2008年4月18日号

健康万歩計

C型肝炎の治療


このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。
今月のドクター・小松眞史先生(市立秋田総合病副院長兼地域医療連携室長)


 日本のC型肝炎ウイルス感染者は200万〜240万人と推測され、国内最大の慢性感染症です。おもに血液を介して感染し、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんを発生させますが、治療の進歩により治癒できる疾患になってきました。
 平成14〜18年に行った、40歳以上を対象とする肝炎ウイルス検診の結果、秋田県のC型肝炎ウイルス陽性者は61,564人中365人(0.6?)でした。受診率を考えると、さらに1,000人以上の感染者がいると推測されます。秋田県では、肝硬変の原因の約6割、肝細胞がんの原因の約8割がC型肝炎によるものです。

肝細胞がんの原因

インターフェロン治療

 C型慢性肝炎の治療の第一選択はインターフェロン治療です。インターフェロンの治療効果は、C型肝炎ウイルスのタイプや量、肝臓の線維化の程度により異なりますが、ほかの抗ウイルス剤であるリバビリンと併用することで効果が格段に向上しました。難治性とされる、1型で高ウイルス量の慢性肝炎でも、リバビリンと新型インターフェロンのペグインターフェロンの併用で、約半数の患者からウイルスを排除することができました。ウイルスがなくなると、発がん率は大きく減少します。


肝がん撲滅のために

 肝がんの最大の原因であるC型肝炎の治療が、肝がん撲滅の早道です。そのために、(1)C型肝炎の検査を受ける(2)ウイルス陽性者は専門の医療機関で適切な治療を受ける、の2点を心がけましょう。
 また、ウイルス性肝炎を広く知っていただくため、日本肝臓学会が、5月18日(日)午後1時30分から、アルヴェで「肝がん撲滅のための肝臓病教室」を開催します。ぜひご来場ください。お問い合わせは、市立病院医事課へどうぞ。tel(823)4171


インターフェロン治療の医療費に助成

 4月から、インターフェロン治療を受けるB型、C型肝炎患者の医療費の一部助成が始まりました。詳しくは秋田県健康推進課へ。tel(860)1428



Copyright (C) 2008秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp