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2016年9月2日号

市長コラム

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オリンピック・パラリンピックと「農福連携」

市長 穂積 志(もとむ)


今年の竿燈まつりで。観覧しているのは、
市との交流事業などで来秋した、
東京都荒川区の中学生のみなさんら
 秋田の夏を彩る風物詩の土崎港曳山まつり、秋田竿燈まつり、雄物川花火大会で盛り上がったこの夏、国民をさらに熱くさせたリオデジャネイロ・オリンピックは、多くの勇気と感動を私たちに与えてくれました。今回も競技を終えた選手たちの言葉一つひとつに、何度も目頭が熱くなりました。苦難や挫折を乗り越えてつかんだ栄光、親や指導者への感謝、チームメイトとの友情、次代を担う後輩へのやさしい眼差しなど、名言がいくつも飛び出しています。
 卓球女子団体銅メダルの福原愛選手。「(自分が)足を引っ張ってばかりでみんなに感謝している」「本当に苦しかった」自分の試合後は「全神経を(後輩の伊藤)美誠に注いだ」。個人としての重圧に加え、リーダーとしての責任感がひしひしと伝わってきました。また、残念ながらメダルをとれなくても自己ベストを更新した選手も多く、心から拍手を送りたいと思います。4年後の東京オリンピックに向けて期待がふくらみます。
 そしてまもなく開幕するリオ・パラリンピック。このことについては、6月の全国市長会議の際の講演で興味深い話がありましたのでご紹介します。文部科学省オリンピック・パラリンピック教育に関する有識者会議委員の吉本光宏先生が引用していた、車いすの天才科学者スティーヴン・ホーキング博士の言葉です。
 要約すると、「私たちには一人として同じ人間はいません。私たちは同じ人間精神を分かち合っています。重要なことは、私たちには創造する能力があるということです。その創造力は、さまざまな形で表現することが可能です。パラリンピック競技は、アスリートのみなさんに、自分の限界を超え、自身の可能性を伸ばし、それぞれの分野で傑出した存在になるチャンスを提供します」。この言葉だけでパラリンピックの精神や意義を語り尽くしているように思います。これから繰り広げられる熱戦が今からとても楽しみです。
 さて、障がいのあるかたの可能性を広げるという意味では、本市でも新たな試みがあります。「農福連携」ー聞き慣れない言葉ですが、文字通り農業と福祉の連携です。自治体や農業法人、福祉関係者らによる「秋田市農福連携促進協議会」が設立され、休耕田などの活用、障がいのあるかたの就労・自立、そして家族の生きがいづくりなどを目的に、障がい者支援施設などと連携し、上新城や柳田、河辺地区では黒ニンニクの生産・加工が始まっています。
 元来、土いじり自体が人間に安らぎや癒やし効果があるという説もありますし、収穫の喜びは経済的な価値に加え達成感や幸福感をもたらします。本市としても、食と農、そして福祉の観点からこのような動きに対し、後押ししていければと考えています。


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