青果通りには、旬の梨やぶどう、りんご、秋なす、きのこなどに加え、地域の食文化をつないできた「秋田の伝統野菜」も店先に並んでいました。「湯沢菊」「三関せり」などでしたが、これを見て秋田市にも「仁井田の大根」「高野のせり」「松原の柿」「さしびろ」など、いろいろな特産物があったことを改めて思い出しました。
水産物の通りでは、新鮮なサンマやホタテ、ボタンエビに目が止まり、その場でさばいてもらい、自分なりの海鮮丼に仕立て、アナウンサーの八重樫さんと一緒に市場内の休憩スペースでおいしくいただきました。
ちょうどこの日は、港北小学校の2年生が授業の一環で体験学習をしていました。私は以前から食育や食文化の勉強には、市場が一番との考えを提案していたこともあり、子どもたちが実際に目を輝かせていたのを見て、ちょっとうれしくなりました。
今はインターネットで買い物ができる時代ですが、市場の醍醐味は何と言ってもお店の人とのやりとりだと思います。商品知識はもちろん、調理法のアドバイスや産地の話題、ときには世間話も秋田弁で飛び交う雰囲気が市場ならではです。
戦後まもなく秋田駅前に誕生した青空市場を前身とする秋田市民市場。高齢化や核家族化といった時代の変化に伴って、新たな取り組みも行われています。高齢者にやさしい社会をめざすエイジフレンドリーパートナーとして、商業者が休憩用のベンチや車いすを設置しているのもその一例です。電話やファクスで注文を受け、配達するサービスもあります。以前は、どちらかと言えばどっさり買い込むイメージがありましたが、今はお好みの量に小分けもしてくれます。
また、酒や日用品、観光客向けの土産なども揃っていますが、実は、市の「チャレンジショップ」という事業で、伝統的な手工芸の店やリラクゼーションサロン、洋服のオーダーメイドのお店も、現在出店していますので、機会があればちょっと立ち寄ってみるのもいいですね。
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