2008年10月3日号

市長ほっとコラム

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東アジアの台頭 環日本海新時代へ

 八月に、姉妹都市のロシア・ウラジオストク市を加賀谷正美市議会議長ともども公式訪問しました。
 ウラジオストク市とは、一九九二(平成四)年に姉妹都市の提携調印を行い、これまでおもにスポーツ文化交流や国際理解促進のための青少年相互訪問などを進めてきています。
 ここ五年間ほどは、ウラジオストク市政の混乱により交流が途切れがちでしたが、五月にプシカリョフ新市長のもと新たな体制になったことを契機として訪問要請があり、この度これに応じて行ってきました。
 ウラジオストク市は人口約六十二万人のロシア日本海沿岸の拠点都市で、ソビエト連邦解体前はソ連太平洋艦隊の軍港として栄えていましたが、ロシアという新国家になってからは衰退気味という状況でした。

左から加賀谷市議会議長、ウラジオストク市のヴォイノフスカヤ副市長、佐竹市長、ウラジオストク市のヅブリツキ副市長
 しかし近年は、ロシア政府主導による極東ロシアの国際交易拠点としての整備が急速に進められており、街も活気に満ち高級な日本製の新車が溢れていましたし、昨年、本市が主催した商談会の成果としての「あきたこまち」もスーパーに並んでいました。特に、二〇一二年にはアジア太平洋経済会議(APEC)が開催される予定で、ウラジオストク市幹部や市議会議員からは、二十一の国・地域の経済代表が参加するこの会議を飛躍へのステップにしたいという強い意気込みが感じられました。
 港湾、空港、道路、ホテル、国際会議場などのインフラ整備に、今後四年間に日本円で二兆六千億円の公共投資がなされる計画と聞き、あらためて石油資源や鉱物、木材資源大国として台頭著しいロシアの発展に驚愕しました。資源確保を中心に世界の経済環境が激変する中、多くの資源を有するロシアやモンゴルなど東アジアの時代に入りつつある現在、わが秋田の発展もこれら東アジアとの関連の中で展望されることは間違いありません。
 本市でも、秋田港から日本海沿岸のロシアの港を経由しヨーロッパロシアまでシベリア鉄道を活用する物流システム「シーアンドレール構想」が大きな期待を集めています。
 今回のウラジオストク市当局や市議会、さらには現地企業との協議などでも、国際交易拠点をめざすウラジオストクと港湾都市・秋田の利益は共通のものであるとの認識を確認でき、今後、経済交流に重点を置きたいという趣旨の提案もありました。
 解決すべき多くの課題はあるものの、いよいよ環日本海新時代の幕開けを予感できるようなウラジオストク市訪問でした。

ウラジオストク市の街並み


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