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2015年6月5日号

市長コラム

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命と命の絆 大森山動物園

市長 穂積 志(もとむ)


大森山動物園での「ハズバンダリートレーニング」の様子
 日増しに緑の濃くなる季節です。今年のゴールデンウイークは、みなさんどのようにお過ごしでしたか? 私は、陽気に誘われ大森山動物園に出かけてみました。
 天候に恵まれ、ゴールデンウイーク期間中の入園者は約5万6千人で、昨年に比べ40%以上も増えました。特に最近は、全国各地からも多数来園しています。この理由について、施設の充実や飼育している動物の多さに加え、動物と来園者、そしてスタッフとのふれあいやコミュニケーションがよく理解されてきたからではないかと、私なりに考えています。
 そんな折り、西部市民サービスセンターで、この春、動物園の名誉園長に就任された女優の高木美保さんの講演会がありました。せっかくですから、高木さんに名誉園長をお願いしたきっかけをお話します。
 今年の正月、元秋田公立美術工芸短期大学長の石川 好さんから、大森山動物園のイメージにピッタリの人がいると伺い、紹介されたのが高木さんでした。確かに高木さんは、動物の命や絆という事柄に深い思いがあり、また栃木県那須で自ら有機農業を手がけており、命、自然、食をテーマとする大森山の使命と共感・共鳴すると考え、迷わず名誉園長の就任をお願いした次第です。
 さて、高木さんの講演会ですが、後半は2人の飼育員との対談形式で進められ、その中で非常に興味深い話がありました。
 キリンは、牛やラクダ、鹿などと同じ偶蹄目(ぐうていもく)の動物で蹄(ひづめ)があり、定期的にこの蹄を削る必要があります。他の動物園では、伸びすぎた蹄を削るのに、全身麻酔でやることがありますが、それでは命のリスクを伴います。これを大森山では、いわばキリンに「お手」をさせる格好でやっています。飼育員が根気よく何度もエサで誘導するなどのトレーニングを重ねてキリンとの絆、信頼関係を築いたからこそできるようになったのです。こうした方法を「ハズバンダリートレーニング」と言うそうですが、大森山動物園はこのことで、NPO法人市民ZOOネットワークの「エンリッチメント大賞2013」に輝いています。
 他にも話題は尽きませんが、今年は動物園入口にある蒸気機関車(SL)の化粧直しも計画しています。昭和46年に当時の国鉄から無償で借り受けたものですが、腐食も進んでいることから補修し、夏までにはその雄姿を披露できればと思っています。私はこのSLを見るたびに、当時展示に向けて尽力されたSL同好会のみなさんを懐かしく思い出しては感謝しています。
 そんな話題満載の大森山動物園、ぜひ足をお運びください。


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