※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2010年9月3日号

市長コラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の
内容などをお伝えしています。
「市長ほっとコーナー」
http://www.city.akita.akita.jp/city/mayor/

さらば夏の花たち

市長穂積 志


米国アラスカ州キナイ半島郡交流訪問団の
みなさんと(8月3日)
 百日紅(サルスベリ)の深く濃いピンク、凌霄花(ノウゼンカズラ)の今にも燃え出しそうな鮮やかなオレンジ、そして、木槿(ムクゲ)の清らかな白と紫。真夏をくっきりと彩る季節感あふれた秋田の花々です。暑かった今年の夏、どれもこれも例年にも増してひときわ鮮烈でした。
 秋田の自然に関して、私が大好きでそして驚くのは、四季のメリハリと、あともう一つが草花や木々などの植生が持つ多様性です。春になれば桜や桃、梅に加え連翹(レンギョウ)や辛夷(コブシ)などが一斉に花開き、ところ狭しとそこかしこを埋め尽くして、それまでの冬の風景が想像できないほど咲き誇ります。
 盛夏の時期に目の前に広がっていた夏の景色でさえ、もうしばらくすれば、秋の虫の声とともにススキが辺り一面を覆い、秋の色に一変していることでしょう。そして、実りの秋から錦のような紅葉、さらには落葉へ…と。
 季節が変わるたびごとに自然のドラマが繰り返される中に身を置いていると、この秋田の地に暮らす幸せを実感させられます。私はいつまでもこのような四季折々を楽しんでいたいと思います。と同時に、私たちにはこの環境を次の世代に引き継ぐ責務があると強く感じています。
 ただ、そこでふと不安になるのは、このところ各地で発生している異常気象のことです。首都圏などで頻発している、一瞬にすべてを流し去るようなゲリラ豪雨、人の命をも奪ってしまう熱中症を引き起こすほどの猛暑や亜熱帯化の進行については、地球温暖化の影響を指摘する専門家も多いようです。
 また先ごろは、秋田市と友好都市提携している蘭州市がある中国・甘粛省でも集中豪雨による土石流で多くの命が奪われました。さらには、秋田市においてもお盆のさなか、豪雨と河川の氾濫で住宅や農地が被害に遭っています。これら一連の現象をみていると、とにかく局地的に起こる、ということが不安を一層かき立てます。
 偶発的な出来事の連続であればまだ救われるのですが、そうでないとすれば私たちはこのことを深く考える必要があります。地球温暖化に起因すると思われる気候変動や異常気象は私たちに警鐘を鳴らしているのです。シグナルを見落とすことなく、一人ひとりが地球環境問題を考える機会にしたいと思います。そして、冷房の温度設定を1度上げる、週に一度はマイカー通勤を控えるなど、まずはできるところから始めましょう。

この夏のサルスベリは“元気いっぱい”
(御野場)


Copyright (C) 2010秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp