2006年11月16日号

子どものSOS
あなたは気づいていますか?

〜秋田市教育研究所の相談電話から


 「いじめ」に対する関心が全国で広がっています。子どもたちの小さな心が、大人の気づかないところで、大きく傷ついていることがあるのです。
 小さなサインを見逃さないように、我々大人の心の目も研ぎ澄ましておかなければいけません。

いじめ問題、大人の助けが必要

 茨島にある秋田市教育研究所では、いじめや不登校、学校に入るときの就学相談などに応じています。
 ここでは、教育現場を経験した専門の相談員が、保護者などからいろいろな話をお聞きしています。相談員は、最近のいじめ問題を受けて次のように話します。
 「小・中学校のお子さんは、親や先生に心配をかけたくないという気持ちから、いじめを黙っている場合があります。また、苦しい胸の内をうまく表現できないお子さんもいます」。
 実際に、いじめの相談は、保護者からの相談がほとんどだそうです。そんなときはまず、「お子さんを“弱い子”と責めていませんか」と聞いてみるそうです。
 「いじめは?する?方が悪いということ。また、どんな人でも、悪いところもあれば、良いところもあるということ。そういうことをまず大人が教えてあげなければいけません」。
 最近は、「言葉」によるいじめも多いそうです。携帯電話やメールが普及し、何人かの間で交わされていった内容が、いつの間にか悪口になっていたり…。普段からの人間関係が希薄になっていることも原因と言えるのかもしれません。
 「人間関係のトラブルや上下関係は、どこにでもあります。ただ、子ども同士で解決できないときは、問題が深刻になる前に、周りの大人が手助けしてあげなければいけません。取り返しがつかなくなる前に、保護者や先生が手をさしのべてあげる必要があります」。


つまづきも受け入れてあげて


 「不登校」も最近よく耳にします。不登校とは、学校に行こうとするとおなかが痛くなったり、熱が出たりして、学校に行けなくなることです。小学校高学年や中学校の時期は、「他人にどう思われているか」が気になって、傷つきやすい時期と言えます。
 もしも、自分の子どもが学校に行けなくなったら…。保護者のかたは、やはりパニックになるかもしれません。「子どもの人生。親が代わりに生きてあげることはできませんから」と相談員は話します。
 「学校へ行かせようとして良くなる場合と、逆効果になる場合があります。焦る気持ちはわかりますが、子どもが幸せに生きるための一段階だと思ってみてはいかがでしょう。つまづきも受け入れてあげてください。子どもたちがお互いに良いところを認め合い、安心して過ごせる環境を、普段から保護者と学校とが協力してつくることが大事なのではないでしょうか」。

 いじめで命が失われるという痛ましい事件が、全国で起きています。先生、学校、保護者、周りの大人たちのあり方が問われているのかもしれません。
 子どもの心が発しているSOSのサイン。あなたのアンテナは、どんな小さなサインも見逃さない準備ができていますか?
 何か心配なことがありましたら、上記の相談電話にお気軽にお電話ください。

教育研究所の相談電話

●いじめ・不登校などの相談は tel(866)2255
●就学に関する相談は tel(865)0056
 月〜金曜日、午前9時〜午後4時
●教職員・教育全般に関する相談はtel(866)4153
 月〜木曜日、午前8時30分〜午後5時

今すぐ登録を!
秋田っ子まもるメール

 子どもたちの登下校時などの安全も心配です。そのため、警察、学校などに寄せられた不審者情報を、携帯電話やパソコンにEメールでお知らせする「秋田っ子まもるメール」を始めました。大切な子どもたちを不審者からも守るため、 ぜひ登録してください。
●登録は秋田市ホームページで
◇携帯電話から→http://www.city.akita.akita.jp/i/ed/sw/a/1.htm
◇パソコンから→http://www.city.akita.akita.jp/city/ed/sw/mamorumail.htm
問い合わせ
学事課tel(866)2243

先生たちの「学舎」
秋田市教育研究所

 秋田市教育研究所では、教育相談のほか、教育に関する「調査研究」や、市内の小・中学校の先生たちの「研修」も行っています。
 調査研究の分野では、教育経営実態調査や基礎学力調査などの調査を行い、その結果を分析し、各学校の運営や先生たちの指導に役立てています。
 また、研修の分野では、勤務年数や職務に応じて行う研修などがあり、いじめや不登校の問題なども取り上げ、今年度は77の講座を行っています。市内の小・中学校の約1,600人の先生たちは、子どもたちの授業のない夏休み期間を中心に、じっくりと研究に取り組んでいます。


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