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2016年2月5日号

市長コラム

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福と鬼〜やまはげ参上!

市長 穂積 志(もとむ)


「ふるさと祭り東京2016」で
秋田市を大いにPRしました
(1月15日、東京ドームで)
 雪のない穏やかな平成28年の幕開けでした。みなさん、お正月は如何お過ごしだったでしょうか。年末の大掃除、そして新年に門松や注連縄(しめなわ)を飾り鏡餅を供えるのは、福を授ける神様を招じ入れるためと言います。また、早速買い物に出掛け、福袋の中身を楽しんだかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
 2月は「福は内、鬼は外」、節分の豆まきで始まります。節分とは「季節を分けること」を意味し、特に、新年にあたる立春の前日を指すようです。季節の変わり目には、邪気が入りやすいと考えられており、鬼に豆をぶつけて邪気を払い福を呼び込むためとされ、豆をまくのは、その年の干支にあたる年男・年女や世帯主というのが一般的です。
 県内の鬼と言えば男鹿のなまはげがあまりにも有名ですが、秋田市内でも、雄和の寺沢や下黒瀬などの各地域、そして下浜、豊岩地区などでやまはげが健在です。小正月行事として集落の家々を巡っては、一年の無病息災や五穀豊穣を祈願します。お面の素材が稲わらや木彫りだったりと、各地区ごとに特徴はあるものの、わら装束の「けら」をまとうなどの共通する部分も多く、「泣ぐ子はいねがー」「言うごど聞がね子はいねがー」「ウォー、ウォー」といった声は迫力満点で、小さな子どもたちには効果てきめんです。
 こういった行事には、準備のための作業や終えてからの慰労会なども付きものです。そういった場では、互いの近況や子育てのことを語り合うなど、行事が地域の貴重な交流機会にもなっているようです。私としても、このような地域の暮らしや風土に根ざした風習は、春を待つ季節感や、健康・豊作を願う心が表れたその土地の大切な財産だと考えています。
 余談ながら、鬼はしばしば悪者扱いもされますが、一方で福をもたらす来訪神となっている地域もあります。だからでしょうか、「福は内、鬼も内」と掛け声をかけて、豆まきをするところもあると聞いたことがあります。
 寒さの身にしみるこの季節、受験生にとっては最後の追い込み時季となります。ご家族のかたも温かい配慮と細心の気遣いに余念がないことでしょう。自分の中にある不安や現実から逃れようとする心を自信に変えて、どうか、やがて来る春に向け、ぜひ鬼さえも味方につけて実力を出し切って欲しいと願っています。

豊岩前郷地区のやまはげ


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