※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2015年6月5日号

健康ライフ太鼓判!

おしえてドクター!

あなたの健康づくりをサポートする、ミニ情報をお届け!

<Q>股の付け根に膨らみができました。痛みはありませんが病気でしょうか。


<A>鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)の可能性があります。専門医の診断を受けましょう。

今回のお話は→市立秋田総合病院 外科 伊藤 誠司 医師

■鼠径部に膨らみができたら診察を受けましょう

 鼠径部とは、股の付け根あたりを言います。鼠径部のおなかの壁が弱くなって、腸が押し出されて膨らんでくるのが鼠径ヘルニア(脱腸)です。
 症状は、鼠径部が膨らむだけの場合から、痛みが出る場合、出てきた腸が戻らなくなる「陥頓」や、腸が締めつけられて血液の流れが悪くなり、生命の危険がある場合までさまざまです。
 特に強い痛みがある場合は我慢せず、直ちに医師の診察を受けることが大切です。陥頓の発生は、発症後3か月以内のかたや50歳以上のかたに比較的多いと言われています。

■自己判断は危険! 専門医に相談を

 症状が軽くても、治療の原則は手術です。陥頓の危険性が低い場合、医師の判断で経過観察となる場合もありますが、自己判断は危険ですので絶対やめましょう。専門医の診療を受けて治療方針を決めることが大切です。
 また、同じく鼠径部に膨らみが発生する大腿ヘルニアは陥頓を発症することが多く、放置した場合は生命の危険性が高くなり、ほぼすべての場合で手術が必要です。鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアを見分けることはその後の治療方法の決定に重要ですので、このことからも専門医の診察を受けることが大切です。

■手術方法は腹壁切開法と腹腔鏡手術

 手術方法は、おなかの壁が弱くなった部分の内側に合成繊維を網状の形にした「パッチ」を敷いて、その周りに自分の体の結合組織が増殖することで補強する方法が主流です。下腹部の皮膚を切開する腹壁切開法やへその部分を切開して腹腔鏡で手術する場合がありますが、手術の結果に差はないと言われています。しかし、手術の費用は腹腔鏡が約2倍と高額です。
 状況によっては、日帰り手術ができる場合もありますので、入院期間など詳しくは、病院で説明を受けて決めてください。


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