2004年9月24日号

あっ!クマだ!!
出没多発注意報!


■今月4月からのツキノワグマの出没か所
(9月10日現在)
■過去10年のツキノワグマ出没件数

出没件数は昨年の2倍以上

 クマ、タヌキ、アナグマ、カラスなどの鳥獣による農作物などへの被害が平成十三年ごろから目立つようになりました。特に大型獣類であるツキノワグマによる被害は著しく、最近の傾向として市街地近郊にも出没するようになっています。
 今年九月上旬まで市内でのクマ出没件数は六十四件で、昨年の倍以上。その被害は、りんごなどの果樹、米ぬか、水稲、にわとりなど多種にわたり、人に危害を加えた事故も二件あります。 
 出没地域は、上新城、太平、山内、仁別地区のほか、市街地近郊の外旭川、添川、手形山地区でも目撃されています。
 遭遇の仕方も、山菜採りに入った山中だけでなく、自転車で農道沿いを帰宅途中だったり、住宅街に近い森を散策中だったりと、まさに“不意”の場面が報告されています。
 さらに今年は、八月から九月にかけて続けて通過した台風の影響で、山の木の実の不作が懸念されています。そのため、里山の木の実や農作物を狙って、さらにクマが市街地近郊に出没する可能性もあります。

不意の遭遇を避けるために

 なぜ今年、クマが頻繁に出没するようになったのか、はっきりした原因はまだ明らかではありません。その背景には、キャンプや行楽などに出かけた先で捨てた残飯をクマがあさるうち、その味を覚え、慣れてしまい、食べ物を求めて人里まで取りに来るようになったという、私たち人間のマナーにかかわる要因もあると考えられます。
 また、これからの季節は、きのこ狩りや行楽で山に出かける機会が増え、クマの生活圏に足を踏み入れることが多くなります。本来クマにとって人間は怖い生き物だったはず。初めから人を傷つけようというクマはまずいないでしょう。できればお互いに遭遇したくない相手なわけです。
 私たち人間も、まずは自分たちの身を守るために、次のことに注意して出かけるよう心がけましょう。

■山に入る場合は、鈴・笛・ラジオなどで音を出しながら入る
■人数はできるだけ複数で行動すること
■残飯などのごみは残さずに持ち帰るようにしましょう
■子グマのそばには母グマが必ずいます。子グマを発見したときは、直ちにその場から立ち去ってください

●クマについての通報・問い合わせ林務課tel(866)2117

クマ目撃!その後…

 市内でクマが目撃されると、発見者または警察署から秋田市に通報が寄せられます。そして、県の許可を得たのち地元の猟友会に出動をお願いしています。また、頻繁にクマが出没する場所には、鉄でできた箱ワナを設置して捕獲したりもしています。

●箱ワナ捕獲ドキュメント

 7月26日早朝、山内の民家付近に設置した箱ワナにツキノワグマ1頭がかかりました。同地区は、昨年も川原のスモモの木などを狙ってクマが頻繁に出没していました。
 捕獲したクマは、受入施設がないことや人身被害の危険性が高いことから、県に相談のうえ処分しました。
 クマはオスの成獣で推定6歳、体長141cm、体重100kg。胃の内容物を調べると、リンゴ、モモ、ミズなどを食べていたようです。なお、箱ワナによる捕獲は今年に入って10頭目です。


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