※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2016年6月17日号

健康ライフ太鼓判!

おしえてドクター!

あなたの健康づくりをサポートする、ミニ情報をお届け!

<Q>祖父の歩きかたが最近小刻みになった気がします。年齢のせいでしょうか…

<A>パーキンソン病など、脳の病気の可能性があります。専門医へご相談ください。

今回のお話は→
 市立秋田総合病院  神経内科 大川 聡 医師

■歩行障害を来す脳疾患の代表・パーキンソン病

 高齢者が歩けなくなる原因は、足腰だけでなく「歩く」という動作をつかさどる脳が問題の場合があります。パーキンソン病は、脳で作られるドーパミンが減少し、脳からの運動命令が足にうまく伝わらなくなり、小股になる「小刻み歩行」や、早足になり前につんのめる「突進歩行」が出現し、転倒の原因になります。
 動作が緩慢になり顔の表情がなくなる、手足が震えるといった症状も特徴的ですが、それらは治療薬で、症状の改善を図ることができます。

■認知症により歩けなくなる場合があります

 認知症は、物忘れ以外にも脳機能の衰えから「小刻み歩行」「突進歩行」が見られることがあります。認知症の一つである、「レビー小体型認知症」ではパーキンソン病と似た歩行障害が出現します。さらに、幻覚を見る、頭がはっきりしたりボーッとしたりして認知機能が変動するなどの症状が特徴的ですが、これらも薬で改善が図られます。
 また、「正常圧水頭症」は、脳表面や脳室と呼ばれる部分を満たす脳脊髄液がなんらかの理由で循環しなくなり、脳内にたまり脳を圧迫することで起こる病気です。認知症、歩行障害以外にも尿失禁が特徴的で、たまった脳脊髄液を脳内から出す「シャント術」で症状は改善されます。
 歩行異常は、病気の診断がきっかけで原因がわかる場合があります。歩き方がおかしいと感じたら、神経内科へご相談ください。


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