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※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
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2011年9月2日号
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市長コラム |
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伝えることの大切さ |
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市長●穂積 志
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しばしば話題に上るユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の「世界遺産」。国内でも白神山地、屋久島などが登録されており、平泉の登録は記憶に新しいところです。そのユネスコでは「記憶遺産」の登録も行っています。今年5月、絵師・山本作兵衛の筑豊炭田(福岡県)の記録画などが、わが国では初めて登録されました。これは、明治から戦後にかけて筑豊各地の炭坑における生活の様子を描いた水彩画などで、採炭夫や鍛冶工として働いた作兵衛が、老年になって孫に当時の炭坑の生活の様子を伝えようと描き始めたのがきっかけだそうです。 |
記憶遺産の中には「アンネの日記」やフランスの手書き版「人権宣言」など、世界の歴史に大きく関わるものもありますが、このたびの登録はユネスコの“平凡な市民の日々の営みを後世に伝えていく”という明確な意思の表れとして、私には非常に興味深いものがありました。
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渦中にあっては「人間はそのことをずっと忘れない。いつまでも忘れるはずがない」と思いがちですが、記憶というのは案外時間の経過に弱いように思います。伝える道具は紙に書いたものでも石に刻んだ言葉であっても、絵でも、写真でもいいのです。大切なことは「伝えていく」「残していく」という、人間の強固な意志と信念だろうと思います。 |
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