※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2013年3月1日号

市長コラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の
内容などをお伝えしています。
「市長ほっとコーナー」

入学、進学、就職…旅立ちのとき

市長穂積 志

陽光まぶしい春が待ち遠しいですね
 長かった冬に別れを告げ、自然界も人の世も生命の息吹と躍動が感じられる季節です。
 春には、入学・進学と卒業、就職と退職があり、また、転職や引っ越しを伴うかたもいらっしゃると思います。それぞれが転機であり、新たな局面を迎えるということは何かしらの決断や判断が求められることでもあります。このような場に臨むと、私たちは「今このとき」に夢中になってしまうあまり直面する現実に視界を遮られ、ややもすれば「次」のことを冷静、客観的に捉える感覚を失いがちになるように思います。
 そんなことを考えていると、なぜか心に残っていた二つのことが頭に浮かびました。一つは、昨年のロンドンオリンピック体操男子個人総合金メダルの内村航平選手。彼の着地技術がなぜ素晴らしいかというと、高速でひねっている間に着地点が見えていて次に蹴るポイントが決まっている、要するに技の先取りができているらしいのです。競技している最中であっても、次が見えている、自らを客観視できているのでしょうか。
 もう一つは、昨年2月、天皇陛下の心臓手術の際に執刀医を務めた順天堂大学医学部心臓血管外科の天野篤教授。先生によると、手術は基本的に手仕事で、頭で考えてそれから手を動かすのではなく、ほとんど反射的に手を動かさないといけないそうです。手が考えているのですね。
 ピアニストが今弾いているところの先の楽譜を見ているように、心臓外科医も今施しているその先を見ないといけないようです。見えるところまでの知識や経験、判断力が求められるということであり、並大抵の努力では成し得なかったでしょう。
 これら二つのことは、一見当たり前のようですが、実は市政の舵取りにも大いに示唆を与えてくれるように思います。
 さて、弥生3月。東日本大震災から2回目の3月11日を迎えます。復興に向けた足取りをもっともっと力強いものとしなければいけません。秋田市としてもさらに貢献できることはないか、今一度原点に立ち帰りたいと思います。
 また、秋田公立美術大学が4月に開学します。大きな期待を胸に全国から多くの受験生たちがめざしてくれました。まぶしい春の光の中、第1期生の夢と秋田市の希望を乗せて、芸術・文化によるまちづくりは次なる旅立ちのときを迎えます。

受験生のみなさんの幸運をお祈りします


Copyright (C) 2013秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp