※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2013年2月1日号

健康万歩計


今回のドクター
石田 和子先生(市立秋田総合病院 小児科医長)

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。

食物アレルギーの治療は正確な診断が大事

 食物アレルギー治療の基本は、原因となる食物を除去することですが、その考え方がここ数年で「疑わしきは除去」から「必要最小限の除去」へと変わりました。
 日本で食物アレルギーのお子さんは、乳児が約10%、幼児が約5%、学童期以降が1.5〜3%ほど。乳幼児期の食物アレルギーの三大原因である鶏卵・乳製品・小麦は、3歳までに50%、6歳までに80〜90%のお子さんが食べられるようになります。
 食物アレルギーの治療を行うには原因となる食品の正確な診断が必要なため、「食物経口負荷試験」を行います。これは、医療機関でアレルギーとの関与が疑われる食品を少量から3〜5段階に分けて食べ、症状が現れるかどうかを数時間かけて調べる検査です。その目的は、原因食品の決定や、一定期間除去をしてきた食品を食べられるかの判断をすること。また、入園・入学に際し、本当に食べられないのか、どのくらいの量なら食べられるのか、重い症状が出るのかなどの再評価を行うことです。アレルギーがある場合でも、摂取できる量を明らかにし、食生活に取り入れることができる場合もあります。
 大切なことは、血液検査や皮膚テストで陽性でも、食べて症状が出なければ食物アレルギーではないということです。乳児期に発症したアトピー性皮膚炎への食物の関与が見逃され皮膚症状が良くならない場合もありますが、乳幼児期からの食物除去が再評価されることなく続いている場合もあります。まずは、食物アレルギーのお子さんの診療を行っている市立病院小児科、または各医療機関へお気軽にご相談ください。


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