※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
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2017年5月5日号
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秋田市農業ブランド確立総合戦略 |
おいしいアイデア語り合おう!“農家のパーティ” |
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秋田市では、地元農産品の価値を高め、その魅力を情報発信していくための指針として、「秋田市農業ブランド確立総合戦略」を策定しました。
秋田市の農業に“光”をあて、たくさんの人が関わることでおいしいアイデアが生まれる、そんな新たな取り組みが始まります。 秋田市農業ブランド名=“農家のパーティ” 問い合わせ→産業企画課tel(888)5722 |
戦略策定の目的と背景 |
秋田市の農業は、農畜産物の販売額の7割をお米が占めており、農業経営が米価に大きく左右されるという課題を抱えています。数年前からは、園芸作物の生産拡大や6次産業化の促進などにも力を入れてきましたが、首都圏などの市場では産地間の競争が激しく、厳しい価格競争にさらされています。
今後、それら市場に出荷する産地としての地位を特色あるものにしていくためには、地域がひとつとなって、品質の向上に努めていく取り組みが必要です。さらにその取り組みを効果的に進めていくうえで、農産品全体の価値向上と積極的な情報発信などを、戦略的に展開していくことが求められています。 |
農業ブランドとは |
秋田市ではこれまで、農産品の生産振興策に力を入れてきましたが、農業全体の振興を図っていくには、これを販売まで効果的に結びつけていく必要があります。また、この分野の持続的な成長を考えると、今後の農業を担う後継者の育成も大きな課題といえるでしょう。
こうした現状を打開しようと考えたとき、個別の農産品のブランディング(※)ではなく、秋田市の農業そのものに光を当て、価値を高めていくための「農業ブランディング」という新たな考えにたどり着きました。 ※ものなどをブランドに育て上げること。 |
期待される効果 |
秋田市の農業ブランドは、農産品と農産加工品全体の価値を高めるための活動をさします。これによって、農産品の価値をアピールする効果、農業に携わるみなさん(生産・流通・販売)の連携を図り、モチベーション(目的意識)を高める効果、さらには、農業に携わるみなさんと消費者との関係性を強める効果などが期待されます。
これらの効果を積極的に導き出し、秋田市農産品などの販売促進や魅力向上につなげていきます。 |
ブランド確立へのステップ |
「秋田市農業ブランド確立総合戦略」策定の経緯と、今後の流れは次のとおりです。
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<1>市の農業の現状と課題
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●農業世帯主の9割が50歳代以上
●水稲栽培が多くを占める中、米価は低迷している ●消費者の多い秋田市では、農産物の消費量も多い (↓)これを受けて ●米だけではなく、園芸産地としての側面を強化する ●鮮度とおいしさをアピールしながら、地元での評価を高めていく ●県庁所在地としての強みを活かす ●生産・流通・販売・消費者の連携を強化する |
<2>ブランドが満たすべき要素
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●園芸作物の価値を強化するための枠組みが必要
●市場との距離の近さを活かした、地元を巻き込んだ仕組みにすること ●若手農家が、プライドを持って、やる気になれる意識改革の旗印としての役割 ●生産・流通・販売・消費者の連携をかたちにしていく、一過性ではない取り組みであること |
<3>ブランド構築の方向性 |
●園芸作物の認知とファン拡大に向け、体験やメニュー開発などに取り組む
●県庁所在地の利点を活かし、生産・流通・販売・消費者までの連携をプロジェクト化していく ●右記の取り組みの成果を積極的に発信し、ブランドの創出を図る。また、次代を担う若手生産者の気持ちを刺激し、「それならやろう!」という意気込みを広げていく |
<4>ブランド戦略の基本的な考え方 |
秋田市の取り組み方針
●秋田市の役割は、生産・流通・販売・消費者のネットワークを整備し、新たな価値創造の場を構築するとともに、持続的な成長のための基盤づくりを進めること (イメージは下図のとおり) ![]() |
<5>ブランド定着までの流れ |
1年目(平成28年度)
●戦略の策定=市では昨秋から準備を進め、秋田市農業ブランドを確立していくための戦略を策定しました 2年目(平成29年度) ●秋田市民のファン化=市民参加による活動を開始し、地元からブランドに対する共感の輪を広げていきます 3年目(平成30年度) ●仙台圏や首都圏への発信強化=ブランドを売り込む活動の範囲を広げ、仙台圏や首都圏での浸透を図ります 4年目(平成31年度) ●継続的成長へ=県内外の秋田市農業ブランド関連の活動を継続し、さらに共感の輪を広げ、ブランドの定着を図ります |
ブランド名は“農家のパーティ” |
「秋田市農業ブランド確立総合戦略」の始まりとして、上のステップを踏んで、まずはブランド名を「農家のパーティ」と名づけました。
ブランド名に込めた想い、また、実際にどんなことをするのかご紹介します。 ![]() 今号表紙にもあるのがブランドの基本ロゴマーク。これからいろいろな場面でお目にかかります♪ |
パーティは、おもてなし、出会い、語らいの場 |
農家とその仲間たちが集い、交流し、語り合う中から、アイデアを生み出していくという、秋田市農業ブランドの中心となる取り組みを「パーティ」という象徴的な単語で表現しています。
◆こんな想いを込めました◆ パーティはおもてなしであり、出会い、語らいの場です。農家のみなさんが、農家以外のかたと語り合い、協力していく場を実際につくることで新たなつながりを増やし、農業に関するさまざまな課題解決をめざそうという想いを込めました。 そして、パーティには「仲間」という意味もあります。農家のみなさん同士、また、それ以外の人たちとも仲間意識を持つことで、ひとりではなく、みんなが当事者として課題に向き合う仕組みをつくりたいという願いも込めています。 「秋田市の農家のかたと話してみたい」「新しいプロジェクトをいっしょにやってみたい」「農業から秋田市を元気にしたい」-。そんなみなさんの“パーティ”への参加をお待ちしています。 産業企画課tel(888)5722 Eメール farmers-party@city.akita.akita.jp |
これが 「ブランド・コミュニケーション戦略」 |
![]() 秋田市農業ブランドを売り込んでいく際の道筋です。 ◆秋田市の強みは、街と産地が近いこと 農家のみなさんは、街の人たちに、すぐに会って、すぐに話ができる、すぐに動ける。さまざまな課題をどんどん解決する最高の「チーム」がつくれるはずです。 シェフ、料理研究家、蔵元、居酒屋、レストラン、スーパー、そしてみなさんと、多様な仲間とつながれば、さらにおいしくなる秋田市の農産物。まずは市民にブランドのファンを広げます。 ◆農家と市民が語り合いながら実行していくブランド 農家と、農家をとりまくいろいろな人が集まって、それぞれの強みを活かし、語り合うことで課題を解決する活動が戦略のポイントです。 語り合う中からたくさんのプロジェクトが生まれ、秋田市の農産物を発信することでファンを増やしていきます。 |
今年度“農家のパーティ”の名のもとに次の事業を計画中! |
<1>生産者と生産の現場に光をあてる活動の推進 |
地域資源の魅力を発信することで、農業への関心を高めます。
●農業体験交流(首都圏からの修学旅行生の受け入れなど) ●援農ボランティア(左記に募集記事) ●農家民泊 |
<2>「農家のパーティ」を通じた交流と連携の創出 |
市民を広く巻き込み、参加と共感の輪を広げていき、秋田市の農業をともに支える仲間を増やします。
●飲食店や小売店と農家との連携を促進 ●直売会など、農家と消費者の交流イベントを開催 |
<3>「農家のパーティ」を核とした情報発信 |
ホームページや広報、テレビ・ラジオなどを通してPRを行い、市民へのブランドの周知を図ります。
●「農家のパーティ」を魅力的なストーリーに仕立てたPR動画の制作 ●市内を中心に情報発信し、仙台圏・首都圏への発信を検討 ●JR秋田駅、秋田空港などへのポスターの掲出 ●JAなどと連携し、枝豆やプレミアム米にブランドタグを付け、目印としての定着を図る ●首都圏などでのPR ●妊娠・出産時にダリアをプレゼントする“ありがとうのダリア”事業の促進 |
<4>店舗のネットワーク化と地場産品の活用促進 |
●地産地消の店の発掘とネットワーク化
●ブランドタグの普及と啓発 ●レシピ開発や商品開発 ●旬の産品カレンダー作成 ●ブランドブックの活用など これ以外にも、市民参加型の事業などをどんどん企画する予定です。お楽しみに! |
援農ボランティア&受入農家を募集! |
人手不足に悩む農家を直接サポートする「援農ボランティア」を募集! 農作業を通して、生産者と交流し、農業への理解を深めてみませんか? 合わせて、受入農家も募集します。
なお、両者とも、事前説明会(5月末の予定)への出席が必須です。 ●援農ボランティア 作業日時→6月から10月までの月1回。時間はおおよそ午前9時〜午後4時 内容→農作業全般(農機具を操作する作業以外) 定員→50人(抽選) *受入農家へは各自での移動、また、昼食は各自でご準備ください。 ●受入農家 募集数→10農家程度(選考により決定) ●申し込み・問い合わせ 5月8日(月)から22日(月)までに、電話またはEメールでお申し込みください。 産業企画課tel(888)5725 Eメール ro-agmn@city.akita.akita.jp |
農業ブランドの確立に力!
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![]() 住所:仁井田字小中島111-1 tel(838)0278 園芸振興センターは、まさに秋田市農業ブランドの確立に欠かせない施設です。園芸作物の生産振興や担い手育成(研修の実施)、販売促進事業などのほか、6次産業化に取り組むかた向けの加工研修室の貸し出しなども行っています。 興味のあるかたはホームページをご覧ください。 http://www.city.akita.akita.jp/city/ag/pc/ ![]() 加工研修室。農水産物を加工するさまざまな機器が揃っています。商品改良、新商品開発などの試作に、ぜひご利用ください |
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