2004年12月10日号

市長ほっとコラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の内容などをお伝えしています。

へそまがりの一言

市長●佐竹敬久

 今回は、今年、全国的に起きた出来事を取り上げ、「へそまがり」で「かたっぱり」な私なりの持論を述べてみることにします。戯言として受け止めてください。
(かたっぱり〜頑固、へ理屈語りというニュアンスの微妙な秋田弁?)

熊の出没「駆除」ではかわいそう!
 今年は全国的に熊が人里に出没し多くの被害もありました。異常気象によるものとか、山奥まで開発が進んだせいだとか言われています。
 本市でも、今年の出没件数は昨年の二七件を大幅に超える一二七件にのぼりました。人身被害も二件あり四〇頭が射殺されています。
 ところで法律上の用語では、熊を射殺することを有害鳥獣駆除と言います。熊も古代から地球に生存している立派な哺乳動物で、格別に人間社会に危害を及ぼそうとして人里に出没するわけではないと思います。
 それを、害虫なみの「駆除」という言葉で始末するのは、いかにも人間様の一方的な論理のようで、かわいそうでなりません。ほかに当てはまる言葉が見つからず、この表現を用いざるを得なかったのでしょうが、せめて足柄山の金太郎や桃太郎童話なみの「退治」という言葉であれば、熊のプライドも許すのでしょうが…。
温泉表示
不正はダメなのですが…

 今年の全国的なニュースに、温泉関連の事件があります。
 湯量が少なくなったために温泉入浴剤で着色したり、沸かし湯に入浴剤を入れて温泉と偽ったり、はたまた温泉盗掘など、温泉にまつわる不正行為が一気に表面化しました。
 これを機会に、指導・規制の盲点など行政側の責任も浮上しました。
 しかし、何となくこの問題には心情的にストンと落ちないものがあります。不正行為は文字どおり許されないことであることは言うまでもなく、特に食品に関することなどは生命に関わることもあって正確を期さなければなりません。
 しかし、温泉というものに対してそれぞれ抱いている気持ちはさまざまで、掛け値なしの温泉と、「まあ多分」というところとは、それとなく区分してきたような気がします。
 何もかも行政が規制する社会は窮屈過ぎますし、行政といえども限界や間違いもあり得ます。
 ものによっては、個々人が自分の判断力を頼りに賢く生きるということが必要で、何でも外の判断にばかり頼っていると人間本来の生命力が弱ってくるのではないでしょうか。

 明年は酉年、みなさまには、よい新年をお迎えください。

効能は?心と体が温まれば…



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