2003年4月25日号

よみがえる地蔵田遺跡


昨年行われた竪穴住居完成見学会で。
住居の中、いろりを囲んでの説明会

御所野にある国の指定史跡・地蔵田遺跡をご存じですか。愛称は御所野「弥生っこ村」。日本で初めて発見された木柵で囲まれた弥生時代の集落跡で、いま市民のみなさんの手で復元中です。

弥生時代の秋田を知る二千二百年前の集落跡

 地蔵田遺跡は、御所野総合公園の一角にあります。昭和六十年に市が発掘調査した結果、旧石器・縄文・弥生時代と三つの時代にわたる遺跡であることがわかりました。
 日本で初めて発見された、木柵で囲まれた弥生時代前期(二千二百年前)の集落跡として、平成八年に国の史跡に指定されました。
 発見された遺構は、竪穴住居跡四軒、木柵跡三条(※)、土器棺墓二十五基、土壙墓五十一基。出土した土器の中には、北九州地方の影響を受けた遠賀川系土器も含まれており、東北日本海沿岸部に早くから弥生文化が伝わったことがわかります。

全国に注目される市民参加型の復元

 市では、この地蔵田遺跡を、平成十三年度から市民のみなさんと一緒に史跡公園として整備しています。市民参加型の復元は、全国的にも注目されている初めての試みです。
 二千二百年前の〃秋田市民〃が暮らしていた集落跡を、できるだけ当時に近い材料を使い、同じ位置に復元する史跡公園整備。すでに昨年、竪穴住居一軒、木柵二十九 が復元されています。このあと平成十八年度まで、竪穴住居は全部で三軒、木柵は一条(周囲百七十 )、土器棺墓・土壙墓などは原寸で、順次整備していきます。
●参加待ってます!
 今年度は、竪穴住居一軒と木柵を復元するとともに、すでに完成している竪穴住居の見学会や土器作り教室などを開催する予定です。
 大昔の秋田の人々がどんな暮らしをしていたのか、体験できる楽しい機会です。みなさんもぜひ、弥生っこ村づくりにご参加ください。

手始めは木柵づくり〜親子の参加大歓迎!〜
弥生っこ村づくり参加者募集I

5月12日(月)から申し込み受付 先着30人
 史跡地蔵田遺跡の周りを囲む木柵復元を体験しませんか。木柵に使う雑木の伐採と木柵の埋め込みを行います。定員先着30人。昼食、長靴、雨具をお持ちください。
 当日は、石斧を使った伐採などの実験考古学を行っている東京都立大学の山田昌久先生を講師に迎え、「石斧伐採講座」も開催します。
■とき/5月31日(土)午前9時〜午後3時30分
●日程(バスで移動)
市役所分館前発(午前8時50分まで集合)〜大滝山自然公園(石斧伐採講座・雑木の伐採・昼食)〜史跡地蔵田遺跡(木柵の復元体験)〜市役所分館着
■申し込み
5月12日(月)午前8時30分から文化振興室TEL(866)2246

このあとの復元スケジュール

 今後の市民参加の復元作業については随時、広報あきた、ホームページでお知らせします。
●問い合わせ 文化振興室TEL(866)2246
http://www.city.akita.akita.jp/city/ed/cl/default.htm
●竪穴住居の復元
 竪穴住居は全部で3軒復元します。直径8m、高さ約6mもある昔の家なので、専門技術を要するため、1軒目は建築業者が復元しました。今年度復元する2軒目は、9月以降、市民のみなさんに一部参加していただきます。3軒目は、その作業工程を学び大部分の復元に参加していただきます。
●木柵の復元
 全長170mある木柵を1年で約34mを目安に整備します。木柵に使用する雑木は、市有林で伐採したミズナラ、コナラなど。今年の1回目は上記の5月31日(土)。7、8、9月にも行う予定です。
●土壙墓(地面に穴を掘り、死者を埋葬したお墓)は平成16年、土器棺墓(死者を土器に入れて埋葬したお墓)は平成17、18年度に復元します。

史跡復元は貴重な体験

史跡地蔵田遺跡保存活用運営委員長
伊藤 武美さん

 遺跡の保存や復元体験などに寄せる市民のみなさんの期待に添いながら完成をめざします。竪穴住居に使う茅を刈ったり、木の伐採などの作業ひとつひとつが貴重な体験であり、学習です。当時の人になりきって、復元体験にご参加ください。


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