2008年9月19日号

高齢者が安心して暮らせるよう

地域の絆で見守ります


 急速に進む高齢化。秋田市でも高齢者の数は年々増加し、中でも、ひとり暮らしの高齢者が増える傾向にあります。
 高齢者が安心して暮らしていくために必要なもの。「地域の絆」も大事な要素です。

みんなが気軽に楽しめる場に
…手形和同会“ふれあい井戸端会議”

 手形和同会は、手形休下町の一部と千秋北の丸の一部が一緒になった町内会です。町内会長の八柳隆司さんは、世帯の約半数が高齢者世帯というこの地域で、外出する機会が少ない高齢者が気軽に楽しく交流できる場を作れないかと「ふれあい井戸端会議」を企画しました。民生委員の渡部康さんと協力して、ひとり暮らしの高齢者を中心に参加を呼びかけ、会場となった明徳地区コミュニティセンターには24人が集まりました。
 「食事の後、みんなで懐メロや県民歌などを楽しく歌いました。大きな声で歌うことで気持ちが一つになったようです。地域の絆が強くなったのはもちろん、この一体感は災害などが起こったときの助け合いにもいい効果が出ると思います」と八柳会長。
 参加者の一人、古内節子さん(79歳)は「昔は近所のみんなで集まってお茶を飲みながら話をしたものですが、最近は少なくなりましたね。今日はとても楽しい時間を過ごしました。また参加したいです」と話してくれました。

安心の絆を作る“小さなメモ”
…寺内地区民児協・土肥良三さん

 「元気ですか?」
 玄関に貼られた小さなメモ。訪問したひとり暮らしの高齢者が不在のとき、寺内地区民生委員の土肥良三さんはメモを書いて玄関に貼っていきます。「メモを読んだ高齢者が電話をくれると安心します」と土肥さん。心を込めて書いた素朴な一言。その温かさが読んだ人にも伝わるのでしょう。
 この日、土肥さんは担当地区に住む渡辺歌子さん(85歳)を訪ねました。「日本舞踊と徒歩での買い物が元気の秘けつ」と話す渡辺さんは、現在一人で暮らしています。「病気をしたときは、やはり不安を感じますね。でも、土肥さんがときどき様子を見に来てくれるので安心します。地域の人もみんな親切で、冬は私の家の前の雪寄せもしてくれるんですよ」とほほ笑みます。
 土肥さんは「たとえ小さな事でも、自分たちができる活動をがんばることで、地域全体がひとつになればいいと思っています。これからは地域が連携して高齢者を見守っていくことが大切」と話します。 
 ちょっとした心遣い、そしてやさしさが地域の強い絆を支えているんですね。


●秋田市の高齢化の現状

 秋田市の高齢化率(人口に占める65歳以上のかたの割合)は、平成19年で22・4パーセント。全国平均の21・5パーセントを0.9パーセント上回っています。高齢化は今後も進み、平成27年には約25パーセント、4人に1人が高齢者になると予測されています。
 ひとり暮らしの高齢者も年々増加する傾向にあり、秋田市では、平成15年と比べ、約2千人増えています。 

●秋田市の高齢者数の推移

●高齢者を見守るさまざまな取り組み

●見守りネットワーク事業
 秋田市社会福祉協議会が中心となり、民生児童委員、福祉協力員や町内会の協力のもと、見守りが必要な高齢者を訪問して安否を確認します。
●民生児童委員の活動
 市内に705人いる民生児童委員がそれぞれの地域で高齢者宅を訪問し、相談や声かけなどの見守り活動を行っています。
●地域包括支援センター
 高齢者をさまざまな面から支える地域の拠点となるよう、昨年4月に市内10か所に地域包括支援センターを設置しました。各地域のセンターでは、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーなどが介護や健康などに関する高齢者からの相談に対応しています。


 ひとり暮らしの高齢者の中には、心身が虚弱になり、自宅にこもりがちになる人もいます。日ごろから地域で見守りを行うことで、孤独死などの悲しい事態を防ぐことが大切です。
 地域の人がお互いに声をかけ合い、高齢者が安心して暮らせるまちにしましょう。



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