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2005年10月1日号 |
健康万歩計 |
このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。 |
今月のドクター/橋爪隆弘先生(市立秋田総合病院 外科医長 緩和ケアチームリーダー) |
つらい病気・治療に緩和ケア |
「緩和ケア」とは |
病気には、現在の医療で「治る病気」と「治らない病気」があります。医療は日々進歩しており、「治る病気」の範囲がどんどん広がってきています。しかし、「治らない病気」がまだまだ多いのが現状です。「治らない病気」の代表が、進行がんや再発がんなどの悪性の疾患です。もちろん、治る場合もあります。
以前、緩和ケアとは「がんなどの治らない病気のさまざまな症状を和らげること。がんの終末期に行うケア」と考えられていました。しかし現在は、「がんなどによって生じるさまざまな症状を予防し、緩和すること」とWHO(世界保健機関)が定義しています。がんと診断されると、誰もが精神的にショックを受けます。このときに精神的なケアを受けるのも、実は緩和ケアなのです。 患者さんたちは、「痛い」「つらい」「苦しい」などの症状があるからこそ病院で治療を受けているので、さまざまな症状を治療すること、和らげることは、医療の基本なのです。ですから、緩和ケアとは特別なケアではありません。 |
患者さん、ご家族の権利 |
がんの治療をする病院には、緩和ケアを提供することが義務づけられています。がんの治療を受けているすべての患者さん、ご家族には緩和ケアを受ける権利があります。どうしたら受けられるのかは、病院で聞いてみてください。すでに緩和ケアチームが活動している病院もあります。
がんの患者さん、ご家族が精神的にも肉体的にも苦しむことがないように治療を受けていただくこと、穏やかに過ごせるようになっていただくことが、現在の緩和ケアなのです。 来年2月11日(土)に、緩和ケアの市民公開講座をアルヴェで開催します。詳細は後日お知らせしますが、がんの治療中の患者さんやご家族には、ぜひ参加していただきたいと思います。 |
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