秋も深まり朝夕めっきり冷え込むようになりました。毎朝、布団のぬくもりが心地よく、そこから抜け出すには“ほんの少しの決断”が必要な季節です。長年の職業柄、私の一日は、まず新聞各紙に目を通すことから始まります。
記事の中で最近特に気になるのは、若くしてがんで他界するかたの多さです。女優の川島なお美さんやアナウンサーの黒木奈々さんをはじめ、すぐにでも何人かの顔が浮かんできます。また、先般は北前船の寄港地だったことを縁(えにし)に交流を始めた、酒田市の本間正巳・前市長の葬儀に参列することになってしまいました。昨年4月に本市で開催された北前船フォーラムでのお元気な姿を思うといまだに信じられません。本間前市長もやはりがんでした。
がん対策は早期発見が第一です。現在、わが国では2人に1人が生涯でがんにかかるといわれています。そして早く見つけると治る可能性も格段に高まり、肉体的・精神的・経済的ダメージも軽減できます。
秋田市でもさまざまな対策を講じています。それぞれ一定の年齢に達したかたを対象に、がん検診の無料クーポン券を差し上げ、それでも受診されないかたには、電話や文書で再度のご案内もしています。また、受診方法をわかりやすくまとめた「健診ガイド」の全戸配布や市内コンビニ・金融機関を通じた周知、地域保健推進員によるお知らせ、広報あきたや新聞、テレビによるPRにも努めています。市立病院では、お仕事などで忙しいかたのために「夕暮れ乳がん・子宮頸がん検診」なども用意しています。
ただ、それでもいまだ十分とはいえないのが受診率です。残念ながら平成25年度実績では、42ある中核市の中でも中位に甘んじているのが実情です。今後、市議会や市民のみなさま、医師会などの関係機関とも相談しながら、受診率を上げるために、例えば「ワンコイン検診」といった市独自の対策なども考えていければと思っています。
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