2006年4月1日号

市長ほっとコラム

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社会人一年生に思う

「新成人のつどい」実行委員のみなさんと

 あまりの雪の多さに苦しめられた今年の冬も遠のき、春の足音とともに待ちこがれる桜前線が例年のごとく北上を続けています。
 さて、全国的な水準の景気回復までは今ひとつとはいうものの、県内の就職環境は久々に明るさを見せ、今月は多くの若者が職業に就きます。
 入社式などで、ライバルとなる初顔合わせの同期の仲間とともに、社長さんや先輩から訓辞を受け、緊張感や不安感のなかにも大きな夢や希望を抱き、元気いっぱいスタートを切る若者が多いと思います。
 まずは、社会人として誰しもが味わうことになる実社会の厳しく過酷な現実に背を向けることなく、果敢に挑戦し将来の秋田や日本を背負っていただくことを期待しております。
 ところで、せっかく就職しても、日が浅いうちに辞めていく割合が高くなっており、数年以内に三〜四割もが辞めているともいわれます。
 選んだ仕事が自分の適性に合わないという理由が多いとのことです。
 そもそも職業に就いて、すぐに仕事の第一線に立ち、バリバリこなせるなどということはあり得ません。本当の適性などというものはそう簡単に決めつけられるものでなく、実社会で経験を積みながら磨き上げていくものと思います。
 また、辞めても当分は親に養ってもらえる、親の方も「つらかったら辞めてもいいよ」という甘えの構造もあるようで、社会の厳しさを教え込めなかった我々親の世代にも責任の一端はあるようです。
 「ああだ、こうだ、何でも社会が悪い」という無責任な評論もあるようですが、生産性のない理屈は横に置き、社会全体が若者の将来のためにも、「ビシッ」と遠慮せずにあたることが必要な時期にきているように思います。
 もうひとつ、ぜひとも新社会人には、「さげすまず」「うらやまず」という、ごく普通の短い言葉を覚えてもらいたいものです。
 スタートは横一線でも、努力の有無ばかりでなく、どうすることもできない運命の組み合わせによって、長い人生には後先の差がつきます。そしてまた、一瞬でその後先が逆転することがあるのが人生の妙です。
 先んじる人が後にくる人を蔑むこと、そして後におかれた人が先を行く人を羨むことほど、側で見ていて醜いことはなく、何でも比較し○×を決めたがる現代のデジタル社会の冷たい一面は決して身につける必要はありません。
 社会人一年生、元気でスタートを。 

この春就職する170人が、社会人のマナーや心構えを
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