2007年12月7日号

いのち大切に…


ストレス社会の中で、増える自殺者。
でも、本当に死にたい人なんていないはずです。
だれだって夢や希望をもって生きたいと思っています。
深い悲しみや痛みに、少しでも寄り添うために
私たちが今、できること、考えてみませんか。

お気軽にご相談ください

心の悩み何でもどうぞ…
◇あきたいのちのケアセンターtel0120(735)256
精神保健福祉士による相談/月〜金曜日、9:00〜12:00

◇秋田市保健所の心の相談tel(883)1180
保健師による来所・電話相談/月〜金曜日、8:30〜17:15
医師による来所相談(要予約)/第1・第3木曜日、13:30〜

多重債務などの消費者問題でお困りのかた…
◇秋田市消費者センターtel(866)2016
月〜金曜日、8:30〜17:15

 自殺者が多いと言われる秋田。平成18年の秋田県の自殺者数は482人で、そのうち106人が秋田市でした(下表)。秋田県では人口10万人に対して、42・7人が自殺で命を亡くしていることになります。全国平均は23・7人ですから、全国的に見ても自殺率が高いことがわかります。
 自殺者の多くは自殺の直前にうつ病にかかっていると言われます。また、うつ病を経験した人の4人に3人は医療機関で治療を受けていないというデータもあります。
 本人だけの力ではなかなか解決できない場合が多いことから、家族や職場の同僚など身近な人が自殺のサインに気付き、予防につなげていくことが重要です。
 困ったときは専門の相談機関を頼るのも一つの方法です。悩み事を家族や友だちに相談できずつらいとき、また、大切な人が深刻な悩みを抱えていそうなとき、ちょっと相談してみてはいかがでしょう。

●秋田県と秋田市の自殺者数

つらい気持ち、聞かせてください

NPO法人 秋田いのちの電話
事務局長・阿部 恒夫さん
 もし、みなさんが家族や友だちに「自殺したい」と言われたらどうしますか? もしかしたら、何とか助けたい一心でアドバイスをしたり、立派なことを伝えようとしたりするかもしれません。でも、相談者はそういう返事を求めてはいません。まずは「つらいんですね」「大変ですね」と苦しい心を受け止めてあげましょう。そして寄り添って話を聞いてあげることが大切です。
 私が以前、「いのちの電話」の相談員を務めていた経験から言うと、自殺したい人は人生を全面否定しています。“誰も相手にしてくれない” “みんなが私を見捨てている”と。そんな時は、「今までだれか温かく見守ってくれた人はいませんか」と聞くんです。亡くなったおじいちゃんでもいいんです。心の中に生きている強い味方です。どうしても見つからないときは、これからの人生で信頼できる人を作っていきましょう。
 今、苦しんでいる人、つらい人。いのちの電話にお電話ください。相談員は決して見捨てることはありませんから。
●相談はこちら
秋田いのちの電話tel(865)4343
月〜土曜日、12:00〜21:00

どんな嵐もいつかやみます

NPO法人 蜘蛛の糸
理事長・佐藤 久男さん
 私自身、経営していた会社が倒産し、うつ病を経験しました。さらに知人の経営者が自殺し、中小企業経営者の自殺を防ぐため何か始めなければと思い、設立したのが「蜘蛛の糸」です。2002年6月に発足し約5年。相談に応じた個人や企業の数は250になります。そして現在は経営者の相談だけでなく、多重債務者の相談にも応じています。
 ここでの相談は面談で行います。まず心の問題と債務の問題を整理し、返済計画を立てるなど処理の実務的なアドバイスをします。そして倒産しても1年間はフォローします。あきらめず、小さな問題からじっくりと取り組んでいけば、どんな嵐もいつかはやんで必ず晴れます。 
 後で「命びろいしました」と言ってくれる人、手紙をくれる人もたくさんいます。やっててよかったなと思う瞬間ですね。でも、たいてい1年も経てば問題も解決し、私の存在なんて忘れるようですけどね(笑)。
●問い合わせ
蜘蛛の糸事務局tel(853)9759
月〜金曜日、10:00〜16:00

生きる意味を問い直しましょう

秋田グリーフケア研究会
代表・涌井 真弓さん
 グリーフケア研究会では大切な人の“?自死”を経験した人が苦しみや悲しみを本音で語り合う集い「コスモスの会」を月1回開いています。ここでは、“自殺”という言葉ではなく、やむなく死を選ばざるをえなかったという意味をこめて“自死”という言葉を使います。
 残された人はたとえ遺書があっても、なぜ自死したのかと永久に答えの出ない疑問を持ち続けます。ほとんどの人が「自分も死んで、亡くなった人の元へ行ってしまいたい」と思うくらいの悲嘆を抱えます。しかし、残された人が亡き人の思い出を大切にしながら、自分らしい新たな一歩を踏み出してくれるようにと願って、私たちは活動しています。
 「自死遺族支援」と言っても、切実に感じる人は少ないかもしれません。しかし今は “命の危機”の時代です。まずはそれぞれが自らの死を考え、どう生きなければいけないかを問い直すことから始めてみませんか。
●問い合わせ
秋田グリーフケア研究会の涌井さん
tel(857)4458 月〜金曜日、10:00〜16:00

みんなで考えよういのちの大切さ


自殺予防の市民講話会

 「心の健康づくりと自殺予防」をテーマに、秋田大学医学部准教授の佐々木久長さんが講演します。命の大切さ、一緒に考えてみませんか。参加無料。
日時と会場
・12月8日(土)午後1時30分〜3時、遊学舎
・12月11日(火)午後1時30分〜3時、土崎公民館
・12月18日(火)午後6時30分〜8時、市保健所大会議室
●申し込み 市保健所健康管理課精神保健担当tel(883)1180

秋田4大学協働2007自殺予防シンポジウム
光と希望、そして生きる力への道

とき/12月9日(日)13:30〜16:30
ところ/県民会館
※入場無料。直接会場へどうぞ
 秋田大学、ノースアジア大学、秋田県立大学、国際教養大学の4つの大学が連携して自殺予防を考えます。
 テーマは「自殺の現状と理解。そして、いま私たちにできること」。
◇シンポジウム
コーディネーター:西木正明さん(作家)
シンポジスト:4大学の教授陣
◇講演「著名な小説家たちがなぜ自分の命を絶ったのか、その深淵を探る」
講師:高橋千劔破さん(文芸評論家・作家)
●問い合わせ 活力ある秋田を創造する大学協働推進会議事務局(秋田ゼロックス(株)内)tel(823)4645


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