※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2011年2月18日号

健康万歩計


このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。

●今回のドクター
 小泉ひろみ先生(市立秋田総合病院小児科 科長)

子宮頸がん予防はワクチンと検診で

 国のワクチン施策がどんどん変化する中、子宮頸がん予防ワクチンと、子どもの細菌性髄膜炎を予防するヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの3つのワクチンへの公費助成が昨年末決定し、秋田市でも2月1日から助成が始まっています。今回は、子宮頸がん予防ワクチンについてお話しします。

若い女性に多い子宮頸がん

 子宮頸がんは子宮の入口付近にできるがんで、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因です。HPVの約60パーセントが「16型」と「18型」というタイプで、今回の予防ワクチンはこの2つのウイルスの感染を防ぎます。子宮頸がんは20歳代の女性に多く、日本全国では年間8,500人(2005年統計)のかたが罹患し、2,500人(2008年統計)のかたが亡くなっています。また近年、子宮頸がんの患者数は増えており、20歳〜30歳代では乳がんより多いと言われています。欧米では20歳代の子宮頸がん検診は今や常識となっているようですが、日本ではまだまだという状態です。初期の子宮頸がんには、ほとんど自覚症状がありません。また、残念ながらワクチン接種で感染を100パーセント防ぐことができるわけではありませんので、ワクチン接種とがん検診を組み合わせて行うことで子宮頸がんは予防できると考えます。

中学1年〜高校1年生はぜひ接種を

 HPVが感染してからがん発生まで数年かかります。感染を防ぐためには感染を起こす前にワクチンを接種する必要があります。このウイルスは性交渉で感染しますので、今回の接種時期は中学1年〜高校1年生(市町村により異なります)に決まりました。なお、ワクチン接種後にショックなどの症状を起こすかたもいますので、体調が良い日に余裕を持って受診してください。ワクチンは日本国民みんなからの素敵な贈り物。ご自分やお子さんの体を守るためにぜひ接種しましょう。
*ワクチン接種について、詳しくは広報あきた2月4日号をご覧ください。


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