※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2018年10月5日号

市長コラム

日頃からの備え〜災害列島日本

市長 穂積 志(もとむ)

北海道胆振東部地震の被災地である厚真町での、緊急消防援助隊秋田県隊の救助活動の様子

 ひんやりとした夜空に、くっきりと月が浮かぶ秋の夜長、何をするにもいい季節になりました。それにしても、今年の夏、日本列島では大きな災害が相次ぎました。
 手元に9月7日の秋田魁新報があります。1面に大きく「北海道震度7」、紙面をめくるとやや大きく「関空きょう一部再開」、その下には「政府、西日本豪雨復旧へ追加支援」。これらは順に、「平成30年北海道胆振東部地震」、台風21号の影響で運用が止まっていた関西国際空港、7月、広島県や岡山県、愛媛県などで甚大な被害が出た西日本豪雨の関係記事です。いずれも数年に一度あるかないか、あるいはそれ以上の規模の災害が立て続けに発生しています。現在でも、日本中で多くのかたが仮設住宅や避難所で不自由な暮らしを余儀なくされており、中には発生から7年が過ぎた東日本大震災の被災者も数多くいます。
 天災は忘れた頃にやってくる、のではなく、私たちに忘れるいとまを与えなくなっています。災害はいつかはわからないだけで、「やってくる」ことを前提に考える必要があります。
 市の災害対策基本条例は、自助・共助・公助の大切さを表しています。公助として、行政が安全・安心なまちづくりや地域ぐるみの防災対策を推進することはもちろんですが、行政は万能ではありません。特に災害発生直後は、自助、市民一人一人の行動が自らの命や生活を守ることにつながります。西日本豪雨の際、倉敷市では、ほぼハザードマップ想定どおりに浸水が起きていますが、残念ながら多くのかたが犠牲となりました。日頃から食料・水などの備蓄を心がけ、全戸配布しているハザードマップや避難場所、経路などについては、今一度確認していただきたいと思います。
 冒頭で触れた、北海道胆振東部地震の際には秋田市消防本部からも緊急消防援助隊を派遣しています。9月6日未明に地震が発生し、消防庁からの出動要請を受け、午前6時50分には隊員30人が秋田港から苫小牧へフェリーで出航し、その日のうちに被災地に入り活動に合流しています。あのような土砂崩れの現場では、ことさら慎重を要する救助作業となります。消防隊員として、市民の安全・安心を担う使命・責務はありますが、心身に負担を伴う困難な仕事といえます。
 被災地の一日も早い復旧を祈るとともに、現地で任務についた隊員のこういった日頃の努力をねぎらうべく、この欄を借りて、どうしても市民のみなさんに伝えたいと思った次第です。

◆秋田市のハザードマップについては、防災安全対策課へお問い合わせください。tel(888)5434
 市ホームページでも公開しています。【広報ID番号 1002188
…「広報ID番号」は、秋田市ホームページ画面上でのページ検索の際に入力してください。


©2018秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp