"健康あきた市21"スタート

　市民の平均寿命は、生活水準の向上や医学・医療の進歩などにより、年々延びています。(グラフ１)
　しかし、その一方で、がんや心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病が増加し、市民の健康を脅かしています。(グラフ２)
　生活習慣病は、身体の機能や生活の質を低下させる原因となるだけでなく、生命にもかかわります。しかし、正しい知識のもとにふだんの生活習慣を改善することで、かなりの割合で予防することができます。
　このようなことから、「健康あきた市21」では、これまで重視されてきた病気の早期発見、早期治療という「二次予防」にとどまらず、日常の生活習慣を改善して病気を予防する「一次予防」に重点を置きました。

　この計画では、保健統計や意識調査などからわかった市民の健康状況、健康課題などをふまえて、次の三つの基本目標を設定しました。

（1）壮年期死亡の減少
生活習慣病などによる働きざかりの壮年期死亡の減少をめざします。
（2）健康寿命の延伸
健康で元気に生活できる期間を延ばします。
（3）ＱＯＬ(生活の質)の向上
個人の価値観や心身の状況に応じて、生きがいや満足感の持てる、よりよい人生を送ることができるよう、生活の質を高めます。
　この目標を達成するために、栄養・食生活、身体活動、ストレス、たばこなどの重要な課題について、数値目標を設定し、市民一人ひとりが取り組むこと、市が取り組むことを具体的に示しています。(４〜５ページ参照)

　健康づくりには、一人ひとりの取り組みが重要ですが、個人の取り組みだけでは達成できないこともあります。
　気軽に運動できる場の確保、公共施設などでの分煙や禁煙の実施、栄養バランスの良い食事を提供する飲食店の拡大、お互いに支え合って健康づくりができるような地域づくりなど、個人の取り組みを支援する環境を整えることが不可欠です。この計画では、社会全体で環境の整備にも取り組み、市民一人ひとりの活動を積極的に支援する体制を整えていきます。

　「健康あきた市21」は、今年度から平成二十二年度までの八か年計画となっています。
　健康づくりは日々の積み重ねであり、主役は市民のみなさんです。この計画をもとに、共通の目標に向かって一人ひとりが健康づくりに取り組み、みんなが健康でいきいきと暮らすまちをつくっていきましょう。

秋田市保健所保健総務課
tel(883)1170　ファクス(883)1171
Ｅメール　ro-hlmn@city.akita.akita.jp　
「健康あきた市21概要版」をさしあげます。ご希望のかたは、保健総務課まで。

秋田大学医学部教授
本橋豊さん
健康あきた市21策定委員会委員長

　医療、栄養などの専門家や市民公募の委員で構成された策定委員会で１年間、市民の健康についてあらゆる視点から話し合ってきました。２回の意識調査を行って市民のニーズを把握するなど、市民のかたの声も計画に取り入れています。
　この計画のポイントは２点。以前は病気になっている人を早く見つけてあげるという対策で、主に専門家が取り組むものでしたが、これからは病気になる前に予防する対策が重視され、市民一人ひとりが身近な問題に取り組むことが大切になります。
　もう１つは、個人の努力に加え、社会全体で協力して健康づくりを進めていくということです。例えば、受動喫煙の問題を考えてみると、分煙などの環境整備を進めなければ、個人の努力だけですべて解決することはできません。
　さらに、この計画では数値目標をできるだけ明確に示しました。これによって、みんなが目標を認識しやすく、努力が必要な点がわかりやすくなっていると思います。
　これまで、秋田市には健康づくりの基本計画がありませんでしたが、健康はすべての生活の基本となる一番身近な問題です。将来の生活を健康に送るためにも、現在の生活をよりよいものにするためにも、一度、自分の生活習慣を見直してみてください。
　この計画ができたことが、市民も行政も企業もみんなが健康づくりの努力をしていくきっかけになることを願っています。