2004年11月12日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/大谷節哉先生(市立秋田総合病院 消化器内科・代謝科医長)


大腸がんと検診


 大腸がんは、近年日本でも増加の一途をたどっています。これは、食生活の欧米化による動物性脂肪のとりすぎと、食物繊維の摂取不足が考えられます。進行したがんは血便や腹痛などの自覚症状をともなうことがありますが、早期がんでは特有の症状はなく、早期発見の決め手は定期検診しかありません。

早期発見が生存率を高めます

 大腸がん検診(免疫学的便潜血反応検査)は、有効性が十分証明されている検査で、大腸がんによる死亡を減少させるために行われています。毎年検診を受けている人は、受けていない人と比べて、大腸がんで亡くなる危険性は60?以下に減少します。
 検診でがんが見つかり、治療を受けた患者さんが5年後まで生存している確率(5年生存率)は85?で、症状がでてから病院を受診して発見された患者さんの67?と比較して、明らかに良い結果がでています。 
 また、より早期のがんが多く発見されるので、外科的治療をしなくても内視鏡的治療で完治できる確率が高くなります。

40歳になったら、毎年検診を受けましょう

 大腸がん検診では、採便された便の中に、血液が混入しているかどうかを調べます。採便方法も簡単で身体への影響はありません。2回分の便を調べますが、1回でも陽性であれば、医療機関を受診し、大腸内視鏡検査による精密検査が必要です。
 早期がんの一部には便潜血反応検査による検診では発見しにくいものもあります。血便や腹痛、残便感、便が細くなる、下痢や便秘が交互に起こるなどの自覚症状があるかたや大腸がんの家族歴があるかたは要注意です。
 40歳を迎えたら、毎年1回は大腸がん検診を受けましょう。


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