2006年5月1日号

市長ほっとコラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の内容などをお伝えしています。

平成の大合併・後記

 住民生活に大きな関わりを持つ市町村の枠組みの再編、平成の大合併に区切りがつきました。多くの市町村にとって、ここ数年間最も時間とエネルギーを費やしたのは合併事案であったものと思います。
 本県では、平成十六年十一月一日の美郷町(六郷町、千畑町、仙南村)に始まり、本年三月二十七日の八峰町(八森町、峰浜村)まで十五の合併がありました。そして四月末の新三市町の首長選挙により、議員の在任特例が一部に残されているものの、まずは五月から合併市町村すべてで本格執行体制が整うことになります。
 全県六十九市町村のうち五十九が合併を選択し、単独を選んだ十市町村と合わせ、結果十三市十二町村、二十五の枠組みに収まりました。
 全県六十九市町村のうち五十九が合併を選択し、単独を選んだ十市町村と合わせ、結果十三市十二町村、二十五の枠組みに収まりました。
 市町村行政に長年携わった私でも、「あれ、あの町はどこの市になったっけ?」などと、つい新たな枠組みに戸惑うことがあるほどの大きな変化です。ましてや住民のみなさんは合併による制度や窓口の変化に戸惑うことが多く、さらには付き物の旧市町村間の綱引きなど単純には片が付かず、むしろ年月を経ることにより表面化する問題もあります。
 しかし、紆余曲折、悲喜こもごものうちにも、より大きく新しい器となり、住民のみなさんにとっては一抹の不安のなかにも将来への希望を抱いての合併であったものと思います。また、合併に至らなかった市町村においても、これまでの論議をとおして自らの足下を久々に見つめ直すよい機会になったものと考えられます。
 さて、合併という市町村にとって最大の出来事はゴールを迎えましたが、それは紛れもなくスタートでもあります。もちろん、先行きさらに厳しくなるであろう行財政環境のなか、多くは地域を維持するためにやむなく合併を選択せざるを得なかった側面が強い平成の大合併ではあるものの、それをゴールとすることはさらなる後退を意味します。
 枠組みの拡大による自治体としての体力の高まり、有形無形の数多くの地域資源や地域力につながる知恵の結集などにより、可能性が大いに高まったと捉えることが大切です。
 幸い本市の場合には見られないものの、一部に決定済みの協議事項の蒸し返しなどによる「ギクシャク」が聞こえるなか、従前の枠組みでの考えにこだわることなく、新たな視点で広く可能性のネタを見つけ育てながら、地域や市町村間での前向きな競争に大きなエネルギーを注ぐことこそが、合併効果を最大限に高めることにつながるものとなりそうです。



Copyright (C) 2000秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp