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※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
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2010年8月20日号
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大切な命を守り、包む2つのキーワード
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“支え合い”“分かち合い” |
依然、高い率で推移が続く秋田市の自殺の現状。平成20年の秋田市の自殺者数は93人、人口10万人当たりにすると28・4人で、全国平均の24・0人を大きく上回っています。その原因は多岐にわたり、病苦や生活苦、経済苦によるものが多いほか、家庭、職場、学校での問題が引き金になるケースもあります。
現在、市(行政)や各種団体、NPO法人、ボランティア団体など、さまざまな人がさまざまな形で自殺対策に取り組んでいます。問題の根が広範でしかも複雑さを伴うため、それぞれが今以上に連携していくことが重要になっています。 ● 尊い命が失われることなく、誰もが心穏やかに暮らせるまち。それを実現するためのキーワードはいくつかありますが“支え合い”そして “分かち合い”もその中の1つです。 |
支え合い |
精神障がい者や心を閉ざしがちな人の支援を行っている精神保健福祉ボランティア・ウイング。病院や小規模作業所(現在の地域活動支援センター)などでのボランティア活動をとおして、いろいろな悩みを抱えた人と接して話を聞き、必要であれば病院や専門機関を紹介するなど、精力的に活動しています。
自殺という悲しい出来事に遭遇することも少なくありません。会長の柳原マツさんは「つらいと思う気持ちには波があるようです。『良くなったかな』と思って安心した時に、本人が突発的に『死にたい』と考えるケースも多いですね」と話します。つらさを軽くしたいと願う柳原さんは「話をきちんと聞いてあげることが少しでもその人の支えになれば…。自分もこれまでいろいろな人に励まされ、支えられてきました。地域で、社会全体で“支え合っていく”ことが今、大切なのではないでしょうか」。 ウイングのみなさんは、中通の明徳館ビル1階にある「仲こまちコーヒーショップ」で毎週金曜日と第3水曜日の午前10時〜午後5時にボランティアを行っています。「気軽に、どんな小さな悩みでも話しに来てほしい」。そう話す柳原さんの笑顔はきっと大きな支えになってくれることでしょう。 |
分かち合い |
自死という悲しい現実を経験した人たちへの心配り。命を考える上で欠かせない大事なことです。
「大切な人を失ってしまったかたの悲嘆と日々向き合っています」と話す秋田グリーフケア研究会代表の涌井真弓さん。涌井さんたちは遺族が傷ついた心を整理し、そして新たな一歩を踏み出すことができるよう、自死遺族の集い「コスモスの会」を開催しています。「遺族の背景には複雑な人間模様があり、そして社会にはまだまだ偏見があります。そのため、自分の体験を話せない、聞いてくれる相手がいないというかたが多いです。『自分と同じような境遇の人がどう生きてるのか知りたい』と思っていても、なかなか声を出せないんです」。遺族の悲痛の叫びとも言える思いを、同じような体験をした人たちで“分かち合う”のがコスモスの会。「みなさん最近やっと自分らしい形で社会に、外に話せるようになってきました」と涌井さんは話します。そして最後にこう話してくれました。「悲しみ、苦しみをみんなで分かち合い、自分の力で元気になって歩み出してくれること、それが私たちの願いです」。 |
一人で抱え込まないで気軽にご相談ください |
![]() *自殺対策に関する問い合わせは市保健所健康管理課へどうぞ。tel(883)1180 |
自殺予防対策ネットワーク会議を開催 |
秋田市医師会、秋田弁護士会、秋田大学、NPO法人蜘蛛の糸など20の機関・団体が集まって情報交換を行いました。それぞれの特性を生かしながら連携を密にし、総合的な自殺予防対策を進めていきます。
会議は7月28日、市保健所で開かれました。 |
うつ病と飲酒の関係 |
うつ病と飲酒はとても深い関係があります。「眠れない」「うつ気分を解消したい」と、お酒を飲む人がいますが、度を過ぎた飲酒は熟睡感が得られず睡眠を阻害し、うつ状態は悪化してしまいます。また、抗うつ剤を服用している場合、その効果を弱め、予期しない副作用を起こすこともあります。そして最悪の場合、自殺につながってしまうことも…。
もしも次に当てはまることがあったら飲酒習慣を見直してみましょう。酒類の消費量が多い秋田。上手にお酒と付き合っていきましょう。 ●酒が原因で家族や友人との人間関係にひびが入ったことがある ●適量でやめようと思っても、つい飲み過ぎてしまうことが多い ●二日酔いで仕事を休んだり、大切な約束を守れなかったことがある ●お酒を飲むと怒りっぽくなる |
心の健康講座です |
会場は八橋の市保健所。受講無料。お気軽にご参加ください。
◆心の健康サポーター養成講座 うつ病など心の病気について正しい知識を学び、地域で支え合える精神保健福祉ボランティアをめざします。時間は午後1時30分〜3時30分(10月12日は午後2時30分〜4時30分)。 ※日程とテーマ 9月9日(木)→心の健康サポーター 9月21日(火)→回復者からのメッセージ 9月28日(火)→当事者への上手な添い方 10月12日(火)→うつ病を理解し、一緒にいるときのポイント 10月25日(月)→自分たちにできる活動 ※申し込み 精神保健福祉ボランティア・ウイングの柳原さんtel(839)7188 ◆こころの健康アップ講座 9月10日(金)→午後2時〜3時30分。臨床心理士の講話「ストレスとの向き合いかた」 9月29日(水)→午後1時30分〜3時。インストラクターによる講話と体操 ※申し込み 市保健所健康管理課 tel(883)1180 |
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