2005年8月1日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/佐々木秀平先生(市立秋田総合病院 院長)


尿路結石は生活習慣病です


 日本人が一生のうちで尿路結石にかかる割合は10人〜25人に1人と言われています。近年、欧米型の食事(高コレステロール食)が多くなり、結石の患者さんが増加しています。結石は腎臓や膀胱でつくられ、腎臓内にあるときは無症状の場合が多いのですが、尿管内に結石が停滞してしまうと尿が流れなくなり、腎臓のある側腹部や背部に激痛が起こります。この痛みは尋常ではなく、七転八倒の苦しみと言われ、救急車で来院するかたもいるほどです。

進む治療技術。短時間で石を破砕

 尿路結石の治療法としては、1センチ以下の結石であれば自然排石が可能ですので、水分を多く取ることやなわ跳び、ランニングをお勧めします。
 自然排石が不可能なときは手術が必要になります。しかし、近年は内視鏡操作(電気水圧衝撃波、超音波、レーザー)などで結石を砕いて取り出す方法、さらに最近では体外衝撃波砕石術(ESWL)が広く行われるようになり、いわゆる「切る手術」はほとんどなくなりました。ESWLの機器は年々改良されており、当院でも昨年から最新型の結石破砕装置が導入されています(図1)。この装置は従来より小型で破砕効果も一段と向上するなど性能がよくなっています。衝撃波の疼痛が非常に少ないため麻酔は不要であり、通常の尿管結石であれば30分で破砕可能です(図2)。
 結石は再発率が非常に高く、排石されたとしても小さな欠片が少しでも残ってしまうと、その欠片が核となり、雪だるま式に大きくなるため再発予防が大切になります。水分を多めに取り、尿路をいつも洗い流すことを心がけてください。また、動脈硬化症の予防と同様に動物性脂肪やタンパク質、お酒や塩分は控えめにし、野菜・海草、青魚類、緑茶を多めに取りましょう。さらにカルシウムは、結石の原因となる腸内のシュウ酸などとくっついて便に排せつされるので多めに取りましょう。
ESWL=Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy


最新の結石破砕装置


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