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※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
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2015年2月6日号
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健康ライフ太鼓判! |
おしえてドクター! |
あなたの健康づくりをサポートする、ミニ情報をお届け!
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<Q>C型肝炎と診断されました。がんにならないか心配です |
<A>新たな治療法などにより、早期にC型肝炎ウィルスの排除に努めましょう |
今回のお話は→ 市立秋田総合病院 消化器内科 小松 眞史 病院長 |
■C型肝炎ウィルスの感染が肝細胞がんの原因に |
秋田県で肝細胞がんにかかったかたの約7割は、C型肝炎ウィルスの感染が原因です。このウィルスに感染すると、急性肝炎→慢性肝炎→肝硬変→肝細胞がんへと進行します。 肝発がんの予防には、慢性肝炎や肝硬変の時点でC型肝炎ウィルスの排除が必要です。治療としてはこれまで、インターフェロン製剤単独、またはインターフェロンと他の抗ウィルス薬との併用療法が行われ、現在、治療を受けた7割以上のかたがウィルス排除に成功しています。しかし、この治療法は副作用などのため治療対象者がかなり限定されていました。 |
■新しいC型肝炎治療薬 |
最近、「直接作用型抗ウィルス薬」と言われる経口薬(飲み薬)が開発されました。日本での開発治験(※1)では、この経口薬2種類を24週間服用した8割以上のかたのC型肝炎ウィルスが排除されました。この治療法の特徴は、経口薬なので簡便なこと、重大な副作用がなく高い治療効果が得られることです。これらにより、高齢者や肝硬変患者など今まで治療が困難だったかたも対象にできます。 一方、この治療法の問題点は薬剤耐性ウィルス(※2)の存在です。耐性ウィルスが治療中に出現すると効果は低下します。また、元々耐性ウィルスを持っているかたは治療効果が低いだけでなく、他の薬剤に対しても耐性を獲得し、今後の治療に影響する可能性があります。そのため治療前に、採血でこの耐性ウィルスの有無を調べておく必要があります。 |
■秋田のC型肝炎撲滅のために |
医学の進歩により、日本の肝細胞がんの最大の原因であるC型肝炎は治る病気になってきました。さらに新たに経口薬を開発したことで、治療の幅は大きく広がりました。 C型肝細胞がんで亡くならないためには、一生に一度は肝炎ウィルス検査を受け、陽性であれば日本肝臓学会肝臓専門医(※3)を受診してください。この治療は、国から治療費の助成が受けられます。 ※1…国から薬として承認を受けるために行う臨床試験のこと。 ※2…ある薬剤に抵抗性を持つウイルス。 ※3…市立病院には専門医がいます。その他の病院の専門医については、各病院にお問い合わせください。 |
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