※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2016年3月18日号

“秋田城跡歴史資料館”4月16日(土)オープン!

ようこそ古(いにしえ)の丘陵(おか)


 国指定史跡 秋田城跡の出土品などを展示する「秋田城跡歴史資料館」が、4月16日(土)、寺内焼山に開館します。昭和47年から続けられる発掘調査で見つかった古代の品々約360点を展示するほか、全国初となる赤外線カメラを使った古文書の解読体験コーナーなどを常設します。
 秋田の歴史を知り、古に思いを馳せることができる歴史資料館に、ぜひ足をお運びください。

*一般公開は、4月16日の完成記念式典後、午前11時からの予定です。

秋田城跡の
イメージキャラ
「秋麻呂くん」

住所/秋田市寺内焼山9-6
◇秋田駅からバスで20分。寺内経由土崎線・将軍野線、「秋田城跡歴史資料館前」下車(バス停名「中央高校入口」が4月16日から上記に変わります)
開館時間/午前9時〜午後4時30分
休館期間/12月29日〜翌1月3日
観覧料/200円(高校生以下無料。20人以上の団体は1人160円)*年間観覧券300円
<問>秋田城跡調査事務所tel(845)1837

 秋田市の西、高清水の岡にある秋田城跡は、日本最北の古代城柵として国の史跡に指定されています。奈良時代から平安時代の大規模な地方官庁の遺跡で、古代秋田の政治・軍事・行政の中心地でした。
 いまも続く発掘調査では、これまで、日本古代史に関わる数多くの重要な発見がありました。現在は、史跡公園として復元が進んでおり、瓦屋根の外郭東門と築地塀、政庁や古代の水洗トイレなどを見ることができます。また、文字の記された木簡や漆紙文書、甲(よろい)、胞衣壺、人面墨書土器、和同開珎銀銭など、貴重な遺物が数多く出土しています。
 「秋田城跡歴史資料館」は、史跡西側(地図参照)に開設します。上記の貴重な品々をより多くご覧いただけるほか、全国初となる赤外線カメラによる漆紙文書や木簡の解読体験コーナーや、発掘された古代の甲とその復元品、古代の水洗トイレの展示など、見どころ満載です。

資料館内の展示室

秋田城跡歴史資料館(寺内焼山9-6)
開館時間/午前9時〜午後4時30分
観覧料/200円(高校生以下無料)
<問>秋田城跡調査事務所tel(845)1837

おもな展示品


古代の甲(よろい)【復元】
非鉄製小札甲(ひてつせいこざねよろい)

 発掘現場の鍛冶工房跡から、甲を構成する部品である小札(こざね)が多量に出土しました。小札は漆塗りで仕上げてあり、材質は非鉄製で革製の可能性が高いと考えられています。
 資料館には、それらを復元した甲を展示し、また発掘現場も再現しました。

発掘された甲の様子

木簡「天平六年月」
 木簡は、当時紙が貴重だったため、紙の代わりに荷札などとして用いられました。写真の木簡は、「天平六年月」とクギ書きされたもので、「続日本紀」にある“天平5年条の出羽柵秋田村高清水岡への遷地(場所を移すこと)”記事を裏付ける重要な資料です。

和同開珎(銀銭)
 秋田城からは当時の律令政府が鋳造した貨幣が発掘されています。日本最古の貨幣である和同開珎3枚、萬年通宝5枚のほか、富壽神宝1枚が見つかっています。

胞衣壺(えなつぼ)
 生まれた子どもの成長と立身出世を祈って土の中に埋めた壺で、中に胎盤と貨幣の萬年通宝が入っていました。
 胎盤をDNA鑑定した結果、生まれたのは血液型B型の男の子と判明しています。

漆紙文書「書状」
 漆紙文書は、使用済みの紙を漆の入った容器のフタ紙にし、それに漆が付着して捨てられたあとも漆の保存力のおかげで、土の中でも腐らずに残ったものです。文書の内容には当時の戸籍や手紙など、さまざまなものがあります。
 通常文字は判読できませんが、赤外線カメラで見ることができる体験コーナーを資料館に設置しています。

史跡公園を歩いてみよう♪

 春はすぐそこ! 散策日和に誘われて、秋田城跡歴史資料館での観覧と一緒に、史跡公園でのフィールドワーク(野外学習)もおススメです。新しい発見を探しに、ぜひお出掛けください。

◆秋田城跡ボランティアガイドのみなさんの活動は、4月1日(金)からとなります。ご利用の際は、秋田城跡調査事務所へご連絡ください。
tel(845)1837

周辺地図
資料館内には、当時の秋田城の配置などが分かるジオラマ(模型)も展示します
外郭東門

 秋田城を囲む城壁の一部と東側の門を復元。赤い柱、白い壁、品格ある瓦葺屋根の壮麗で重厚な門を再現しています。
政庁域

 重要な政務や儀式などが行われた秋田城の中心施設。柱の跡と粘土を搗(つ)き固めて積み上げた築地塀の一部を復元しました。
古代水洗厠舎(かわや)

 鵜ノ木地区の沼地の岸辺で発見された奈良時代の「水洗トイレ」を復元したもの。掘立柱建物と水洗施設の機能が一体となった構造で、当時の都である平城京にもないような施設でした。
天平の井戸跡

 外郭東門の外側に広がる鵜ノ木地区で見つかった井戸跡。上記の、「天平六年月」の木簡が発見されました。

「くるりん周遊パス」の対象施設に「秋田城跡歴史資料館」が加わります

 4月16日(土)の開館に合わせ、秋田城跡歴史資料館が文化施設共通観覧券「くるりん周遊パス」で観覧できるようになります。対象施設が8施設に増え、料金は据え置きの500円とさらにお得です。
 パスは、購入日から1年間有効で、各施設を1回ずつ観覧できます。4月16日よりも前に購入されたパスでも、有効期間内であれば秋田城跡歴史資料館を観覧することができます。
●問い合わせ
 文化振興室tel(866)2246

料金/500円(下記の対象施設窓口で購入できます)

対象施設
 千秋美術館 赤れんが郷土館 民俗芸能伝承館 旧金子家住宅
 佐竹史料館 久保田城御隅櫓 旧黒澤家住宅 秋田城跡歴史資料館

*上のパスは秋田城跡歴史資料館が加わる前のデザインです。


©2016秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp