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2012年10月19日号

健康万歩計


今回のドクター

太田 栄先生(市立秋田総合病院外科医長)

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。

体に負担の少ない胃がん手術〜腹腔鏡(ふくくうきょう)下胃切除〜

 腹腔鏡手術とは、おなかに小さな傷(5〜12ミリ程度)をつけ、そこから炭酸ガスを送り込んでおなかをふくらませ、挿入したスコープに映し出される画像を見ながら、他の傷から挿入したはさみや超音波メスを操作して臓器の切開や切除を行う手術方法のことです。
 傷が小さく美容的で痛みが少ない、腸ぜん動の回復が早い、また術後の腹腔内癒着が少なく社会復帰までの期間が短縮されるというメリットがあり、体に負担の少ない手術とされています。一方、従来の開腹手術に比べて難しく、医師が特殊なトレーニングを要すること、手術時間が長く、手術経費が高価であるなどの欠点も指摘されています。

開腹か腹腔鏡か。手術はよく相談を

 胃がんに対する腹腔鏡手術は保険医療としても認可され、全国での胃がん手術に占める割合は約25%で、年々増加しています。しかし、胃がん患者のすべてに腹腔鏡手術が可能なわけではなく、条件があり、さらに施設ごとに条件が少しずつ異なります。
 早期がんに対する腹腔鏡手術の成績は同等かそれ以上と報告されていますが、進行がんについては、開腹手術か腹腔鏡手術か意見が分かれるところです。腹腔鏡手術は新しい手術の技術であり、難易度の高い手術です。胃がんの手術を受ける際、開腹手術と腹腔鏡手術か迷っているときには、この手術を数多く手がけている医療機関で医師の説明を受けた方が良いと思います。その際、知りたいことや分からないことは遠慮せずに質問することが大事です。


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