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2015年2月6日号

市長コラム

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土地の恵みと食文化

市長穂積 志(もとむ)

1月20日、「東北六魂祭2015秋田」
共同記者会見で。若き書道家・高橋卓也さんと
 早いものでもう2月、年末年始はみなさんどのようにお過ごしでしたか。久しぶりに家族が集まり食事を楽しんだというご家庭も多かったのではないでしょうか。
 ライフスタイルの多様化により、日頃は洋の東西を問わず世界のあらゆる地域の食文化に接している私たちですが、こと年末から年始にかけては、やっぱり「和食党」に戻るというかたの話もよく耳にします。
 大晦日には各家庭に伝わる大晦日のごちそうがあり、正月はそれぞれに祈りや希望を込めたおせちが食卓を彩り、お雑煮あり七草がゆありと、とにかく季節感と郷土色がてんこ盛りです。私の場合は、新年に黒豆や数の子などに箸をつけるだけで、年があらたまるということを実感しているように思います。
 ところで、あらたまるのは気持ちだけかというとそうでもないようです。正月休みにまとめて読んだ本の中に、私たち人間の体は約7年で生まれ変わり、細胞レベルで言えば別人になるという話を見つけました。体も絶え間なく変化を続けるのならば、精神的にも日々変わっていける-。この話を読んで、私としても新年らしく新たな展望が開けたような気分になりました。
 さて話は「食」に戻ります。「身土不二(しんどふじ)」という言葉をご存じですか。人間の身体と土地は一体で、その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方です。そう考えていくと「和食」が体を作るうえでも優れていることがはっきりしてきます。
 一昨年、「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録され、その魅力や優れた点が国際的にも認められています。中でも秋田のように四季折々の、そしてその地域ならではの豊かな食文化を持っている地域に暮らす私たちは、本当に恵まれていると言えます。京都府は「京料理・会席料理」を無形文化財に指定していますが、地域でこうした固有の文化を再認識し、大切にしていく運動も面白い取り組みだと思っています。
 暦の上では寒が明けたものの、しばらくは寒さが身に染みるこの季節。でも2月を乗り切れば、春を感じるひな祭り、そしてお彼岸です。さまざまな年中行事と密接に関連するのもまた和食。土地からの実り、海や川からの恵みを十分に堪能し、この1年身も心も日々新たに成長していきたいものです。

“和食”デリシャス!


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