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2012年4月6日号

市長コラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の
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「市長ほっとコーナー」
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春の風景

市長穂積 志

 3月19日、秋田市老人福祉施設連絡協議会と市は「災害時における福祉避難所の開設等に関する覚書」を締結しました。
 秋田市内は、あれほど積もっていた雪もいつの間にか消えて、うららかな光が降り注ぐ中を春の風が吹き渡っています。そして、南の地方からは桜の便りも聞こえてくる頃になりました。自然界では大震災があり、片や人間社会では、いまだ復旧・復興への確かな足がかりを見い出せずにいても、季節のサイクルは毎年、歩みを止めることなく巡ってきます。
 私たちが生きているこの社会では、春というのは喜びや躍動感を運んでくれる一方で、とにかく慌ただしく、また、非常に残酷な一面を持っているのではないか、と思うときがあります。入学や進学、就職にはそれぞれハードルが待ち構えていますし、卒業や転校、転職、さらには定年退職などには別れを伴うことがしばしばです。志望校や希望どおりの会社に入り、順風満帆、今まさに喜びの春を迎えている人もいれば、悲喜こもごも、思い描いた結果に至らず失意の底に沈んでいる人がたくさんいることも事実です。
 実は私も受験に失敗し浪人した一人ですし、留年を余儀なくされた1年も経験しています。社会に出てからも、誰が見てもわかるような大きな挫折を味わっています。当時は、悔しいやら情けないやらで打ちひしがれたこともありました。しかし、顧みるに、失意の中で過ごしたあの時間は、長い人生の中では決して無駄ではなかったと思っています。常々、事あるごとに話している「一つひとつ具体的に行動する」という信条も、その頃の経験から生まれたように思います。要は生き方しだい、心の持ちようによっては、挫折も十分に成長の糧にできるのではないでしょうか。若い人には先輩風を吹かすようですが、「一度や二度の失敗なんていくらでも乗り越えられる。目標に向かって突き進め」と心からエールを送りたいと思います。
 そんなことを考えている矢先、興味深い記事に接しました。秋田魁新報3月10日付の“北斗星”と同紙18日付の“内館牧子の明日も花まるっ!”で紹介されていた言葉です。「行動が人格だ」。秋田市出身でテレビプロデューサーの武藤良博さんが、秋田を応援する首都圏文化会議でこの言葉を繰り返されていたそうです。まさに「わが意を得たり」でした。行動なしには何も生まれません。
 さて、この4月で市長就任からちょうど4年目を迎えます。「秋田市を元気にする」ため、自分なりに全力で取り組んできました。残された任期を「一つひとつ具体的に行動する」ことにより、少しでも幸せな気持ちで今年の桜を市民のみなさんと一緒に眺めたいと思っています。

幸せな気持ちで今年の桜を見られますように


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