2006年1月1日号

あなたがいるから…
マイベストパートナー


あなたの大切なパートナーは誰ですか。
信頼し合い、励まし合い、ときにはぶつかりあい。
何でも話せて、わかりあえる。
そんな素敵な関係、み〜つけた!

ハーネスから伝わるあたたかい光
舩木修さん・盲導犬・ラン

 盲導犬ラン。一昨年の十月、舩木さんのもとに二代目の盲導犬としてやって来た、ラブラドールレトリバーの三歳、メス。
 舩木さんが両目の視力を失ったのは今から五年前、三十八歳の時でした。「目が悪くなってからは、常に不安を抱えながら歩いていた」と話す舩木さんが、知人のすすめで最初の盲導犬と出会ったのは平成十三年の夏。それまで使っていた白杖の代わりに、ハーネス(胴輪)を握ることになりました。

 「おかげで歩くときの不安はすっかり消えた」そうですが、残念ながらその時の犬は病気で故郷の北海道へ帰ることに。そして、新しくやってきたのがランです。「少しおっちょこちょいなところがあって、散歩の途中、帰り道をまちがってしまうこともあるんですよ」とほほえむ舩木さん。それでも、「ランはかけがえのない家族の一員。ハーネスをとおして、私に力強い、そしてあたたかい光を与えてくれるんです」と話します。
 はり・マッサージ治療室の開業にあわせて引っ越した新屋に住んでまだ日が浅いため、ランの大好きな散歩は、いつも同じコースになってしまいがち。「もう少しコースを増やさないとランにしかられちゃうな」。持ち前の明るさとチャレンジ精神は、ランのおかげで、いっそう大きくなりました。
  「いつかランとふたりで旅行をしたいですね」。そう話す舩木さんの表情をかたわらでじっと見守るラン。「まかせておいて。私がついているわ。いっしょにがんばろうよ」なんて思っているのかな。

がっちりスクラム2千人
秋田ノーザンブレッツ 松橋寛則選手
サポーター 豊澤あさ子さん

 ラグビーのクラブチーム「秋田ノーザンブレッツ」は、サポーターも大切なメンバーの一員。その温かい声援や励ましがチームを支えています。

 「ブレッツは、わたしの元気のもと」という豊澤さんは、前身となった市役所旧ラグビー部時代からの筋金入りのファン。県外の試合にもかけつける熱心なサポーターの一人です。選手たちの気迫あふれるプレーに「走れーっ」「止めろ!」と声援につい力が入ることもしばしば…。
 そんなサポーターの熱い応援が、選手の気持ちに火を付けます。「応援してくれるみなさんには、プレーで恩返しします。見ていてください!」と松橋選手。
 現在、約二千人を数えるノーザンブレッツのサポーターは、今年も選手と一緒に、がっちりとスクラムを組んで、勝利へ向かって突き進みます。

愛しているからガンバレル!
国際結婚9年目
佐藤勝行さん・ピエダさん(コロンビア出身)

 佐藤さん夫妻は南米のコロンビアで出会って結婚。秋田で暮らして七年になります。
 ピエダさんは秋田の生活に慣れようと、子どもが寝ている間に言葉を勉強したり、テレビドラマを見て生活習慣を覚えたりしてがんばってきました。

お父さんと娘が一緒にお風呂に入ることや晩酌など、コロンビアにはない習慣にびっくりすることもいっぱい。まちがって籾殻が付いたままのお米を炊いてしまうなど、いろいろと失敗もありました。でも、今ではそんな話を思い出し、夫婦で笑って話せるようになりました。
 妻のがんばりを隣りで支えてきた勝行さんは「彼女なりの努力がうれしい。そのがんばりに、頭が下がります」と話します。「愛しているからがんばれました。愛がなかったら、コロンビアに帰っていたでしょうね」と笑うピエダさん。
 相手の気持ちにこたえたいという強い思いが、二人をぎゅっと結び付けています。

厚い信頼をボールに込めて
秋田商業高校野球部
佐藤 洋くん・鳥井 将くん

 「一緒に戦った、昨年秋の東北大会での優勝が一番の思い出」と笑顔で話す、バッテリーの二人。
 捕手の鳥井くんは、「洋はおとなしそうに見えるけど、闘争心は人一倍。ピンチの時こそ、気持ちで投げてくるのが、洋らしい」。一方、投手の佐藤くんは、「マウンド上では落ち着いているように見せるけど、内心は余裕がないことも…。そんなとき、ドンピシャのタイミングでタイムを取ってくれる鳥井。

とても頼りになります」と抜群の信頼関係です。
 二人の心をつなぐのは、言葉だけではありません。鳥井くん曰く、練習や試合での投球のとき、佐藤くんも気付かない、その日の調子が、ボールから伝わってくるのだとか。それをふまえたリードのおかげで、「迷いなく思いっきり投げられる」のが、佐藤くんの持ち味となっています。
 昨夏は、鳥井くんがケガで出場できなかったこともあり、今年の目標は、「二人そろって甲子園大会出場!」。春の甲子園大会出場が期待される秋商野球部。力強いバッテリーの言葉が、二〇〇六年の大活躍を予感させてくれます。

2人をつなぐしっとり銘菓
河辺銘菓“黒いドーナツ”
佐々木恒徳さん・セツ子さん

 「常識的な発想ではだめ」。
 食べ物の名前にはあまりふさわしくないという“黒”という字を商品名にした理由を、河辺の和田商店街、松月堂店主・佐々木恒徳さんはそう話します。

 その言葉どおり、“黒いドーナツ”と名付けたこの逸品は、丸い穴もなければ、中身も白あんという、今までのドーナツにはない発想で生み出されました。
 味のほうはというと…「時間がたってもしっとりしていておいしい」と、評判が口コミで広がり、発売から約三十年、河辺銘菓といわれるまでになりました。
 菓子職人である恒徳さんを陰で支えるのは、妻のセツ子さん。袋詰めやシール貼り、お店での接客は、セツ子さんの仕事。役割分担してがんばってきました。
  「商売は、年をとると一人では何もできない。夫婦頼り合ってやってます」との恒徳さんの一言に、照れながらうなづくセツ子さん。結婚四十年のベテラン夫婦の関係は、名物ドーナツと一緒で、ときを経て、味わいあるものになっているようです。佐々木松月堂tel(882)2480

ガラスの輝きのように
ガラス作家
小牟禮尊人さん・美穂さん

 「輝きが生まれるのは“瞬間”、残るのは“永遠”」―ガラスの魅力をそう語る尊人さん。現在、秋田公立美術工芸短大で学生にガラス窯芸を教えています。

 そして、「お互いの作品を批評し合うことはないんですが、できあがった作品の名前をいっしょに考えることはありますよ」と話すのは、同じくガラス作家で、トンボ玉の制作を得意とする妻の美穂さん。
 鹿児島出身の尊人さん、そして東京出身の美穂さんが秋田に来てまもなく五年。ガラス工芸の講座を開くなど、二人で力を合わせて秋田のガラス文化定着に力を注いでいます。昨年秋には、二人自ら実行委員となって「あきたグラスフェスタ」を開催。制作体験ではたくさんの参加者を魅了することができました。
 ともにガラスの魅力に惹かれ、「ガラスに親しんでほしい」と話す小牟禮さん夫妻。しっかりと目標を持ち、意欲的に、色あせることなく輝き続けることが、二人三脚の秘けつなんですね。

わたしたちの人生まだまだこれから
高齢者学級でイキイキ!
佐藤助久さん・規美さん

 雄和公民館の高齢者学級「花陽クラブ」で学んでいる佐藤助久さん、規美さんは結婚五十二年目のなかよし夫婦。二人で欠かさず出席し、月に一度、講話やレクリエーションを楽しんでいます。

 佐藤さんのお宅は兼業農家。助久さんの退職まで、仕事、農業、家事、育児と二人で一生懸命働いてきました。「十分働いたんだから、これからは自分の人生をどう楽しんでいくかだな」と助久さん。
 そんな二人は退職後、高齢者学級のほか、老人クラブで積極的に活動したり、旅行に出かけたり、とってもイキイキ! 「忙しくて、ぼんやりしてることねぇな」と笑いますが、本当に毎日を楽しんでいるよう。助久さんは安養寺地区の老人クラブの会長を務めていますが、これも地域の人たちを誘ってくれる規美さんの協力で盛り上がっているそうです。
 「今年も花陽クラブは続けたいし、たくさんの人が参加できるように呼びかけたい」(助久さん)、「今度はユフォーレの水中運動教室にも参加したい」(規美さん)と意欲が尽きない二人。その目は、今も昔もしっかり同じ方向を見ています。


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