました。
 また成人式などで、特に政治家の「成人になったので選挙権が与えられる、棄権しないで投票を…」という内容のあいさつは、その当人に投票せよと強制されているようで最も嫌いな内容だ、ということを小耳に挟んだことがありますが、ひねくれ気質の私も、全く同感ということで口にしないようにしております。
 いずれ、大人になれば我慢や忍耐が必要になってくることは確かですが、現代の若者は比較的冷静に社会を見ていますし、大人に対する評価も十分心得ているようで、心配するには当たらないと思っています。
 人生は一生に一回。新成人には、厳しい現実を乗り越え新しい時代を創る積極果敢なチャレンジを期待し、心からエールを送ります。

新成人のチャレンジにエール!


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