2006年10月16日号

きりたんぽ鍋の材料や〜い!


 お米の収穫が終わり、新米で作る「きりたんぽ鍋」もおいしい季節になりました。比内地鶏のスープにネギ、セリ、舞茸、ごぼう、糸こんにゃく。市内で生産される鍋の材料を追ってみました。

原木舞茸

佐藤さんが20年かけて研究した舞茸とこだわりの原木

 スーパーなどで売っている一般的な栽培舞茸は、人工的な床に舞茸を発生させる「菌床栽培」。一方、河辺大張野の佐藤太郎兵衛さんは、ミズナラの木に舞茸種菌を接種して作る、県内では珍しい「原木栽培」を行っています。
 佐藤さんの舞茸作りは雑菌の少ない冬場の一月、原木に菌を培養することから始まります。そして春に原木を林の中の土に埋め込み、収穫は次の年の秋になります。「舞茸は繁殖力が弱く、二十年前に始めたころは原木の一割にしか生えなかった」そうですが、「自然に近いこの作り方にこだわっています。専業農家は何か?売り?がないとやっていけませんから」と長年の研究に自信たっぷり。
 そのこだわりの舞茸は「味も香りも格別」で、直売所に通い続けてくれるファンがいるのもうなづけます。


セリ

鎌田さんが育てるセリ。名前の由来どおり競り合うように密集して生えています

 春の七草に数えられるセリですが、秋田ではきりたんぽ鍋に欠かせないものという印象のほうが強いのではないでしょうか。
 四十年以上、雄和碇田でセリを作り続けている鎌田タエさんも「やっぱりきりたんぽ鍋にはセリがないとね」と話します。昔は商品として広い畑で作っていましたが、今は自宅裏の小さな畑で、家族や友人などに喜んでもらうくらいの量を、長年の経験をいかし丹精込めて育てています。
 今年の収穫は十月二十日ころ。「水が冷たくなる季節はたいへんですが、やれるうちは続けます。みんなに配ってから余った分を直売所で売れば、ババのちょっとした小遣い稼ぎにもなるしね」と、セリづくりのベテランはまだまだ元気にがんばります。

ネギ

静子さんが束ねたネギを英司さんが箱詰め
50アールのネギ畑は、雄和地域でトップクラスの広さ

 雄和左手子の嘉藤英司さん、静子さん夫婦は十五年前からネギを育てており、今では由利本荘市など、県内他市から学びに来る人がいるほどです。
 現在、米、小松菜、ホウレンソウなどたくさんの作物を育てていますが、ネギにいちばん気を使うとのこと。ネギは病気になりやすく虫に弱いほか、雑草に栄養を簡単に取られてしまいます。そんなデリケートなネギを守るため、二人は除草剤と機械をあまり使わず、手で雑草を抜いてます。
 収穫の秋、二人が手塩にかけた「やわらかくて美味しい」自慢のネギが、畑一面にすくすくと伸びていました。

きりたんぽ

創業の大正7年から変わらず手作り

 九月二十七日、大町の料亭「濱乃家」で、新米のたんぽづくりが始まりました。
 炊きあがったご飯を臼で米の形がなくならない程度の三分づきにしてから、かすり姿の仲居さんたちが秋田杉の棒につけ、台の上で形を整えます。煮崩れを防ぐのと照りを出すため塩水を塗ってから、いろりの炭火でこんがり焼き上げて完成!
 一年間で十八万本作るというたんぽは、料亭できりたんぽ鍋として出すほか、通信販売で全国に発送しています。「秋田の秋の味覚であるお米の美味しさを味わってほしい」という思いが込められたたんぽは、これから秋田はもちろん、全国各地の食卓を飾ります。

秋田米事情

市内の稲刈りも終わりましたが、いったい秋田市は県内でどれくらいの米どころなのでしょうか。
 昨年の秋田市の米の作付け面積は5,920ヘクタール、収穫量は34,200?。県内全29市町村中、いずれも第5位と上位でした。
 秋田市で収穫される米の85%は、あきたこまち。第2位は同じく秋田生まれの、めんこいなです。
●県内作付け・収穫ランキング

参考「平成17年度秋田の農作物」(秋田農政事務所)

●耕地面積の市内地区別ランキング

参考「2005年農林業センサス」

●市内産の米の品種(平成17年度)

参考「秋田市水田農業ビジョン結果報告」


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