秋田の夏を代表する竿燈まつりは、ウイークデーの開催にもかかわらず、過去2番目の140万人の人出でにぎわい、雄物川花火大会も夏の夜空を鮮やかに彩りました。秋田市竿燈会をはじめ、関係各位には心より感謝を申し上げます。
さて、振り返ってみると暑い夏でした。“あつい”と言えばとりわけ秋田の夏を熱くしてくれたのは、今年で100年目を迎えた全国高校野球選手権大会、甲子園球場での秋田商業高校の大活躍です。私も応援のため甲子園へ行きました。8月16日、ベスト8をかけた健大高崎と翌17日の仙台育英との準々決勝の試合です。初めは1試合応援して帰る予定でしたが、とても甲子園から去る気にはなれませんでした。
健大高崎戦はとくに圧巻の展開でした。2点リードして迎えた8回裏に同点に追いつかれ、なおも大ピンチ。実はこのとき、ちょっとした不安がよぎりました。前半リードしているチームが、終盤追いつかれ逆転されるパターンが多々あることを思い出し、「このままガタガタと崩れてしまうのではないか」と。ところが、まったくの取り越し苦労でした。エースの成田
翔(かける)君をはじめ、秋商ナインはそんな弱さを微塵もみせることなくしっかりと守り切り、その後の勝ち越し点に結びつけ80年ぶりの甲子園ベスト8へ進出しました。
勝利の歓声が止まない中、甲子園という大舞台で秋商の校歌を聞くことができました。元々、大好きな校歌の一つなのですが、「秀麗の山鳥海は…」で始まる格調高い歌詞と美しいメロディを“高校球児の聖地”で聞いたことで、改めて胸がジーンとなりました。
次の準々決勝も素晴らしいゲームでした。仙台育英にはあと一歩及びませんでしたが、一心にボールを追う秋商球児の直向きさには、球場全体が応援していたような熱気を感じました。9回裏、最後の打者のライナーが相手ピッチャーのグラブに納まり、一瞬の間があったあと沸き起こった万雷の拍手には、これまで経験したことのない大きな感動を覚えました。
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