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2012年6月1日号

市長コラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の
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エリアなかいち(1)〜にぎわい考

市長穂積 志

 5月11日、トーチリレーで平和の願いを共有するワールドハーモニーランの一行がアゴラ広場に到着。トーチはウラジオストク市に向けて旅立ちました。
 秋田駅から広小路と中央通りまでの一帯。いわゆる中央街区は、今では思いも及ばないほど多くの市民・県民でにぎわっていました。特に、土・日ともなると混み合った、広小路の老舗百貨店の大食堂やおもちゃ売り場、屋上にあった遊園地。さらには隣の商業ビルにあったラジオのサテライトスタジオに集まる若者たちの熱気など、今でも昨日のことのように鮮明に思い出すことができます。
 先日、その老舗百貨店で出していたものと同じレシピを元に復活させた生ジュースが話題になっていました。また、数年前には、市内のNPOが、千秋公園のお堀で貸しボートを再現したこともありました。みなさんの中にも、そんな中央街区の姿に、青春時代や自らの半生を重ね合わせたかたがいらっしゃるのではないでしょうか。
 昭和32年生まれの私が、小学生、中学生、高校生と過ごしたのは、おもに昭和40年〜50年代ということになります。戦後日本の高度成長経済のまっただ中にあり、人口をはじめ工業出荷額や貿易、所得、雇用、財政など、とにかく社会全体が右肩上がりの拡大を続けていました。今考えてみると、当時のにぎわいというのは、時代そのものが持つパワーとエネルギーが、まちに充満していたことの現れのようにも思います。
 さて、この広小路で進められてきた中通一丁目地区第一種市街地再開発事業(愛称・エリアなかいち)が、いよいよみなさんの前に姿を現します。7月21日(土)オープン予定の「にぎわい交流館AU(あう)」の各施設については、本号4ページにあるように利用予約の登録受け付けも始まります。
 この再開発事業は、一時期、芸術文化ホール構想もありましたし、その後も何度かの紆余曲折を経てようやく動き出したものであり、新たな「秋田の顔」となることが期待されているものです。当然、にぎわいの創出が求められますが、ただ、前述した頃とは時代が大きく違っていることから、当時と今とを同列に捉えてはいけないと思います。
 建物を作ったから、施設機能を整えたから人が集まりにぎわいが生まれる・・、などとは考えていません。少子高齢、人口減少社会であっても、文化的には多様化した成熟社会であり、主体的な市民活動や市民協働も格段に進んでいます。ハードも大切ですが、これからのまちづくりは、よりソフトの充実が重要になるということだと思います。要は何をやるかです。
 千秋公園と一体となった街なかオアシス〜エリアなかいち。次回は、にぎわい創りのさまざまな仕掛けと周辺の楽しい歩き方などをご紹介したいと思います。

広小路側から見たにぎわい交流館(左)の完成図


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