2004年4月23日号

みんなで築く地域のしあわせ


秋田市地域福祉計画スタート

「福祉」とは「しあわせ」のこと。
「地域福祉」とは「地域のしあわせを、みんなで築いていくこと」
では、「しあわせ」とはいったい何なのでしょうか。
それは、「心が満ち足りていること」です。
「福祉」とは「しあわせ」のこと。
「地域福祉」とは「地域のしあわせを、みんなで築いていくこと」
みんなで、が大事。
そう、「地域福祉」の主役は、わたしたちみんなです。
自分たちの住むあきたのまちに、そして、そこに暮らす人たちに、
みんなで、ほんのちょっとの思いやり…
みんなのちょっとが集まれば、
しあわせはさらに大きくふくらみます。
人と人とのあたたかい関係、地域社会の絆を、
これからもずっとずっと大切にしていきたいものです。

 秋田市建都四百年、そして市民協働・地域分権元年ー。
 そんな節目の年に、地域のしあわせをみんなで築く「秋田市地域福祉計画」ができました。地域社会がどうあるべきかを考えるための、新しい道しるべのスタートです。

これからの社会の切り札「地域福祉」

 少子・高齢化が世界に類を見ない速さで進み、秋田市でも二〇三〇年には、人口の約三〇?が高齢者になると予想されています。
 また、都市化、核家族化などの問題が複雑に絡み合い、かつてのような良好な人間関係・地域関係は失われつつあります。さらには、右肩上がりの経済成長が終わりを告げ、これまでどおりのサービスを提供し続けることは、極めて難しい状況になってきました。
 このような時代を乗りこえるために、社会福祉基礎構造改革において、これからの社会の切り札として登場したのが、「地域福祉」という新しい考え方です。

●秋田市の人口推移

市民協働でつくる未来進行型の計画


 昨年四月に施行された社会福祉法第百七条では、全国の市町村に「地域福祉」を推進するための計画書を策定することを求めています。 
 秋田市では秋田市社会福祉審議会(地域福祉専門分科会)での話し合いや、市内三十六地区で開催したワークショップでの意見交換などをふまえ、「秋田市地域福祉計画」をつくりあげました。
 この計画の第一の目標は、まだ私たちになじみの薄い「地域福祉」という考え方をみんなで共有することです。そのため、これまでの各種の計画書のように、新しいサービスを羅列した内容にはなっていません。具体的にどんなサービスが必要なのかを、行政主導ではなく、市民のみなさんと一緒に協働で考える「未来進行型」の計画としました。

市民協働「福祉」=「しあわせ」というイメージ

 そもそも「福祉」という言葉を広辞苑で引いてみると、?幸福 ?消極的には生命の救済、積極的には生命の繁栄―とあります。今まで私たちは「福祉」という言葉を、助けてあげるとか助けてもらうというような消極的な意味でとらえがちだったのではないでしょうか。
 秋田市では、まず「福祉」=「しあわせ」という積極的なイメージを大切にすることから始めました。そして、秋田市のめざす「地域福祉」とは「地域のしあわせを、みんなで築いていくこと」と定義しました。
 「地域福祉」の主役は私たち自身。一人ひとりの支え合い・助け合いの気持ちが集まれば、地域をよりよくしていく大きな力になるはずです。

計画は市民一人ひとりのためのもの

 下図のように、これまで、市の保健福祉サービスは、「けやきのまちのしあわせプラン」に基づき、対象となる人たちを別々にとらえて実施してきました。
 秋田市地域福祉計画は、特定の人のためではなく、市民一人ひとりのしあわせのために、これからどんなことが大切になっていくのかを、改めて考え直してみました。 その結果、五つの基本理念と三つの基本方針のもと、計画書を三章で構成しました。
 第一章では、アンケートやワークショップなどで地域の生活課題を把握するとともに、相談体制や情報提供体制を確立。自分自身の判断で、サービスの選択ができるようにしました。
 第二章では生活課題を解決するため、市の業務全般を見渡し、「行政」と「地域」と「個人」の責任と役割分担について考えてみました。
 第三章では、ボランティアやNPOをはじめ、市民が自主的・積極的に社会参加し、自己実現へとつなげていけるような、開かれた体制づくりを進める内容です。
 そして、地域福祉計画の実践は、七ページ左にあるように、市役所全体で取り組んでいきます。
 いずれも行政が一方的にサービスを提供するというものではなく、市民と行政との新たなパートナーシップの構築や、市民が主体となって行う活動をうながす内容となっています。
計画づくりのため各地で開催したワークショップ

ワークショップを
臨機応変に開催します

 市民のみなさんとの話し合いの機会として、ワークショップは今後も継続して開催していきます。
 今年度は、今までの地区単位でのワークショップに加え、新たに、サークル別や年齢別など、地域にこだわらず、いろいろなグループからの呼びかけにもお応えします。介護保険、子育てなど、テーマも臨機応変に開催していく予定です。お気軽にお申し込みください。

 地域福祉計画は、私たちの「しあわせ」実感に向けての新たな道しるべです。この計画が大きな花を咲かせられるよう、一人でも多くのかたの積極的な参加・参画をお待ちしています。
●地域福祉計画の問い合わせ・ワークショップの申し込み
福祉総務課地域福祉担当tel(866)2092 
ファクス(866)2417

計画策定はゴールではなくスタートです

秋田市社会福祉審議会(地域福祉専門分科会)
倉田正義会長
 地域福祉計画の策定には、地域福祉専門分科会の委員二十二人が、二年間で計九回の会合を開き、審議を重ねてきました。
 この間、市民アンケートの実施のほか、これまでの計画づくりにはなかった地域ごとのワークショップ(協働作業による、学びの場)なども開催し、多くの市民のみなさんの参加・参画にもとづいた計画づくりができました。
 会議ではどうしても、「行政が何をしてくれるのか」に論議が集まりがちだったことも事実です。しかし、なぜ、地域福祉が叫ばれるようになったのか、本当にやらなければいけないことは何なのか、ということをつきつめた結果、この計画の重点テーマである「市民協働」「地域分権」にたどりつきました。
 この計画により、私たちの生活が劇的に好転するわけではありませんし、一人ひとりの意識改革にもいま少し時間はかかると思います。この計画の策定がゴールではなく、スタートであるという認識のもと、「行政」「地域」「市民一人ひとり」の力の結集によって、地域福祉が推進されていくことを期待します。

地域に目を向けるきっかけを
地域福祉計画の策定に関わった一関サチ子さん
(医療法人久幸会 地域交流課)

 地域福祉計画は誰が読んでもわかりやすい内容になりました。地域で困ったときの課題解決の手引きなどに、この計画書を上手に活用してもらいたいと思います。
 施設と地域を結びつけるのが私の仕事ですが、施設に来てもらうボランティアのかたの意識が、ここ数年でだいぶ変化してきました。奉仕するという意識から自分のために学びながら自己実現をしていくという意識になってきているようです。
 これは地域交流を実践する立場としてとても大きな変化だと思います。地域のかたがボランティアとして、施設内で喫茶店やお茶会を定期的に開いてくれるのですが、利用者のかたも地域のかたが来てくれるのを心待ちにしています。お互いから、楽しかったと言ってもらうとやっぱりうれしいですね。
 決して特別な人がボランティアをしているわけではありません。みなさんも、地域に目を向けるちょっとしたきっかけを見つけてほしいと思います。

<秋田市地域福祉計画がめざす方向性>



市役所全体で取り組みます!
地域福祉を推進するおもな施策


ワークショップ

地域のワークショップを開催し、地域の実状を再確認し合い、地域ごとの目標づくりへとつなげます

市民活動の促進

「秋田市市民活動促進基本方針」に基づき、市民一人ひとりがあらゆる分野の市民活動に参加しやすい環境をつくります

市民活動センター

秋田拠点センターAL☆VE内に「市民活動センター」や「子ども未来センター」などを設置し、市民協働の実現をめざします

行政評価システム

市民が行政サービスを納得して受けられるように、事業の目的や必要性、効果などの適否を判断するための情報を提供します

市民公聴条例

市の施策の企画・立案過程などで、市民が直接、意見の提案や情報提供できる機会を確保します情報を提供します

市民協働の推進

「自助・共助・公助」のバランスやあり方を見つめ直し、市民と行政のパートナーシップを構築していきます

分権の推進

国・県と秋田市との関係を見つめ直し、市民の主体的な参加・参画によって、真の地方自治の確立をめざします

地域福祉計画のリーフレットをお配りします

 「秋田市地域福祉計画」のリーフレットを4月下旬に市内全戸にお配りします。
 なお、「秋田市地域福祉計画」の内容は、ホームページでご覧いただけます。
http://www.city.akita.akita.jp/city/wf/mn


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