※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2015年3月6日号

市長コラム

秋田市ホームページで
市長の動向や記者会見の内容などをお伝えしています。
「市長ほっとコーナー」
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秋田の元気の素

市長穂積 志(もとむ)

17歳の6次産業化プロジェクト
商品アイデア発表会で
 年が明けてからは比較的雪も少なく、ここ数年では穏やかな冬だったように思います。雪と言えば先日、政府主催の「地方創生フォーラム〜地方が変わる、日本が変わる〜」が秋田市で開催されました。その中のパネリストの一人で、津軽地吹雪会代表のお話はとても興味深いものでした。
五所川原市在住の代表は、20年以上も前から地元で地吹雪体験ツアーを行っています。津軽の冬の厳しさを逆手にとったツアーは次第に全国的に知れ渡り、今では国の 「観光カリスマ」にも選ばれています。とかく敬遠されがちな北国の寒さや風の強さ。でも代表には、足元から巻き上げる吹雪が、体験したことのない人にとっては新鮮に感じられるということが分かっていたのでしょう。
 こんな話もあります。日本のうららかな春を目当てに来日した台湾からの観光客が、たまたま満開の桜に雪が積もったのを見て一言。「きれいな桜だけでもうれしいのに、その上、雪まで見ることができてとてもラッキー」
 このように物事というのは、見方や感じ方、考え方をちょっと変えることで、ネガティブにもポジティブにも映るということだと思います。だとすれば、私たちが日頃何気なく目にしたり体験していることの中には、貴重な観光資源や地域の元気の素となり得るものがあるとは言えないでしょうか。
 人口減少・地方創生に関するニュースが毎日のように報道されています。総務省が公表した2014年の人口移動報告によれば、東京圏では転入者が転出者を上回る「転入超過」が約11万人に達し、3年連続の増加で東京一極集中がさらに加速しているそうです。国としても、地方で若者30万人分の雇用を創出し、地方の人口流出に歯止めをかけ2020年までに、東京圏から地方への転出と転入を均衡させる目標を掲げています。
 本市としても国や県と歩調を合わせ人口減少対策を講じていくのはもちろんです。また、現在進めている施策に加えて、今後さらに秋田市として何をやるのかも大切になってきます。
 先日、秋田魁新報に掲載されていた内館牧子さんのコラムに、「まず今あるものを活かす考えが重要」とありました。本市で言うなら、秋田港などかつての北前船寄港地同士が連携し「日本遺産」をめざすとか、空き家を工房やアトリエとして活用し、芸術文化によるまちづくりを進めるなど、夢のある計画がいろいろ思い描かれます。 
 今年は、本市の政策の指針となる新たな総合計画を策定します。行政だけでなく、全産業界、労働界、地域、NPO、そして男女を問わず経験豊かな年長者から若いかたがたの意見も伺いながら、「秋田の元気の素」を見つけ、磨き上げ、発信していきたいと考えています。


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